確定申告と学生の関係性|バイト掛け持ちは要注意【最新】

学生でもアルバイトや業務委託契約で働くと、所得税や住民税の納税義務が発生します。アルバイトの掛け持ちで一定以上の収入を得ると、年末調整だけでなく確定申告が必要です。本記事では確定申告のやり方や勤労学生控除を解説したので、控除の内容もあわせて確認してください。

学生でもアルバイトや業務委託契約で働くと、所得税や住民税の納税義務が発生します。アルバイトの掛け持ちで一定以上の収入を得ると、年末調整だけでなく確定申告が必要です。本記事では確定申告のやり方や勤労学生控除を解説したので、控除の内容もあわせて確認してください。

学生でもアルバイトや業務委託などで収入を得ると、確定申告が必要な場合があります。しかし、確定申告のやり方や必要な書類を十分に理解していない方も多いのではないでしょうか?学業やアルバイトに忙しい中で、税金関連の手続きを学ぶことは大変ですよね。

本記事では、確定申告が必要なケースや申告のやり方、必要書類や注意点を解説しました。学生が利用できる勤労学生控除も詳しく紹介するので、ぜひ最後まで記事を読んでください。

学生でも確定申告が必要?

学生がアルバイトなどで収入を得た場合に、確定申告が必要なケースと不要のケースを解説します。

確定申告が必要なケース

学生でも確定申告が必要なケースは、以下のとおりです。

  • アルバイトを2つ以上掛け持ちしている
  • アルバイト以外の所得が20万円以上ある
  • アルバイト先で年末調整をしていない
  • 年末調整で控除を申請していない
  • 個人事業主をしている

アルバイトを2つ以上掛け持ちする人は、1箇所でしか年末調整の手続きができません。メイン以外のアルバイト先で所得が20万円超えた場合は、確定申告が必要です。アルバイト以外の所得が20万円を超えた場合も、確定申告を行ってください。

アルバイト先で年末調整をしていない人や、年末調整で控除申請を忘れた人も確定申告が必要です。また個人事業主の方は、原則確定申告を行いましょう。

確定申告が不要なケース

アルバイトが1箇所で年末調整を行ったら、確定申告は不要です。年末調整をすると支払う所得税と住民税の金額が確定します。学業に専念してアルバイトなどの収入がない方も、確定申告不要です。

アルバイトを掛け持ちしている場合も、給与所得の合計が103万円以下なら確定申告の必要はありません。

確定申告が必要な人とは?不要な人・した方がいい人、会社員の場合も解説【総まとめ】

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確定申告の時期が近づくと自分は確定申告が必要な人かどうか、した方がいいのか悩み始めることがあるでしょう。この記事では確定申告が必要な人や不要が人、した方がいい場合と会社員の場合についても解説します。

勤労学生控除とは

勤労学生控除とは、学校に通いながら働く学生の税負担を減らせる制度です。勤労学生控除を活用すると、支払う所得税や住民税の金額は少なくなります。

アルバイトする方におすすめの制度なので、要件や控除額、メリット・デメリットを確認しましょう。

勤労学生控除の要件

勤労学生控除が適用される要件は、以下の4つです。

参考:勤労学生控除

  • 給与所得や事業所得など勤労による所得がある
  • 勤労の合計所得額が75万円以下
  • 勤労以外の所得が10万円以下
  • 特定の学校の生徒

勤労とは、アルバイト以外にも業務委託や個人で行う事業にも当てはまります。勤労以外の所得とは、不動産所得や仮想通貨投資などで得た所得です。

特定の学生とは、小学校から大学生を差しています。専門学校や通信教育は対象にならない場合もあるので、事前に学校で確認してください。

勤労学生控除の控除額

勤労学生控除の控除額は、所得税が27万円。住民税は26万円が控除されます。勤労学生控除は、基礎控除や給与所得控除とあわせて活用できます。

勤労学生控除のメリット・デメリット

勤労学生控除のメリットとデメリットを解説します。

勤労学生控除のメリット

勤労学生控除を活用するメリットは、所得税と住民税の納税額を減らせることです。年間の給与収入が130万円以下なら、所得税はかかりません。控除の内訳は、勤労学生控除27万円と基礎控除48万円、給与所得控除55万円です。

住民税には26万円の控除が認められるので、納税額は少なくなります。ただ、住民税のルールは自治体によって異なるので、管轄の市役所や区役所で確認してください。

勤労学生控除のデメリット

勤労学生控除のデメリットは、収入が増えて扶養控除から外れると、扶養者(おもに両親や配偶者)の納税額が増えることです。1年間の収入が103万円を超えると、両親や配偶者は扶養控除を使えなくなります。

