副業で確定申告が必要なのはいくらから?ばれないためには?
給料を会社からもらっている人は税金関係は全て会社がやってくれますが、副業などで副収入を得ているなら自分で税金の処理もする必要があります。 副業の所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。 会社に副業がばれないためには、住民税を自分で納付するなどの方法が考えられます。 確定申告の必要書類や手順も解説するので、適切に確定申告を行うために参考にしてください。
副業とは
そもそも副業とはなんでしょうか。ここでは以下のことについて解説します。
- 副業の定義
- 副業の収入と所得
- 副業の所得区分
副業の定義
副業とは、本業以外の仕事から収入を得ることを指します。例えば、会社員のアルバイトや、在宅でのビジネスなどが含まれます。副業は、趣味やスキルを生かして収入を得る手段としても広く認識されています。
副業の収入と所得
副業の確定申告を確認する上で「収入」と「所得」の違いを知ることが大切です。
- 収入=売上
- 所得=売上 - 経費
収入とは、経費を引く前の売上です。給与の場合は、社会保険料などが引かれる前の金額をイメージします。
一方、所得は収入から経費を引いた金額です。
例えば売上30万円、経費5万円の場合、所得は30万円から5万円を引いた25万円です。サラリーマンの副業は、売上から経費を引いた所得が20万円を超えた場合に、確定申告が必要になってきます。
副業の所得区分
個人の所得は全部で10種類あり、副業の内容によって所得区分が異なります。副業の所得は主に「給与所得」「不動産所得」「事業所得」「雑所得」の4つに分類されるでしょう。
例えばアルバイトやパートの副業は給与所得、アパート経営などは不動産所得に区分されます。また、メルカリやネットオークションでの販売、アフィリエイトなどは事業所得または雑所得です。
所得によって計算方法や控除などが違うため、副業がどの所得に区分されるか確認が大切です。事業所得と雑所得の違いについては、以下の記事で詳しく確認できます。
事業所得とは?副業の所得は事業所得?雑所得?どっち?
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副業で確定申告が必要となる金額と所得区分別のケース
副業で確定申告が必要となる金額の目安は、本業以外の所得が20万円を超える場合です。ここでは、所得区分別に確定申告が必要となる金額を解説します。
給与所得の場合
サラリーマンが、会社で年末調整された給料以外にアルバイトやパートで働いている場合、副業の年間所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
また給与の年間収入金額が2,000万円を超えるケースも、確定申告が必要です。給与所得は以下の方法で計算されます。
- 収入金額 - 給与所得控除 = 給与所得
確定申告する際は、本業の給与所得と副業の給与所得を合計して税金を計算します。
参考:国税庁「給与所得者で確定申告が必要な人」
雑所得・事業所得の場合
雑所得や事業所得に該当する副業は、メルカリやネットオークションでの販売、アフィリエイトなどです。副業が雑所得や事業所得の場合、本業以外の所得が20万円を超えると確定申告が必要です。
雑所得、事業所得はそれぞれ以下の方法で計算されます。
雑所得は20万以下だと確定申告不要?必要経費・計算方法を解説
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- 総収入金額 - 必要経費 = 雑所得
- 事業の総収入金額 - 必要経費 = 事業所得
例えば売上30万円、経費15万円の場合、所得は30万円から15万円を引いた15万円です。このケースでは、所得が20万円以下のため確定申告が不要です。
事業所得がマイナスになった場合、本業の給与所得と事業所得のマイナスを相殺できます。
不動産所得の場合
不動産所得は、土地の賃貸料や賃貸アパートの家賃収入などです。副業の不動産所得が20万円を超えると確定申告が必要です。不動産所得は以下の方法で計算されます。
- 不動産の総収入金額 - 必要経費 = 不動産所得
不動産の収入金額には家賃収入や地代収入だけでなく、礼金や更新料なども含まれます。また、返還不要な敷金も含まれるため注意しましょう。
副業が会社にばれないようにする方法
副業が会社にばれないようにする方法は、以下の3つが考えられます。
- 住民税を自分で納付する
- 副業について人に不用意に話さない
- SNS利用に注意する
住民税を自分で納付する
副業は、住民税が原因で会社にばれる恐れがあります。住民税は給与と、副業を合計した所得で計算されます。
合計して計算されるため、副業の所得が増えれば増えるほど、給与から引かれる住民税の金額も増えます。給与の金額に対して住民税が多い場合、副業を疑われる可能性があります。
副業の住民税は、確定申告の際に「自分で納付する」を選択すると、住民税を自分で納付可能です。自分で納付する場合、副業に対する住民税の通知は自分に届き、会社には給与に対する住民税の通知が届きます。
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副業について人に不用意に話さない
