決算対策は何をするべき?!知っておきたい節税テクニック一覧!
この記事では、法人企業の決算対策を解説しました。税額控除の適用や未払費用を損金として計上するなど、具体的な節税対策を8つ紹介しています。また、中小企業退職金共済や生命保険への加入などの節税テクニックも解説したので、ぜひ最後まで読んでください。
法人企業の財務を管理する立場になると、税金の負担をできる限り減らしたいと思う担当者は少なくないでしょう。また、長期的なビジネスの安定と成長のために、具体的な節税対策を知りたい方も多いでしょう。
そこで本記事では、決算が迫ってきたら実施したい節税テクニックや、法人が支払う税金の種類を解説しました。決算に向けた資金管理方法や効果的な節税対策を理解するために、ぜひ最後まで記事を読んでください。
決算対策とは
法人の決算対策は、利益や損失の管理と節税対策を中心に行われます。決算対策を行うと、適正な納税額を把握しつつ、財務の健全化や企業価値の維持・向上が期待できるでしょう。
決算とは
決算とは、企業が一定期間(通常は1年間)の経営成績と財政状態を確定させ、結果を取りまとめて報告する行為です。1年分の帳簿を作成し、損益計算書やバランスシート、キャッシュフロー計算書などの財務諸表を作成します。
作成した財務諸表は公認会計士によって監査が行われ、株主に決算報告書を提出して承認を得ます。
決算対策とは
法人が行う決算対策を、節税対策と金融対策に分けて解説します。
節税対策
法人が決算前に行う節税対策は、以下の8つです。
- 税額控除を適用する
- 未払費用を損金として計上する
- 前払費用を損金として計上する
- 決算賞与を損金として計上する
- 備品を購入する
- 資本金を減らす
- 不要な在庫や資産を損金として計上する
- 繰越欠損金と利益を相殺する
節税対策をすると納税額を減らせるため、手元に現金が残り安定したビジネスを行えます。
今すぐできる法人向けの節税対策一覧!実施時の注意点も詳しく解説!
法人税を節税する方法はたくさんあります。中小企業の経営者必見!今すぐ実践できる節税対策をまとめました。節税対策は信頼できる税理士に相談するのがベストです。この記事では、節税対策実施時の注意点、法人化するメリットなども解説しています。
金融対策
法人が行う金融対策とは、経済活動を効果的に支援し、リスク管理を戦略的にとるための対策です。具体的には、金融機関からの資金調達や社債の発行、キャッシュフローの最適化を行います。
ポートフォリオを見直して投資リスクを分散させたり、他社との業務提携や企業を買収したりすることも、法人が行う金融対策として有効です。
法人税の種類について
法人が支払う税金の種類を、3つに分けて解説します。
法人税
法人税とは、法人が得た所得にかかる税金です。株式会社や有限会社、医療法人や学校法人などの法人に課せられます。
法人税の税率は15%〜23.2%で、資本金の金額や1年間の所得によって異なります。法人税の申告と納税期限は、決算日の翌日から2か月以内です。
なお、1年間の売上が少なく赤字になると、法人税は課税されません。
法人事業税
法人事業税は日本の地方税の一つで、都道府県が課税する税金です。法人が登記する地域の公共サービスを維持するために使われます。
法人事業税の税率は、法人の種類や資本金の金額、1年間の所得や自治体によって異なります。また、法人事業税は法人税や法人住民税と異なり、損金算入が可能です。
法人住民税
法人住民税も法人事業税と同じく地方税で、都道府県や市区町村に支払います。法人住民税には均等割と法人税割の2種類があり、税率は納税する自治体によって異なります。
また、法人住民税は法人税とは異なり、事業が赤字でも納税義務は発生するので注意してください。
法人税とは?税率の計算方法から節税・納付期限まで徹底解説!
