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社労士事務所の事業承継後継者がいないときの選択肢と準備

後継者がいない社労士事務所でも、事務所の終え方にはいくつかの選択肢があります。親族や職員に継いでもらう、ほかの社労士法人に顧問先を引き継ぐ、法人にして後継者を迎える、廃業する、の4つです。このページでは、それぞれの進め方と、準備にかかる期間の考え方をご説明します。

4つの選択肢

選択肢向いている場合準備にかかる期間
親族・職員に継いでもらう社労士の資格を持つ親族や職員がいる後継者が業務と顧問先に慣れるまでの期間が必要。資格の取得から始める場合は、さらに長くなります
ほかの社労士法人に顧問先を引き継ぐ身近に後継者がいない引き継ぎ先を決め、顧問先に案内して承諾を得るまでの期間が必要
社労士法人にして後継者を迎える後継者となる社労士はいるが、すぐに全てを任せるのは難しい法人の設立と、後継者が社員として加わるまでの期間が必要
廃業する顧問先がそれぞれ次の社労士を探せる顧問先が次の社労士を見つけるまでの期間が必要

親族・職員に継いでもらう

社労士または社労士法人でない者は、他人の求めに応じ報酬を得て、社労士の業務を業として行うことはできません(社会保険労務士法27条)。親族や職員に継いでもらうには、その人が社労士であることが前提になります。

社労士となるには、社労士となる資格を持つ人が、社労士名簿に登録を受ける必要があります(社会保険労務士法14条の2第1項)。開業して業務を行う場合は、事務所を定めて、あらかじめ登録を受けなければなりません(社会保険労務士法14条の2第2項)。登録の手続きは、所属する社労士会にご確認ください。

ほかの社労士法人に顧問先を引き継ぐ

身近に後継者がいない場合は、顧問先を引き継ぐ社労士法人を探す方法があります。契約上の地位を移すには、相手方(顧問先)の承諾が必要です(民法539条の2)。

引き継ぎ先の社労士法人から、事務所の価値に応じた対価が支払われます(目安:年間売上の0.3〜0.5倍)。目安であり、顧問先の構成・契約内容などによる個別査定で決まります。詳しくは譲渡価格の目安とM&A・売却の基本をご覧ください。

社労士法人にして後継者を迎える

社労士法人の社員は、社労士でなければなりません(社会保険労務士法25条の8第1項)。後継者となる社労士が社員として加わり、法人として顧問先との契約を続ける形です。

社員が1人の社労士法人では、その社員が亡くなると、社員がいなくなることが法人の解散の理由に当たります(社会保険労務士法25条の22第1項7号)。後継者を社員に迎えておくことは、こうした場合に備える意味もあります。法人の譲渡や社員の入れ替えは、社労士法人の譲渡・売却でご説明しています。

廃業する

登録の抹消を申請すると、連合会が登録を抹消します(社会保険労務士法14条の10第1項1号)。廃業の前に、顧問先が次の社労士と手続きを引き継げるよう、早めに案内するのが一般的です。手続きの流れは廃業の手続きをご覧ください。

準備期間の考え方

どの選択肢でも、顧問先が困らないように、時間に余裕をもって進めることが大切です。準備にかかる期間は、次のような点で変わります。

  • 顧問先の数と、契約の内容
  • 後継者が業務と顧問先に慣れるまでにかかる時間
  • 職員が引き続き働くかどうか
  • 法人の設立など、手続きが必要かどうか

引退の時期が決まっていなくても、選択肢を早めに整理しておくと、いざというときに慌てずに済みます。

最初にやること

  1. 顧問先の数、契約の内容、年間の売上を整理する
  2. 職員の資格の有無と、今後の意向を確かめる
  3. 選択肢ごとに、進め方と時期を比べる
  4. 迷ったら、相談フォームからご相談ください。ご相談・査定は無料です。

承継全体の考え方は承継・引退でご説明しています。

よくある質問

  • 後継者を募集するには、どうすればよいですか?

    身近に後継者がいない場合は、顧問先を引き継ぐ社労士法人を探す方法があります。当サイトでは、引き継ぎ先の社労士法人に直接ご相談いただけます。ご相談・査定は無料です。

  • 職員に事務所を継いでもらうことはできますか?

    職員が社労士であれば、選択肢になります。社労士でない人は、報酬を得て社労士の業務を業として行うことはできないため(社会保険労務士法27条)、職員が社労士の資格を持っているかどうかが分かれ目になります。

  • 社労士事務所の引き継ぎはできますか?

    できます。顧問先の承諾を得て、ほかの社労士・社労士法人に顧問契約を引き継ぐ形が考えられます(民法539条の2)。

出典

条文は e-Gov 法令検索の現行の法令(2026年10月8日時点)で確認しています。