国税OB税理士の強みは？税務調査の対応には国税OB税理士がおすすめ！

税理士と顧問契約をする際に、どのような経歴を持つ税理士を選べばよいのか迷う方も多いでしょう。事業の拡大に伴い税務が複雑になる中で、税務調査のリスクや節税に関する重要性を意識する方も少なくありません。

そこで本記事では、国税庁や税務署での勤務経験がある国税OB税理士の特徴を解説しました。国税OB税理士が税務調査に強いと言われる理由や、依頼するメリットや注意点も紹介したので、ぜひ最後まで記事を読んでください。

国税OB税理士とは

国税庁や税務署で一定期間の勤務を行うと、退職後に税理士への登録が可能です。国税OB税理士の特徴と、一般的な税理士との違いを解説します。

国税OB税理士とは

日本で活躍する約3割の税理士は、国税庁や税務署での勤務経験があります。国税OB税理士は、国税庁や税務署で長期間勤務をしているので、税法に関する深い知識や豊富な経験を持っているというメリットがあります。

また、国税調査官や税務署とのネットワークを持つ場合が多いです。

一般的な税理士との違い

一般的な税理士との違いは、税理士試験に合格しているかどうかです。一般的な税理士は、税理士試験に合格したあと実務経験を2年以上行い、税理士登録申請書類を提出します。

一方で、国税OB税理士は税理士試験の免除制度を活用することが多く、税理士試験を受けていなくても税理士登録が可能です。また、公認会計士や弁護士の資格を取得後に、税理士登録をする税理士もいます。

国税OB税理士は税務調査に強い？

国税OB税理士は、調査を行う側の視点を持っているので、一般的に税務調査の対応に強いと言われています。

国税OB税理士に税務調査対策・対応を依頼する4つのメリット

以下の4つのメリットを、詳しく解説します。

• 税務調査で指摘されやすい箇所を熟知している
• 調査官の視点から税務調査対策ができる
• 税務調査時に調査官の意図を理解した対応ができる
• 調査官を納得させる税務調査の交渉ができる

税務調査で指摘されやすい箇所を熟知している

長年にわたる実務経験があるので、国税OB税理士は税務調査のときに指摘されやすい箇所を熟知している点がメリットの一つです。例えば、売上の計上時期のミスや在庫の記入漏れ、印紙の貼り忘れなどの事例や対処法をアドバイスしてもらえるでしょう。

税務調査の前に指摘されやすい箇所のアドバイスをもらえるので、必要な対策を事前に理解できます。

調査官の視点から税務調査対策ができる

国税OB税理士と顧問契約をすると、調査官の視点から税務調査対策を行えるというメリットがあります。彼らは税務調査を行う立場だったので、調査官が指摘するポイントや注意点を深く理解しているからです。

例えば「接待交際費や旅費交通費にプライベートで支払った費用を計上していないか？」や「親族に支払う給与が適正かどうか」を確認してもらえるでしょう。事前に指摘されやすいポイントを理解できれば、適切な税務調査対策を行えます。

税務調査時に調査官の意図を理解した対応ができる

国税OB税理士は、税務調査時に調査官の意図を理解した対応ができるのも大きなメリットです。これまでの国税庁や税務署での勤務経験から「なぜその質問をするのか？」という意図を理解できるからです。

税務調査でよく行われる質問も理解しているので、事前に準備する書類の内容や、整理しておくべき資料の確認もできるでしょう。

調査官を納得させる税務調査の交渉ができる

国税OB税理士に税務調査の立会を依頼すると、調査官を納得させられる交渉がしやすいでしょう。特に、経費の計上や課税基準の解釈など、税務調査では調査官と交渉をする場面は多いです。

実際に調査の経験があるので、お互いに納得ができるポイントを探しての交渉を期待できます。

税務調査とは?調査時期や期間、流れについて教えます

税務調査とは、確定申告で提出した書類の内容を税務署などが調査するものです。どのような調査なのか解説します。

国税OB税理士に依頼するときの注意点

国税OB税理士に依頼するときの注意点を、4つ解説します。

出身系統外の税目に関する知識・経験が少ない

1つ目の注意点は、税理士によっては出身系統外の税目に関する知識や経験が少ない可能性があることです。税目とは税金の種類のことで、所得税や法人税、相続税や住民税などを指します。

自身の事業に関する知識や経験が少ない税理士では、確定申告や税務調査の準備をスムーズに行えない場合もあるでしょう。例えば、不動産投資を行っている企業が法人税の申告を得意とする税理士に依頼した場合、固定資産税や不動産取得税など、特有の税務問題に対する適切なアドバイスを受けられない可能性があります。