副業はどこでばれるかわかりません。会社に副業がばれたくない場合、副業について不用意に話さない方がいいでしょう。
特に、会社の人に副業について話すのは注意が必要です。お酒を飲んだときなどに話題となり、会社にばれる恐れがあります。
SNS利用に注意する
副業はSNSからばれるケースもあります。匿名でSNSを利用していても会社内のことや、ランチの写真などで特定される可能性があるため注意しましょう。
副業で確定申告する手順
副業の確定申告は具体的に以下の手順で実施します。
- 手順①:必要な書類・データを用意する
- 手順②:確定申告書や国税庁の定める必要添付資料を作成する
- 手順③:確定申告書と必要書類を提出する
①必要な書類・データを用意する
副業の確定申告に必要な書類は以下が考えられます。
- 給与所得の源泉徴収票や所得を証明できる書類(払調書など)
- 控除を受けるための証明書類
- 本人確認書類
- 還付を受けるための口座情報
ふるさと納税している場合、寄付金控除証明書の準備が必要です。ふるさと納税のワンストップ特例制度は、確定申告が不要な場合に利用できる制度です。
確定申告が必要な場合、ワンストップ特例制度は利用できないため寄付金控除が漏れないように注意しましょう。
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ワンストップ特例制度は、ふるさと納税をしても確定申告不要で寄付金控除を受けられる手軽な方法です。この制度を利用するには、「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」に必要な情報を記入し、寄付を行った自治体に提出するだけ。寄付した金額から2,000円を除いた額が、住民税から控除されます。 本記事では、ふるさと納税の際にワンストップ特例制度を利用する方が得なのか、それとも確定申告をした方が良いのか説明します。
②確定申告書や国税庁の定める必要添付資料を作成する
確定申告は1月1日から12月31日までの副業に対する収入や経費を集計し所得金額を計算します。必要な書類やデータを基に、確定申告書を作成し所得金額と所得税を計算します。
確定申告書は手書きでも作成できます。しかし手書きの場合は自分で計算したり、記載漏れが発生する恐れがあるため注意が必要です。
国税庁の確定申告書等作成コーナーを利用すると、確定申告書だけでなく収支報告書なども作成できます。
本業が忙しかったり、初めての確定申告で不安な場合は、税理士に依頼するといいでしょう。
スマホでの確定申告のやり方
スマホで確定申告を行うことも可能です。確定申告書類を作成するには、まずスマートフォンで国税庁の確定申告書等作成コーナーを開きます。作成開始ボタンを押し、画面内の指示に従って手続きや情報入力を進めましょう。確定申告書類の作成が完了したら、確認してe-Taxで送信します。
スマホで確定申告を行うためには各種書類の準備やスマホの機種が対応している必要がありますので、余裕を持って準備しましょう。
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③確定申告書と必要書類を提出する
確定申告書を作成したあとは、必要書類と一緒に所轄の税務署に提出します。確定申告書の提出期限は、翌年の3月15日までです。税務署の窓口に直接持参するほか、郵送や電子申告(e-Tax)で提出できます。
確定申告書の提出だけでなく、税金の納付を忘れないように注意しましょう。
副業の確定申告書の書き方
ここでは、副業の確定申告書の書き方について解説します。
所得と所得税の計算
まずは副業の売上から経費を差し引いて所得金額を算出します。そして、社会保険料控除や医療費控除などの各種所得控除を差し引き、課税所得を出します。
最後に課税所得に税率をかけ、住宅ローン控除などがあれば税額控除をして所得税を算出しましょう。
確定申告書への記入
確定申告書の第一表と第二表に、必要事項を記載していきます。
第一表に、先ほど算出した収入金額や所得金額、各種控除額、税金を記載します。税金の還付を受ける場合は、振込希望先の口座情報も記載しましょう。
第二表には、まず所得の内訳欄に所得の種類と支払い者の名称、収入額を記載します。源泉徴収されている場合、その金額も記載しましょう。そして、各種控除に関する情報も記入します。
初めての確定申告で不安な場合は、税理士に依頼すると良いでしょう。
正しく理解して副業の確定申告を行おう
一般的には副業の所得が20万円を超える場合、確定申告が必要です。副業の内容によって、申告区分が異なります。副業がどの所得に該当するか確認して、適正に申告しましょう。
また、副業の所得が20万円以下であっても、住民税の申告は必要です。20万円いかないからといって、収入を証明する書類や領収書などを捨てないことが大切です。
【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司
会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。
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