
確定申告の還付金はいつ・いくら返ってくるのか気になりますよね。この記事ではその計算方法や還付までの期間について解説します。
還付金とは?
一般的な会社員の場合には、所得税や復興特別所得税を源泉徴収として給料の額から自動的に差し引かれている場合がほとんどでしょう。しかし、場合によっては予定よりも給料が少ないなどの事情で、源泉徴収額よりも実際の納税すべき額が少ない場合もあります。
このようなケースでは、払い過ぎた税金は、年末調整や確定申告・還付申告をすることで手元に戻ってきます。これが「還付金」です。また、各種控除によっても払い過ぎた税金が返ってくる場合があるでしょう。たとえば怪我や入院などで思いがけず医療費を多く支払った場合なども医療費控除の対象となります。ほかにもふるさと納税をしたり住宅ローンを組んだ場合にも、控除の対象となるため払い過ぎた税金が戻ってくる場合があるのです。
確定申告の還付金は最短でいつ返ってくる?
直接税務署に提出する場合や郵送によって提出する場合
- 1月上旬に還付申告した場合の振込予定日:2月上旬から2月中旬
- 2月中旬(確定申告開始時期)に確定申告または還付申告した場合の振込予定日:3月中旬から3月下旬
- 3月中旬(確定申告終了時期)に確定申告または還付申告した場合の振込予定日:4月中旬から4月下旬
直接税務署を訪れたり郵送で確定申告をした場合には、基本的には申告から1か月から1か月半程度で還付金が振り込まれます。確定申告は2月中旬から3月中旬まで行われていますが、例えば確定申告開始時期の2月中旬に申告をすれば3月中旬から下旬、確定申告が終わる3月中旬の申告ならば4月中旬から下旬が振り込みの予定時期です。
なお、還付の申告だけを行う「還付申告」であれば、申告年の翌年1月1日から5年間申告可能です。その場合、例えば1月上旬に還付申告すれば2月上旬から中旬には振り込まれるでしょう。
e-Taxによる電子申告を行なう場合
- 1月上旬に還付申告した場合の振込予定日:1月中旬から下旬
- 2月中旬(確定申告開始時期)に確定申告または還付申告した場合の振込 予定日:3月上旬から3月中旬
- 3月中旬(確定申告終了時期)に確定申告または還付申告した場合の振込予定日:4月上旬から4月中旬
なお、できるだけ早く還付金を受け取りたいのであればe-Taxで確定申告をするのがおすすめです。e-Taxで申告した場合には、1月上旬に還付申告すれば1月中旬から下旬に、確定申告が開始する2月中旬に確定申告や還付申告をすれば3月上旬から中旬に、確定申告が終了する3月中旬に確定申告や還付申告をすれば4月上旬から中旬にはお金が振り込まれます。直接の提出や郵送に比較して早く振り込まれるのが利点です。さらにe-Taxでの申告の場合には、申告から約2週間すると還付の処理状況をリアルタイムで確認できます。
還付金はいくら?計算方法を解説
還付金が戻ってくる可能性がある場合には、一体いくら戻ってくるのか気になる場合もあるでしょう。金額の基本的な計算方法は、源泉徴収額から本来支払うべき所得税額を差し引いた金額です。計算式にすると「源泉徴収額-所得税額=還付金」となります。ここでいう源泉徴収税の金額は給与などの支払額をもとに計算されます。
基本的には、「源泉徴収税の金額=支払金額×10.21%」の計算式が適応となります。ただし、1回あたりの給与や報酬の支払額が100万を超える場合には「源泉徴収税の金額=(支払金額-100万円)×20.42%+102,100円」という計算式になるので注意が必要です。一方所得税については、所得金額によって計算方法が変わります。所得金額による分類は国税庁のホームページを参考にすると良いでしょう。
例えば500万の所得がある場合には、税率は20%で控除額が427,500円となります。この場合には「500万円(所得金額)×20%(税率)-42万7500円(控除金額)」という計算式に基づき、所得税は57万2500円となります。仮に500万の所得があった方の源泉徴収税額が60万円だったのであれば、「60万円(源泉徴収税額)?57万2500円(所得税額)=2万7,500円(還付金)」という計算です。
還付金が振り込みが遅い、振り込まれない場合は?通知はくる?
還付金が支払われることがわかっているにも関わらず振り込みがないと、本当に振り込まれるのか心配になってしまうかもしれません。基本的には郵送または税務署への持参の場合には「振り込み予定日=提出日+1ヶ月?1ヶ月半」、e-Taxの場合には「振り込み予定日=提出日+約3週間」が目安となります。
なお、振り込み前後には「国税還付金振込通知書」が届きます。もしも振り込み予定日を大幅に過ぎても振り込まれないや通知書が届いたにもかかわらず場合には、何らかのトラブルが発生している可能性があるでしょう。そのような場合は税務署に問い合わせてみるのがおすすめです。また、e-Taxでの申請であれば、処理状況をWeb上でチェックできます。
還付金の受け取り方法は?
自分の口座に振り込んでもらう
還付金を受け取る方法は2種類あります。1つは自分の口座に振り込んでもらう方法です。確定申告書の第一表の右下のあたりには「還付される税金の受取場所」について記入する欄が設けられています。この箇所に振込みを希望する金融機関名や支店名・口座番号を記入すれば自分の口座に振り込んでもらうことが可能です。
銀行以外にも信用金庫や農協・漁協などの口座にも対応しています。なお、口座番号などをここで間違えると後々のトラブルになるため、記入後はしっかりとチェックするのがおすすめです。
郵便局の窓口で受け取る
受け取り方法としては、郵便局の窓口で受け取ることも可能です。この場合にも「還付される税金の受取場所」欄への記入が必要となります。この場合には「郵便局名等」という欄に希望する郵便局名あるいはゆうちょ銀行名を記入することになりますが、この場合には自分の利用しやすい郵便局やゆうちょ銀行であればどこでも構いません。
受け取りの際には、国庫金送金通知書と運転免許証やパスポート・マイナンバーカードなどの本人確認書類を持参することで受け取ることができます。
まとめ
確定申告の還付金が振り込まれる時期や、振り込み金額、お金の受け取り方法などについて紹介しました。還付金は支払ったと思ったお金が戻ってくるため、嬉しい気持ちになってしまう場合も多いでしょう。税金の払い過ぎを防ぐためには、源泉徴収額や所得税額を自分自身で把握しておくことが大切です。各種控除の書類などについてもしっかりと管理をしておく必要があります。制度をしっかり理解し、うまく利用することで思わぬ臨時収入を得ることもできるでしょう。