いつから準備するか
顧問先への案内から引き継ぎが終わるまでの期間は、顧問先の数や契約の内容によって変わります。顧問先が次の社労士と手続きを引き継げるよう、引退の時期が決まったら早めに準備を始めてください。顧問先の数が多いほど時間がかかるため、早めに知らせるのが一般的です。
引き継ぎの形
- 顧問先を、引き継ぎ先の社労士法人へ引き継ぐ:引き継ぎ先を決め、顧問先の承諾を得て引き継ぎます。引き継ぎが終わったら、登録の抹消を申請して廃業します(廃業の手続き)。
- 社労士法人の社員として後継者を迎える:社労士法人の社員は社労士でなければなりません(社会保険労務士法25条の8第1項)。後継者が社員として加わり、法人として顧問先との契約を続ける形です。
後継者がいない場合の選択肢は事業承継、M&Aとして進める場合の基本はM&A・売却の基本、社労士法人の場合は社労士法人の譲渡・売却でご説明しています。
顧問先の承諾
契約の当事者の一方が第三者と契約上の地位を譲る合意をした場合、その契約の相手方が承諾したときに、契約上の地位はその第三者に移ります(民法539条の2)。顧問契約を引き継ぎ先に移すには、顧問先の承諾が必要です。
元の契約を移すのか、顧問先と引き継ぎ先が新しく契約を結ぶのかは、状況によって異なります。
個人データの引き渡しと秘密を守る義務
- 開業社労士は、正当な理由がなく、業務で知った秘密を漏らしたり盗用したりしてはならず、開業社労士でなくなった後も同じです(社会保険労務士法21条)。
- 個人情報保護法では、合併その他の事由による事業の承継に伴って個人データが提供される場合、受け取る者は「第三者」にあたらないとされています(個人情報の保護に関する法律27条5項2号)。マイナンバーを含む特定個人情報も、事業の承継に伴う提供は認められています(番号法19条6号)。
顧問先ごとの引き継ぎがこれらの「事業の承継」にあたるかは、事情によって判断が分かれることがあります。顧問先に引き継ぎを案内し、承諾を得ながら進めるのが一般的です。
引き継ぎの対価の考え方
ご相談・査定は無料です。引き継ぎ先の社労士法人から、事務所の価値に応じた対価が支払われます(目安:年間売上の0.3〜0.5倍)。
※ 目安であり、顧問先の構成・契約内容などによる個別査定で決まります。
価格が上下する要素と、年間売上から目安を計算できるシミュレーターは、譲渡価格の目安にあります。
職員のこと
- 職員は、業務で知った秘密を漏らしてはならない義務を、職員でなくなった後も負います(社会保険労務士法27条の2)。
- 職員が引き継ぎ先で働くことを希望する場合は、ご相談の中でうかがいます。
- 職員の退職に伴って、雇用保険・社会保険の手続きが必要になることがあります。期限は手続きごとに決まっているため、早めに確認してください。
ご相談の流れ
- ご相談:相談フォームから、現在の状況とお困りのことをお知らせください。
- ヒアリング:事務所の形、顧問先の数や契約の内容、職員の状況をうかがいます。
- 引き継ぎ先の決定:条件をすり合わせ、引き継ぎ先の社労士法人を決めます。
- 承継の手続き:顧問先への案内、書類・データの引き渡し、対価の受け取りまでを進めます。