株を相続したら相続税はかかる?節税対策や計算方法を紹介!
株を相続した場合の相続税の計算方法や節税対策を詳しく解説します。初心者にも分かりやすい具体例を交えて、相続時の手続きや専門家への相談の重要性についても紹介します。
株を相続すると相続税がかかるのか、どのように節税対策をすれば良いのか、多くの人が悩んでいることでしょう。
特に、相続税の計算方法や節税の具体的な手段が分からず、どう対処すれば良いか困っている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、株を相続した際にかかる相続税について詳しく解説し、節税対策や相続税の計算方法を具体例を交えながらご紹介します。
原則として株を相続すると相続税がかかる
株を相続する場合、不動産や財産を相続するのと同じように、相続税がかかります。
ただし、株は価格が常に変動するため、どの時点の価格を相続税の評価額とするかによっても支払う税金の金額は異なります。
また原則として、株を相続する場合は相続税がかかりますが、税金が発生しないケースもあるのです。
株を相続しても相続税がかからない場合
株を相続しても、特定の条件や状況下では相続税がかからない場合があります。以下に具体例を挙げながら詳しく説明します。
【基礎控除額以内の場合】
相続税は、基礎控除額を超える遺産に対して課税されます。基礎控除額は以下の式で計算されます。
「基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 法定相続人の数)」
例えば、法定相続人が3人いる場合は、「基礎控除額 = 3,000万円 + (600万円 × 3人) = 4,800万円」という計算式になります。
そのため、遺産総額が4,800万円以下であれば相続税はかかりません。
その他、次のような事例でも株を相続しても相続税は発生しません。
- 小規模宅地等の特例を利用した場合
- 配偶者の税額軽減
- 生前贈与を利用した場合
- 非課税財産を活用した場合
株式の種類ごとの相続税評価額の計算方法
株式を相続する際、その評価額を正確に計算することが重要です。
しかし、株式の種類によって評価額の計算方法は異なります。
未上場株式、上場株式、会社に属する株式など、それぞれに特有のルールが存在します。
ここからは、上場株式の評価方法と非上場株式の評価方法をそれぞれ紹介しますので、参考にしてください。
上場株式の評価方法
上場株式の評価額は、原則として「相続が発生した日(課税時期)の終値」で決まります。
この終値を基に、評価額を算出する仕組みです。
例えば、相続発生日が2024年6月10日で、その日の終値が1株5,000円だった場合、保有している株数が1,000株であれば評価額は「5,000円×1,000株=500万円」になるということです。
また、課税時期の終値が分からない場合や、その日の終値が特異的な値動きをしている場合は、以下の方法で評価します。
- 月平均株価の利用
- 前月平均株価の利用
- 前年平均株価の利用
複数の上場株式を相続する場合は、それぞれの株式について、評価額を算出して合計します。
非上場株式の評価方法
非上場株式を相続する場合は、評価額の計算方法は上場株式とは異なります。
非上場株式の評価方法には、大きく分けて以下の3つがあります。
- 類似業種比準方式
- 純資産価額方式
- 配当還元方式
例えば、ある非上場企業A社の株式を相続する場合、以下のように評価できます。
- 企業Aの純資産価額が3億円、年間利益が2,000万円、配当金が200万円
- 類似業種の上場企業の平均PERが1.5倍、配当利回りが1.5%
この場合、それぞれの評価額の計算は以下の通りです。
【類似業種比準方式の場合】
評価額 = 15倍 × 2,000万円 = 3億円
配当金の評価額 = 1.5% × 200万円 = 3万円
【純資産価額方式の場合】
純資産価額 = 3億円
【配当還元方式の場合】
配当金 = 200万円
評価額 = 200万円 × 10倍 = 2,000万円
このように、非上場株式の評価額の算出は上場株式と比べても複雑です。
少しでも不安があるなら、専門家である税理士に一度相談することをおすすめします。
株の相続税を節税対策
