確定申告を忘れた場合はどうなる?覚えておくべきペナルティ5選と対処法を解説

もし確定申告を忘れてしまったら、放っておくわけにはいきません。忘れたことに気付いたら、すぐに手を打つことが重要です。 本記事では、確定申告の締め切りを過ぎてしまった場合にどんなペナルティがあるのか、確定申告を忘れてしまったときにどう対応すれば良いのかについて説明します。さらに、締め切りまでに確定申告を完了できそうにない場合の対策もお話しします。

もし確定申告を忘れてしまったら、放っておくわけにはいきません。忘れたことに気付いたら、すぐに手を打つことが重要です。

本記事では、確定申告の締め切りを過ぎてしまった場合にどんなペナルティがあるのか、確定申告を忘れてしまったときにどう対応すれば良いのかについて説明します。さらに、締め切りまでに確定申告を完了できそうにない場合の対策もお話しします。

確定申告を忘れた場合はどうなる?

もしも確定申告を忘れた場合は、自分で気づくか税務署から指摘されるなどして期限後に申告をすることになります。いずれにしても、期限後に遅れて確定申告をするとペナルティが課せられて税金が増額されるので注意が必要です。

定められた期限内に確定申告をしなかった場合に意図的に申告をしなかったとみなされてしまうと、大きなペナルティが課されて税額が増額される恐れがあります。申告を忘れることで生じるペナルティは、以下の2点です。

  • 延滞税、無申告加算税、重加算税などが課されるおそれがある
  • 青色申告の恩恵が受けられなくなる

そもそも確定申告の期限は?

確定申告を行うべき期限ですが、毎年2月16日~3月15日までの1ヶ月間と定められています。年収額が2,000万円以下のサラリーマン(給与所得者)の方でも、副収入などの年末調整に含まれない収入や各種控除がある場合には、この期間中に自分で確定申告をする必要があります。申告を行う場所ですが、原則として住所地を管轄する税務署に書類を提出します。

書類を郵送したり、マイナンバーカードとスマートフォンを使用したりして、自宅に居ながら確定申告の手続きを行うことも可能です。税務署の開庁時間は平日の8時30分から17時までですが、夜間や休日でも提出用のボックスを使って書類を提出すれば問題ありません。税務署に出向かなくても、郵送で書類を送付したりオンライン上で申告をしたりする方法もあります。

参考:No.2024 確定申告を忘れたとき

確定申告を忘れた場合のペナルティ5つ

ここでは、確定申告を忘れた場合に課される具体的なペナルティを5つに分けて順番に解説します。

無申告加算税

もしも確定申告を忘れた場合には、一定のペナルティが課される可能性があります。確定申告を忘れるといくつかの税金が加算されますが、税務署から指摘された場合は無申告加算税が科せられる恐れがあります。無申告加算税の税率ですが、15%(税額50万円まで)または20%(税額50万円)が増額されます。より多くの収入がある人ほど、無申告加算税の税率が高くなってしまうので注意が必要です。

ただし無申告加算税には救済措置が設けられており、確定申告をする意志があって一定の条件を満たすような場合には、このペナルティが減額または免除される可能性もあります。

無申告加算税が減額されるケースですが、確定申告の遅れが1ヶ月以内で税務署が本格的に調査を開始する前に自主的に申告をすれば、10%(税額50万円まで)または15%(税額50万円以上)が適用されることがあります。

本来の申告期限から1ヶ月以内に確定申告を行い、本人に期限内に申告をする意思があると判断された場合には無申告加算税そのものが免除されるようになっています。期限内に確定申告をする意思があったことを示すためには、忘れたことに気づいたら早めに申告をすることが大切です。

延滞税

確定申告を忘れた場合には、後から申告をすることで遅れて税金を納めることになります。納税が遅れると、本来納めるべき税額に対して日割り計算で延滞金(延滞税)が加算されてしまいます。

延滞税の税率ですが、期限日から2ヶ月以内であれば年率7.3%または特例基準割合+1%の低いほうで計算されます。納税期限日から2ヶ月を過ぎてしまうと、年率14.6%または特例基準割合+7.3%の低いほうが適用されます。

納税すべき期限2ヶ月以上遅れてしまうと年率14%もの高い延滞税がかかってしまうので、もしも確定申告を忘れたことに気づいた場合は1日でも早く手続きをすることが大切です。

ちなみに、無申告加算税であれば状況に応じて減額されたり免除されたり可能性がありますが、延滞税については救済措置が存在しません。延滞税は救済措置がない上に納税が1日遅れるごとに加算されてしまうので、注意が必要です。

年率14%というのは銀行カードローンや消費者金融(サラ金)の利息と同じくらいで、時間が経過するとかなりの金額になります。確定申告を忘れたことに気づいてすぐに申告をして納税をすれば延滞税は少なくて済みますが、何ヶ月も遅れてしまうとかなりの金額になるので要注意です。

