競馬で利益を得たら税金はかかる?確定申告が必要なケースや計算方法を徹底解説!
競馬で得た利益は一時所得または雑所得に区分され、利益が一定額を超えると確定申告の必要があります。確定申告しない場合、追徴課税の恐れがあるため注意が必要です。この記事では、競馬で利益を得た場合の税金について解説します。
競馬で得た利益は「一時所得」または「雑所得」に区分され、利益が一定額を超えると確定申告の必要があります。確定申告しない場合、所得税や住民税の税金とは別に、無申告加算税など追徴課税の支払いの恐れがあるため注意が必要です。
この記事では、競馬で利益を得た場合の税金について解説します。確定申告が必要なケースや、確定申告の方法についてもわかる内容になっています。
競馬で利益が出たら税金はかかる?
競馬の利益は、馬券の購入期間や頻度などによって「一時所得」または「雑所得」に区分されます。所得が一定額を超えると確定申告が必要となり、税金がかかる可能性があります。
競馬の利益は、一時所得と雑所得の区別が重要です。それぞれ異なる計算方法と規定が適用され、発生する税金の金額も異なります。
しかし、全ての場合において確定申告が必要となるわけではなく、特定の条件下では申告の必要がない場合もあります。
確定申告が必要なケース
給与所得のみの会社員の場合、確定申告が必要なケースは以下が考えられます。
- 一時所得の場合:年間の所得が90万円超
- 雑所得の場合:年間の所得が20万円超
医療費控除や住宅ローン控除などを確定申告する場合は、競馬の所得が上記の金額以下でも確定申告が必要になるため注意しましょう。
住宅ローン控除は、年末の住宅ローン残高に応じて税金が控除される制度です。詳しくは以下の記事で確認できます。
住宅ローン控除とは?メリットや条件・確定申告の必要書類・注意点を解説【最新版】
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んで家を買った人が利用できる、税金が節約できる便利な制度です。住宅ローン控除を利用することで、その負担を軽減できます。2022年に、制度にいくつかの変更が加わりました。これらの変更は2024年以降にも影響を及ぼすため、新しいポイントを理解しておくことが重要です。
一時所得とは
一時所得とは通常の収入や給与とは異なり、不定期または偶発的に発生する所得です。競馬だけでなく競輪やボートレースなどの払戻金も含まれます。
また、ふるさと納税の返礼品や一時金で受け取る満期保険金なども一時所得のため、確定申告するときは注意が必要です。
雑所得とは
雑所得は、給与所得や一時所得など9種類の所得に含まれない所得を指します。たとえば、副業や公的年金等が該当します。
競馬の所得が雑所得に区分されるには、以下が大切です。
- 年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入
- 継続して行われているか
- 利益発生の規模
2017年には裁判で、競馬の利益が雑所得と認められたケースがありますが、稀なケースと考えられます。
参考:国税庁「競馬の馬券の払戻金に係る課税について」
確定申告が不要なケース
給与所得のみの会社員の場合、競馬で得た所得の確定申告が不要なケースは、以下が考えられます。
- 一時所得:競馬の所得が年90万円以内
- 雑所得:競馬の所得が年20万円以内
競馬以外に競輪やボートレース、オンラインカジノなどの収入がある場合、合計した所得の判断が大切です。
確定申告が不要な場合、競馬の所得に対する税金は発生しません。しかし、住民税の申告は必要なので注意しましょう。
オンラインカジノの税金について詳しくは、以下の記事で確認できます。
オンラインカジノで勝ったときの税金はどれくらい?計算方法や税金対策も紹介【確定申告】
オンラインカジノで儲けたら、税金を納めることが必要な場合もあります。本記事では、オンラインカジノで儲けたときにいくらから税金を納める必要があるのか、税金の計算方法や税金対策も紹介しています。
競馬で利益が出たときにかかる税金の計算方法
競馬で利益が出たときの税金の計算方法について、一時所得を例に解説します。
一時所得の計算式
一時所得の課税所得額は、総収入金額から必要経費と特別控除額を差し引いた金額に1/2を乗じて計算します。具体的には以下の計算式です。
- (総収入金額 - 収入を得るために支出した金額 - 特別控除額)× 1/2 = 一時所得の課税所得額
競馬の場合、総収入金額は年間の払戻金を意味します。収入を得るために支出した金額は、当たり馬券の購入にかかった金額です。特別控除額は最高50万円とされています。
参考:国税庁「一時所得」
一時所得の計算例
例えば、ある年に300万円の払戻金を得て、100万円の当たり馬券購入費用があったとします。
総収入金額: 300万円
収入を得るために支出した金額: 100万円
特別控除額: 50万円
この場合、計算式に従って計算すると以下です。
(300万円 ー 100万円 ー 50万円)× 1/2 = 75万円がその年の一時所得となります。この金額が確定申告の基礎となり、税金が計算されます。
はずれ馬券は経費に計上できる?