株を相続する際、相続税をできるだけ抑えたいと考えるのは当然です。
相続税の節税対策にはいくつかの方法があります。
ここでは、初心者にも分かりやすく具体例を交えながら説明します。
- 生前贈与を行う
- 特例を利用する
生前贈与を行う
相続税の節税対策として効果的な方法の一つに、生前贈与があります。
生前贈与とは、生きているうちに財産を贈与することを指し、これを計画的に行うことで、相続税の負担を軽減することができます。
特例を利用する
特例は一定の条件を満たすことで、相続税の計算上の優遇措置を受けられる制度です。
例えば、相続する財産が配偶者に対して相続される場合、「配偶者控除」が適用されます。
この制度では、配偶者が相続する財産に対して一定額の非課税枠が適用されます。
総相続財産が1億円あり、その財産を配偶者が全額相続し、配偶者控除の上限が1億6,000万円だとすると、相続税の課税対象額は0円になるということです。
ただし、特例の適用条件や詳細については事前によく確認し、専門家のアドバイスを受けることが重要です。
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株の相続税についてよくある質問
ここからは、株の相続税に関するよくある質問に回答していきます。
株の相続税を支払えない場合はどうすればいいですか?
株の相続税を払えない場合、いくつかの対処方法があります。
- 分割納税の申請
- 特例の申請
- 相続財産の処分
- 相続放棄
例えば、相続税を一括で払うのが難しい場合、税務署に分割納税の申請を行うことができます。
これにより、たとえ一括で払えなくても相続税を複数回に分けて支払うことができます。
また、相続財産の一部を売却して相続税を支払う方法も選択肢の一つです。
例えば、相続した株式などの資産を売却して現金化し、相続税の支払いに充てることができます。
ただし、売却によって損失が発生する可能性もあるため、注意が必要です。
相続は株と現金のどちらでするのがいいですか?
結論から言うと、一概にどちらがいいとは言えません。
なぜなら、それぞれの状況や目的によって最適な選択肢が異なるからです。
株を相続したときに行う手続きの流れ
ここからは、株を相続したときに行う手続きの流れを紹介します。
- 流れ1:株式の調査を行う
- 流れ2:遺産分割協議を行う
- 流れ3:名義変更手続きを行う
- 流れ4:相続税申告をする
流れ1:株式の調査を行う
まずは相続財産の中から株式を特定します。株主名簿や証券口座の取引履歴などを確認してください。
次に、相続財産としての株式の評価額を算出します。
株式の評価の計算は上場と非上場で異なるため、注意してください。
流れ2:遺産分割協議を行う
次に、法定相続人や遺言書に基づき、相続人を確定します。
相続人間で協議し、遺産分割の合意を形成してください。
流れ3:名義変更手続きを行う
次に、株式の名義変更手続きを行うため、該当する会社や金融機関に連絡して名義変更に必要な書類を入手してください。
その後、株主名簿や証券口座の名義変更手続きを行います。
流れ4:相続税申告をする
最後に、相続財産の評価額や相続人の関係などを考慮して相続税を計算します。
計算した相続税額を基に、相続税申告書を作成し、必要書類や証明書を添付して、税務署に提出してください。
相続税の申告書を提出したら、相続税を納付します。
支払い期限までに必ず納付手続きを済ませるようにしましょう。
株で確定申告が必要な場合と不必要な場合を解説【総まとめ】
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株の相続税に関するお悩みは税理士にご相談を
この記事では、株を相続した場合の節税方法や計算方法を紹介しました。
株の相続税に関する疑問や悩みは、それぞれの状況によって異なります。
そのため、専門家である税理士に相談することが重要です。
税理士は豊富な知識と経験を持ち、適切なアドバイスや節税対策を提供してくれます。
相続税の専門家として、あなたの状況に合わせた最適な解決策を見つける手助けをしてくれるでしょう。
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