本記事は法人化を検討している個人事業主に向けて、法人税のしくみを徹底解説しました。法人税の種類や税率の計算方法、法人税の納付方法や節税方法も紹介しています。売上が上がり法人化を検討している個人事業主の方は、ぜひ最後まで記事を読んでください。
決算が迫ったら・知っておきたい節税テクニック
法人企業が知っておきたい節税テクニックを8つ解説します。
税額控除を適用する
税額控除を適用すると、法人税の節税が可能です。具体的には、所得税額控除や外国税額控除、雇用促進税制や一般試験研究費の額に係る税額控除制度などがあります。
税額控除を適用するときには、控除額や概要などを事前に確認しましょう。
未払費用を損金として計上する
未払費用を損金として計上すると、益金から差し引く金額が多くなり節税につながります。決算日までに商品やサービスの支払いが済んでいなくても、以下の要件を満たすと損金計上は可能です。
- 債務が確定している
- 商品やサービスの提供を受けている
- 金額や数量を算定できる
前払費用を損金として計上する
商品やサービスなどの前払費用は資産計上が原則ですが、短期前払費用の特例を活用すると損金への計上が可能です。短期前払費用の特例を適用できる具体例は、以下のとおりです。
- 建物の家賃
- パソコンやサーバーのリース料
- 生命保険料や火災保険料
- 電子版の新聞や雑誌
短期前払費用の特例を活用すると節税につながるだけでなく、帳簿作成の時間も削減できます。
決算賞与を損金として計上する
決算賞与を損金として計上すると、法人税の負担を軽減できます。損金計上するための要件は、以下のとおりです。
- すべての従業員に支給額を通知している
- 通知した金額を事業年度終了の翌日から1ヶ月以内に支給している
- 決算賞与を通知した日の事業年度に損金計上している
決算賞与を支払うと、法人税の負担を軽減できるだけでなく、従業員のモチベーションアップにつながります。
備品を購入する
決算日までに備品を購入すると、損金に計上できるので法人税の節税が可能です。資本金1億円以下で青色申告申請書を提出した法人は、30万円以下の備品を全額損金に計上できます。
業務で使用するパソコンやプリンターなどの買い替えを検討している企業は、決算日までの備品購入を検討してください。
資本金を減らす
企業の資本金が1億円以下になると、幅広い節税対策が可能です。
- 軽減税率の適用
- 年間800万円までの交際費を損金計上
- 10年以内の繰越欠損金を全額控除
- 繰越欠損金の繰戻還付
- 少額減価償却資産の損金算入特例
資本金を1億円以下にすると、企業の信用力は低下する可能性もありますが、多くの節税対策を活用できます。
不要な在庫や資産を損金として計上する
在庫にも税金は課せられるので、不要な資産を処分すると節税につながります。在庫を処分したときの費用は損金計上できるので、オフィスや倉庫などを確認して、使用していない備品は処分を検討してください。
繰越欠損金と利益を相殺する
繰越欠損金を翌期以降の利益と相殺することで納税額を抑えられます。具体的には、翌期以降の課税所得から、今期の欠損金(赤字)を差し引くことが可能です。
欠損金を繰り越すためには、青色申告承認申請書や確定申告書を期限内に提出する必要があります。適用条件を満たすために、必要書類は必ず提出しましょう。
決算期が近くなくても・知っておきたい節税テクニック
法人が活用できる節税テクニックを、5つ解説します。
別会社の設立
企業の利益が増えてきたら、別会社を設立すると節税につながります。具体例な節税メリットは、以下のとおりです。
- 法人税の軽減税率を適用できる
- 事業税の軽減税率を適用できる
- 交際費の金額を増やせる
- 少額減価償却資産の特例が使える
- 消費税免税措置を使える
別会社を設立すると事業運営の費用は増加しますが、節税に関するメリットは多いです。企業の利益が増えてきたら、事業を分割して別会社の設立を検討してください。
決算日を変更し納税時期を延ばす
決算月に多くの利益が出そうな場合は、決算日を変更すると納税時期を翌年に繰り越せます。消費税の免税事業者の場合は、決算日を変更すると免税期間を延長できる可能性もあるでしょう。
決算月の利益が予想以上に多いと見込まれる場合は、決算日の変更を検討してください。
中小企業退職金共済への加入
中小企業退職金共済へ加入すると、節税対策が可能です。中小企業退職金共済は中小企業のための退職金制度で、月額5,000円〜3万円の掛金を任意で設定できます。
支払う掛金は全額損金へ計上できるので、退職金の積立とともに節税対策も可能です。
生命保険・損害保険への加入
生命保険や損害保険への加入も、法人の節税対策に有効です。最高解約返戻率が50%以下の保険は、全額損金に計上できます。
一方で、最高解約返戻率が50%を超える保険は、保険料の一部を資産として計上する期間があります。保険によって損金計上できる金額が異なるため、契約時は損金計上可能な商品を選びましょう。
税理士に相談する
税理士に節税の相談をすることも、有効な節税対策です。税理士は定期的に無料相談会を行っているので、節税対策を検討している方は参加をおすすめします。
税理士事務所によっては、電話やメール、LINEなどのチャットサービスに対応しています。自身が使用しているツールに対応する税理士事務所に問い合わせてみましょう。
節税対策に強い税理士の特徴は?選び方のポイントや注意点を解説!
「税金の負担が重く、節税をしたいが有効な対策がわからない」「節税の相談をしたいけれどどの税理士に相談すればよいかわからない」などのお悩みを抱えていませんか。 節税についてのお悩みを抱えている場合には税理士への相談がおすすめです。節税対策に強い税理士に相談すれば、節税のみならず経営や資金繰りの改善も期待できます。 本記事では、節税対策に強い税理士の特徴や選び方のポイント、税理士に相談する際の注意点について分かりやすく解説します。
決算対策は税理士に相談しよう
本記事では、法人企業が行う決算対策を解説しました。不要な在庫の処分や長期的に使用する備品の購入など、今すぐ取り組める対策も紹介しています。
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