重加算税

一般的に確定申告を忘れた場合は、ペナルティとして延滞税と無申告加算税の2つが加算されてしまいます。ただし税務署から悪質な脱税と判断されてしまうと、これらに加えて重加算税が課される恐れがあるので注意が必要です。重加算税は本来納めるべき税額の35~40%に設定されているので、かなり高額のペナルティとなります。

期限内に確定申告を行っていたとしても、意図的な所得の隠ぺいや改ざんなどが見つかって税務署から指摘されるような場合でも、重加算税が加算されてしまう恐れがあるので要注意です。確定申告を忘れて延滞税・無申告加算税・重加算税の3つが課せられてしまうと、収入のほとんどが税金となってしまう恐れがあります。

過少申告加算税

過少申告加算税は、実際に納めるべき税金を少なく申告した場合に課される追加の税金です。もし申告した税金が実際に納めるべき額よりも少ないことに気付いたら、早めに修正申告を行うことが大切です。

税務署による調査前に自ら修正申告を行えば、過少申告加算税を避けられる可能性がありますが、税務署の調査後や指摘を受けてからの修正申告では、支払うべき税金に加えて過少申告加算税が課されます。

過少申告加算税の率は基本10%ですが、修正によって追加で支払う税金が初めに申告した税額や50万円のどちらか大きい額を超えた場合、超えた分に対しては15%の税率が適用されます。

青色申告の控除額が減る

複式簿記で青色申告をすると最高で年額65万円まで控除が認められているので、節税対策に有効です。65万円の控除を受けるためには、e-Taxを利用してオンライン上で青色申告をする必要があります。

もしも確定申告を忘れた場合には、青色申告(e-Taxを)をすることにより認められている65万円の控除額が10万円に減額されてしまうので注意が必要です。55万円分が課税対象となり、収入に応じて5~45%の範囲で追加で所得税を納めなければならなくなってしまいます。

例えば、課税所得額が194万9,000円以下で税率が5%の人で青色申告を利用する場合は、27,500円(55万円×5%)の税金を余分に支払うことになります。 課税所得額が600万円の場合は所得税の税率は20%なので、控除額が55万円減額されることにより11万円も所得税が増額されてしまいます。

控除額が減額されることによるダメージは年収額によって違いがありますが、より多くの収入を得ている人は税率が高くなるので所得税の金額が大きくなります。 確定申告を忘れると青色申告で認められている最高65万円の控除が受けられなくなるだけでなく、翌年度以降も不利益を被る恐れがあるので注意が必要です。

青色申告をしていて2年連続で確定申告を忘れてしまうと、以後に青色申告ができなくなってしまうというペナルティも存在します。具体的には、青色申告の手続きをしても税務署から承認を拒否されてしまいます。青色申告ができなくなると白色申告をすることになり、損失の繰り越しや高額な控除が受けられなくなってしまいます。

永久に青色申告を承認してもらえなくなる訳ではありませんが、一定期間は節税がしにくい白色申告をしなければならなくなってしまうので注意が必要です。

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確定申告の時期が近づくと自分は確定申告が必要な人かどうか、した方がいいのか悩み始めることがあるでしょう。この記事では確定申告が必要な人や不要が人、した方がいい場合と会社員の場合についても解説します。

確定申告を忘れた場合の対処法

もし確定申告の締め切りを逃してしまったことに気付いたら、早めに申告をすることが大切です。締め切り後でも、早く申告すればするほど、支払う延滞税を少なくできます。特に、期限を過ぎてから1ヶ月以内に自ら申告すると、無申告であった場合に課される追加の税金を免除される可能性があります。

申告せずにそのままにしておき、税務署による指摘を受けて無申告が発覚した場合は、より重いペナルティが課されることになります。

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確定申告の期限が過ぎてしまいそうなときの対応

災害などの避けられない理由で確定申告や所得税の納税が期限内に間に合わない場合は、「災害による申告、納付等の期限延長申請書」を提出することで期限を延長してもらうことが可能です。

この申請書は、納税地の税務署に提出します。提出後、申請者の状況が認められれば、確定申告の締切を延ばしてもらえます。申請は、やむを得ない事情が解消した後の適切な期間内に行う必要があります。

確定申告を忘れた場合のペナルティまとめ

きちんと期限内に確定申告をすれば、節税や税金の軽減措置が受けられるというメリットがあります。不注意で確定申告を忘れてから1ヶ月以内に自主的に申告をすれば無申告加算税や重加算税は課されないかもしれませんが、日数に応じて延滞税がかかってしまいます。これらに加えて、青色申告を活用した節税ができなくなってしまうというデメリットもあります。

申告を忘れた結果、トータルで納める税金が高額になってしまうので注意が必要です。効果的に節税をするためにも、定められた期限内に確定申告の手続きを済ませることが大切です。市町村によっては役所に税金の無料相談窓口が設けられているので、不明な点がある方は相談をすることをおすすめします。

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