建設業の確定申告とは?必要な書類から申告の手順・留意点まで徹底解説!

この記事では、個人事業主や一人親方として建設業をしている方の確定申告方法を解説しました。青色申告と白色申告の違いや、確定申告時に必要な書類を紹介しています。建設業で働く方が経費にできるものの具体例も説明したので、ぜひ記事を読んでください。

この記事では、個人事業主や一人親方として建設業をしている方の確定申告方法を解説しました。青色申告と白色申告の違いや、確定申告時に必要な書類を紹介しています。建設業で働く方が経費にできるものの具体例も説明したので、ぜひ記事を読んでください。

個人事業主や一人親方として建設業を営んでいる方の確定申告では、工事台帳や請求書、領収書など多くの書類が必要です。現場で忙しい日々を送る中、確定申告書の作成や支払う税金の計算方法に悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで本記事では、建設業を営む個人事業主の確定申告方法を解説しました。青色申告の節税メリットや、確定申告前に用意するべき書類を紹介しています。

建設業の確定申告で具体的に経費にできるものも詳しく解説したので、ぜひ最後まで記事を読んでください。

建設業を営む個人事業主の確定申告とは

個人事業主として建設業を営む場合は、毎年確定申告が必要です。確定申告をするべき理由と、青色申告、白色申告の違いを解説します。

確定申告をするべき理由

建設業を営む方が確定申告をするべき理由は、以下のとおりです。

  • 所得税と復興特別所得税を納税するため
  • 必要経費や所得控除を計上するため
  • 建設業許可の取得に必要なため
  • 納税証明書を取得するため

建設業として働き所得を得た場合は、所得税や復興特別所得税の納税が必要です。仕事の発注者と雇用契約を結び年末調整をした場合は確定申告不要ですが、業務委託契約を結び報酬を得ているなら確定申告を行ってください。

確定申告を行うと、仕事で使用した経費や所得控除を申請できます。また、1件の請負代金が500万円以上の工事を施工する業者が取得する建設業許可の申請時も、確定申告書は必要です(建築一式工事の場合は1,500万円以上)

住宅ローンや車のローンなどで銀行から融資を受ける際は、納税証明書を金融機関に提出します。納税証明書は確定申告をしないと発行できないので、個人事業主や一人親方の方は必ず確定申告を行ってください。

個人事業主の確定申告は必要?不要なケースと税金の計算方法を解説

個人事業主の確定申告は必要?不要なケースと税金の計算方法を解説

個人事業主の確定申告は一定の所得があると必要です。確定申告が不要でも、確定申告をしたほうがいいケースもあります。この記事では、個人事業主の確定申告について解説します。

青色申告か白色申告どちらを選ぶべきか

節税に関するさまざまなメリットがあるので、個人事業主や一人親方として建設業を営んでいる方には、青色申告をおすすめします。青色申告と白色申告のメリット・デメリットを、具体的に解説します。

青色申告のメリット・デメリット

確定申告を青色申告で行うと、節税に関するメリットがあります。具体的には、以下のとおりです。

  • 最大65万円の特別控除を申請できる
  • 家族への給与を経費にできる
  • 30万円未満の固定資産を一括で経費にできる
  • 建設業の赤字を3年間繰り越せる

青色申告を行うと、支払う所得税や復興特別所得税の納税額を抑えられる可能性があります。一方、事前に開業届や青色申告承認申請書を提出し、複式簿記で帳簿を作成する作業は青色申告のデメリットです。

白色申告のメリット・デメリット

確定申告を白色申告で行うメリットは、申告時に用意する書類が少ないことです。青色申告に比べると、少ない事務作業で確定申告は終了します。

一方、特別控除を受けられず所得税や復興特別所得税の納税額が青色申告と比べて増えることは、白色申告のデメリットです。長期的に建設業で働く場合は、節税に関するメリットがある青色申告をおすすめします。

青色申告と白色申告の違いは?メリットとデメリットをわかりやすく解説

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青色申告と白色申告は、対象になる所得の種類や税制上のメリットなどが違います。この記事では、青色申告と白色申告の違いについてわかりやすく解説します。

建設業の確定申告に必要な書類

建設業の確定申告に必要な書類を、具体的に解説します。

工事台帳や請求書・領収書など売上支出が分かる書類

確定申告では、所得税や復興特別所得税の納税額を計算します。工事台帳や請求書、領収書など売上支出の分かる書類を用意してください。

工事台帳に記入した材料費や労務費、外注費などは、確定申告時に収入から差し引ける経費です。必要経費を支払った際は工事台帳へ金額を記入し、領収書もあわせて保管しましょう。

また、2023年10月からはインボイス制度が始まりました。確定申告書の作成や消費税の申請では「T」から始まる13桁の登録番号も必要です。請求書と領収書に登録番号が記入されているかも、あわせて確認してください。

確定申告書 第一表、第二表

確定申告書の第一表と第二表は、税務署や確定申告会場、市役所の窓口で取得するほか、国税庁のWebサイトからもダウンロード可能です。確定申告書とあわせて、青色申告決算書も以下のWebサイトからダウンロードしてください。

参考:所得税及び復興特別所得税の申告書

参考:所得税青色申告決算書

各種控除の証明書

確定申告では、生命保険や地震保険、ふるさと納税などの控除証明書も用意してください。各種控除の証明書は、毎年11月頃に郵送されます。控除証明書を紛失した場合は再発行ができるので、早めに手続きを行いましょう。