はずれ馬券が必要経費になるのと必要経費にならないのでは、税額に差がでます。ここでは、はずれ馬券の必要経費計上について解説します。
一時所得として申告する場合
一時所得として申告する場合、はずれ馬券は必要経費に計上できません。一時所得の経費は「収入を得るために支出した金額」です。
はずれ馬券の購入額は「収入を得るために支出した金額」とはみなされず、必要経費と含められないでしょう。これは、はずれ馬券が直接的な収入に結びつかないためです。
雑所得として申告する場合
雑所得として申告する場合、はずれ馬券は必要経費に計上できます。雑所得の計算式は以下です。
- 総収入金額 ー 必要経費 = 雑所得の課税所得額
雑所得は一時所得とは異なり、必要経費は「収入を得るために支出した金額」とはなっていため、はずれ馬券も必要経費とすることができます。
はずれ馬券が必要経費になったほうが税金が少なくなる可能性があるため、競馬で得た利益を雑所得で税金計算したくなるでしょう。しかし、さきほど触れましたが、競馬の所得を雑所得に区分するのは難しいです。
競馬で得た利益は、一時所得で税金計算すると考えるのが無難です。
競馬の利益にかかる税金の確定申告の方法
競馬の利益にかかる税金の確定申告は複雑ではありません。ここでは、以下について解説します。
- 必要な書類
- 確定申告書への書き方
- 提出方法
- 申告をしなかった場合はどうなる?
必要な書類
競馬で得た利益に関する確定申告では、主に以下の書類が必要です。
- 確定申告書
- 本人確認書類
- 所得金額がわかる書類
- 生命保険料控除証明書などの所得控除に必要な書類
確定申告書は国税庁のHPからダウンロードできます。
所得金額がわかる書類は、会社員の場合は給与所得の源泉徴収票が必要です。また、競馬の収入や支出の金額がわかる書類を準備しましょう。
生命保険料控除証明書などの所得控除に必要な書類が紛失した場合、再発行が可能です。再発行には時間がかかるため、事前に確認しておくと安心します。
確定申告書への書き方
競馬で得た利益を確定申告する場合、確定申告書の以下の欄に必要事項を記入します。
- 第一表:収入金額等、所得金額等の「一時」の部分
- 第二表:総合課税の譲渡所得、一時所得に関する事項
競馬で得た利益を雑所得で税金計算する場合、第一表は収入金額等、所得金額等の「雑・その他」の部分に記入します。
提出方法
確定申告書の提出方法は、以下の3つです。
- e-Taxで申告
- 郵送で提出
- 税務署に直接持参
e-Tax(電子申告)を利用すると、オンラインで確定申告書を提出できます。e-Taxは迅速で便利な方法であり、近年は多くの人に利用されています。
郵送の場合、必要書類を全て揃えて税務署宛に送ります。収受日付印のある確定申告書の控えが必要な場合は、申告書の控えと切手を貼付した返信用封筒の同封を忘れないようにしましょう。
どの方法でも提出できますが、提出期限内の提出と税金の納付をすることが大切です。
申告をしなかった場合はどうなる?
競馬の利益に関する確定申告をしなかった場合、税務署から追徴課税の対象となる可能性があります。追徴課税とは、本来納付する税金に加えて発生するペナルティで、以下のようなものがあります。
- 無申告加算税
- 重加算税
- 延滞税
追徴課税は、通常の税金とは別に支払うため税金の負担が増えます。
税金を払いたくないからと申告しないことはやめましょう。特に、競馬で大きな利益があった場合は注意が必要です。SNSなどで、税務署に伝わるケースもあります。
無申告加算税などについて詳しくは、以下の記事で確認できます。
確定申告を忘れた場合はどうなる?覚えておくべきペナルティ5選と対処法を解説
もし確定申告を忘れてしまったら、放っておくわけにはいきません。忘れたことに気付いたら、すぐに手を打つことが重要です。 本記事では、確定申告の締め切りを過ぎてしまった場合にどんなペナルティがあるのか、確定申告を忘れてしまったときにどう対応すれば良いのかについて説明します。さらに、締め切りまでに確定申告を完了できそうにない場合の対策もお話しします。
競馬で利益を得たら確定申告が必要か確認しよう
競馬で利益を得た場合、利益が一定額を超えると税金がかかる可能性があります。競馬の所得は、一般的には一時所得に該当するため、はずれ馬券の購入費用を必要経費に含めて計算することは原則できません。
期限内に確定申告書を提出すると同時に、税金の納付も大事です。
確定申告が必要であるにもかかわらず、申告せずに税金を納付しなかった場合、追徴課税の対象になります。追徴課税は本来の税金とは別に支払うため、申告を忘れないようにしましょう。
【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司
会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。
みんなの税理士相談所は最適な税理士をご紹介
- 忙しくて決算・確定申告に手を回せていない
- 自分では出来ない節税対策を依頼したい
- 要望に合った顧問税理士を探したい
みんなの税理士相談所では、このようなお悩みや要望をお持ちの方に税理士を検索できるサービスの提供と、税理士の紹介をしております。
税金まわりのお悩みや要望は、数多くあり、ネットで調べて解決するには難しいと感じた方もいるでしょう。当サービスでは、相談内容やお住まいの地域ごとに最適な税理士に出会うことが可能です。
以下のお問い合わせフォームから具体的な内容を入力できるので、お気軽にご利用下さい。