学生自身の所得税は、年収130万円までなら非課税で収まります。ただ、両親や配偶者の所得税や住民税の納税額が増えることはデメリットでしょう。

扶養控除が使えない場合の納税額は、扶養者の所得によって変わります。また扶養控除の金額も、学生の年齢が16歳以上18歳以下なら38万円、19歳以上23歳未満で63万円と異なります。

勤労学生控除を活用し、収入を増やして扶養から外れる場合は、事前に両親や配偶者と相談してください。

勤労学生控除の手続き方法

勤労学生控除の手続き方法を、年末調整と確定申告に分けて解説します。どちらの場合でも在学証明書が必要なので、事前に学校で取得してください。

年末調整で申告する場合はアルバイト先に提出

アルバイト先で年末調整を行うなら、給与所得者の扶養控除等(異動)申告書に必要事項を記入してください。年末調整は11月から12月に行うので、アルバイト先の担当者に問い合わせましょう。あわせて在学証明書の控えを提出してください。

確定申告で申告する

確定申告をする場合は、確定申告書に必要事項を記入します。確定申告書は税務署でもらう他、国税庁のWebサイトから申告可能です。確定申告の詳しいやり方は、以下の記事を参考にしてください。

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学生の確定申告のやり方

確定申告の期限や必要書類、提出方法を解説します。申告前に慌てないよう、事前に確認してください。

確定申告の期限

確定申告書は、2月16日から3月15日の間に提出してください。3月15日が休日の場合は、次の平日が提出期限です。所得税の納付期限も3月15日までなので、忘れずに納付しましょう。

またオンライン上で申請できるe-Taxを使うと、2月16日より前に確定申告書を提出できます。確定申告時期が試験やアルバイトなどで忙しい方は、早めに申告してください。

必要な書類

確定申告で必要な書類は、以下のとおりです。

  • 確定申告書
  • 源泉徴収票
  • 控除証明書
  • 所得証明書
  • 経費の証明書
  • 在学証明書

勤労学生控除の申請をする方は、学校で在学証明書を取得してください。マイナンバーや運転免許証、健康保険証などの身分証明書も必要です。所得税が還付される場合は、振込用の口座を用意してください。

提出方法

確定申告書は直接税務署に提出する以外にも、郵送やe-Taxで提出できます。郵送で確定申告書を提出し控えが必要な方は、返信用の封筒と切手も同封してください。

必要書類の不足や、必要事項が記入されているかを確認してから、税務署へ提出しましょう。

参考:確定申告

学生の確定申告に関する注意点

学生の確定申告に関する注意点を、2つ解説します。

雇用形態が業務委託契約の場合

家庭教師のアルバイトは、雇用契約ではなく業務委託契約を結ぶことが多いです。業務委託契約を結ぶと、55万円の給与所得控除は使えません。そのため、雇用契約を結ぶアルバイトよりも、支払う所得税は多くなりやすいです。

家庭教師の他に業務委託契約を結ぶ職種は、プログラマーやデザイナー、WebライターやUber Eatsの配達員などです。確定申告時に支払う所得税が変わるので、アルバイトをする前に自分の契約内容を必ず確認してください。

確定申告を忘れてしまった場合

確定申告を忘れてしまうと、延滞税と無申告加算税のペナルティがあります。延滞税とは、申告期限の翌日から所得税の納税完了までの日数に応じて発生する税金です。無申告加算税は、確定申告を期限内に行わないと発生します。

確定申告をしないまま放置すると、延滞税と無申告加算税の金額は増えていきます。申告期限を過ぎても税務署は確定申告書を受け付けているので、必ず提出して所得税を支払ってください。

確定申告を忘れた場合はどうなる?覚えておくべきペナルティ5選と対処法を解説

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もし確定申告を忘れてしまったら、放っておくわけにはいきません。忘れたことに気付いたら、すぐに手を打つことが重要です。 本記事では、確定申告の締め切りを過ぎてしまった場合にどんなペナルティがあるのか、確定申告を忘れてしまったときにどう対応すれば良いのかについて説明します。さらに、締め切りまでに確定申告を完了できそうにない場合の対策もお話しします。

学生でも確定申告が必要か確認しよう

学生がアルバイトや業務委託などで収入を得た場合、一定の条件を満たすと確定申告が必要です。アルバイト先で年末調整をしていない方や、医療費控除や寄付金控除をする場合は確定申告の準備をしましょう。

確定申告書の作成は時間がかかりやすいので、必要書類を集めて早めに作業を開始してください。

【監修者】代表 / 大勝 健司

【監修者】代表 / 大勝 健司

会計士試験合格後、監査法人に入社。百貨店、不動産ディベロッパーを中心にホテル、飲食業、製造業など幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税金計算や固定資産業務を中心に、決算短信、四半期報告書、有価証券報告書、事業報告などの外部公表資料の作成を担当。 また税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般に携わる。

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