また、国民健康保険料も確定申告時に控除申請が可能です。保険料の領収書や通帳からの引き落とし明細などで、金額を確認してください。

建設業の確定申告の手続き方法

建設業の確定申告の手続き方法は、以下のとおりです。

  • 必要な書類の準備
  • 確定申告書の作成
  • 確定申告書の提出
  • 税金の納付または還付

手続き方法を、具体的に解説します。

必要な書類の準備

確定申告を行う前に、必要な書類を準備しましょう。収入が分かる書類と経費が分かる書類、控除証明書を分類すると、スムーズな申告が可能です。

また、確定申告では以下の資料も用意してください。

  • 預金通帳
  • クレジットカードの明細
  • 源泉徴収票
  • 領収書・レシート
  • マイナンバーカード
  • 金融機関の口座情報
  • インボイス番号

インボイス番号は、取引先の番号を事前に調べてください。インボイス登録をしていない業者と取引をした場合は、確定申告書に住所の記入が必要です。

事前に住所をメモしておくと、確定申告書をスムーズに作成できます。

確定申告書の作成

必要書類を準備できたら、確定申告書を作成しましょう。確定申告書の第一表には、以下の項目を記入してください。

  • 住所や氏名などの基本情報
  • 収入金額
  • 所得金額
  • 控除額

記入が終わったら、納税額を計算します。第二表には以下の項目を記入しましょう。

  • 住所や氏名などの基本情報
  • 所得の内訳
  • 控除の内訳
  • 配偶者や親族に関する事項
  • 事業専従者に関する事項
  • 住民税・事業税に関する事項

また、確定申告はe-Taxを活用した電子申告も可能です。e-Taxで申告する方は、国税庁のWebサイトから必要事項を入力してください。

参考:国税庁 確定申告書等作成コーナー

【e-Tax】確定申告をネットで申請するやり方、必要なものを解説

【e-Tax】確定申告をネットで申請するやり方、必要なものを解説

確定申告=税務署に直接行って作業をするものというイメージを持っていませんか?直接提出する方法でも、税務署で書類を作成する方法と、自宅で作った書類を提出するだけの方法があります。そして直接提出する方法以外にも、複数の選択肢が用意されています。自宅で作成した書類を郵送する方法もありますが、最近ではネットから提出できる仕組みもあります。 ネットから申告する方法というのが、e-Taxを利用した方法です。パソコンやスマートフォンを活用することで、自宅にいながら申告できます。税務署まで行く必要がないので、時間がかからず、自分の好きなタイミングで申告ができるというのもポイントの1つです。提出のためにどのような準備が必要か押さえて、時間をかけずに作業ができるようにしましょう。

確定申告書の提出

確定申告書が作成できたら、税務署へ提出しましょう。提出方法は、以下の3つです。

  • e-Taxで提出
  • 郵送で提出
  • 税務署で提出

確定申告の提出期限は、毎年3月15日までです(3月15日が土日・祝日の場合は翌月曜日)期限に送れないように、提出してください。

税金の納付または還付

確定申告を提出したら、所得税と復興特別所得税を納付しましょう。支払い期限は3月15日です。税金の納付方法を口座振替に設定すると、4月中旬〜下旬に登録した口座から自動で引き落とされます。

また、税金が還付される場合は、確定申告書に金融機関の口座番号を記入してください。確定申告書を提出してから3週間程度で、登録した口座へ還付金が振り込まれます。

建設業の経費にできるもの

建設業の経費にできるものとできないものを解説します。

経費にできるもの

建設業の業務に関係のある商品やサービスは、経費として確定申告で申請可能です。具体的には、以下のとおりです。

  • 建設資材
  • 工具などの消耗品
  • 事務所の家賃
  • 事務所の光熱費
  • 固定電話やスマートフォンの通信費
  • インターネット回線・Wi-Fi料金
  • 旅費交通費
  • 荷造運賃
  • 接待交際費
  • 外注費
  • 組合費
  • 雑費

車やスマートフォンを業務とプライベートで兼用している場合は、家事按分を使用して業務で使用した部分を経費で申告できます。経費の詳しい解説は、以下の記事を参考にしてください。

確定申告に計上できる必要経費の項目は?認められる範囲はどこまで?

確定申告に計上できる必要経費の項目は?認められる範囲はどこまで?

詳細はこちら

経費にできないもの

生命保険料や一人親方労災保険料、国民健康保険料や国民年金保険料は経費で申告できません。ただし、確定申告では社会保険料控除を申告できるので、控除証明書を必ず保管してください。

建設業の確定申告の留意点

建設業が確定申告をするときの留意点を解説します。

給与と外注費の違い

業務多忙により仕事を発注した際は、支払った報酬が給与に該当するか外注費に該当するかを確認してください。仕事の受託者と雇用契約を結ぶ場合は、報酬は給与とみなされ受託者の所得税や復興特別所得税を源泉徴収する必要があります。また、年末調整を行うので、事務手続きは煩雑になるでしょう。

仕事の受託者と業務委託契約を結ぶ場合は、支払う報酬は外注費に該当します。支払った報酬にかかる税金は受託者が確定申告時に納税し、発注者は外注費として経費で申告が可能です。契約内容によって報酬の事務手続き方法が変わるので、仕事を発注する際は必ず確認してください。

在庫の棚卸し

12月31日までに業務で使用する在庫の棚卸しを行い、確定申告では棚卸資産として計上してください。棚卸しの記録は棚卸表に記入し、確定申告後も7年間の保存が必要です。

正確に納税額を計算するためにも、毎年必ず棚卸しを行いましょう。

建設業でも確定申告は忘れずに行おう

この記事では、個人事業主や一人親方として建設業をしている方の確定申告方法を解説しました。2023年10月からインボイス制度が始まり、確定申告で行う作業量は増えています。

必要書類や申告書を早めに用意して、期限に遅れないように確定申告を行ってください。

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