税理士と顧問契約をする際は、自身の事業を得意とする税理士に依頼をしてください。

申告書・決算書を作成できない

2つ目の注意点は、申告書や決算書の作成ができない可能性があることです。国税局や税務署での業務は申告書の受理や監査が中心となり、実際に帳簿をもとに確定申告書や決算書を作成する作業の経験は少ないからです。

税理士によっては「独立後に初めて決算書を作成し、記入方法や資料集めなどに苦労した」というエピソードもあります。実際に依頼をする際は、申告書や決算書の作成をした経験が少ない事を理解しましょう。

最新の税法に詳しくない

3つ目の注意点は、最新の税法に詳しくないことです。国税OB税理士は長年の実務経験はありますが、定年後に改正された税法の知識が不足している場合があります。

例えば、2023年10月に施行されたインボイス制度では、消費税を納税する際の特例ルールが導入されました。これに不慣れな国税OB税理士は、最新の適用要件や手続きの変更点を見落としてしまうリスクがあります。

また、暗号資産等に関する税務上の取り扱いなどでは、毎年変更されるルールや注意点を見落とす可能性もあるでしょう。依頼する際は、最新の税法に詳しいかを必ず確認してください。

予定が埋まりやすい

最後の注意点は、国税OB税理士は予定が埋まりやすいことです。国税OB税理士は税務に関する知識があり経験も豊富なことから、依頼が殺到し予定が埋まりやすくなっています。

特に、年末調整や確定申告の時期や、税務調査が行われやすい7月〜11月などに依頼が集中しやすいです。顧問契約の依頼を検討している方は、早めに問い合わせをしてください。

国税OB税理士が所属している税理士事務所もオススメ！

税理士との顧問契約を検討している方は、国税OB税理士が所属している税理士事務所もオススメです。理由を詳しく解説します。

事務所内でノウハウが共有されている

長年にわたって知識や経験を蓄積した国税OB税理士が所属する税理士事務所では、ノウハウの共有が進んでいます。多くのノウハウが共有された税理士事務所からは、品質の高いサービスを受けられるでしょう。

依頼主は複雑な税務課題のアドバイスを受けられ、税務調査の立会も安心してお願いできます。

精度の高い税務・決算申告ができる

税理士事務所に国税OB税理士が所属していると、税務書類や決算申告の精度は高くなります。なぜならば、税務書類や決算申告の作成経験が豊富な税理士と共に、作成した書類を二重で確認できるからです。

精度の高い税務書類や決算申告を作成できるため、国税OB税理士が所属する税理士事務所への依頼をオススメします。

国税OB税理士が所属している税理士事務所の選ぶポイント

具体的なポイントを、3つ解説します。

実績が豊富にある

税理士事務所を選ぶ際は、所属税理士の実績が豊富にあるかどうかが重要です。具体的には、相続税や法人税などの申告実績を、公式サイトなどで確認しましょう。

あわせて、税務調査の対応件数が多い税理士事務所を選ぶと、事前準備や必要資料の用意などのアドバイスをもらえます。

国税OB税理士が複数名所属している

国税OB税理士が複数名所属している税理士事務所には、より多くのノウハウが蓄積されています。特に、国税庁のOBと税務署のOBが所属する税理士事務所を選ぶと、複数の視点で税務調査のアドバイスがもらえるでしょう。

依頼したい系統出身の国税OB税理士が所属している

自身が行う事業を得意とする国税OB税理士が所属しているかを、税理士事務所を選ぶ際に確認してください。特に不動産業界やIT業界などは専門知識が必要なので、依頼したい系統出身の税理士が所属していると安心でしょう。

税理士事務所の公式サイトでは税理士のプロフィールを確認できるので、依頼前に必ずチェックしてください。

税務顧問・顧問税理士とは？業務内容やメリット・注意点まで解説！

本記事は顧問税理士を依頼したい方に向けて、税理士の具体的な業務内容や費用相場、契約する際の注意点を解説しました。税務顧問のメリットやデメリットも紹介していますので、税理士との顧問契約を検討している方はぜひ最後まで記事を読んでください。

税務調査の対応には国税OB税理士がおすすめ！

本記事では、税務調査の対応に強い国税OB税理士の特徴を解説しました。一般的な税理士との違いは、長年の実務経験があるので、税理士試験を免除されている場合が多いことです。

税理士との顧問契約を検討している方は、税務調査のプロセスや調査官がチェックするポイントを理解している国税OB税理士をおすすめします。

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