決算期とは?決め方から変更方法・注意すべきポイントまで徹底解説!
決算期とは企業の事業年度の最終月のことで、決算月とも呼ばれます。決算期によって、税金の支払いや財務諸表の作成時期が決定します。決算期は会社設立時に決めますが、あとで変更も可能です。この記事では決算期について解説します。決め方や変更方法も、わかる内容になっています。
決算期とは企業の事業年度の最終月のことで、決算月とも呼ばれます。決算期によって、税金の支払いや財務諸表の作成時期が決定します。決算期は会社設立時に決めますが、あとで変更も可能です。
この記事では決算期について解説します。決め方や変更方法も、わかる内容になっています。
決算期とは?
決算期とは企業の事業年度の最終月のことで、決算月とも呼ばれます。企業は事業年度ごとに財務諸表を作成し、株主や債権者などの利害関係者に提出します。
財務諸表には企業の収益や費用、資産や負債などの情報が記載されており、企業の経営状況を把握するために重要です。財務諸表の作成時期は、決算期が影響します。
決算期とは企業の事業年度の最終月のこと
事業年度とは企業の1年間の活動をまとめた期間のことで、会社が自由に決められます。たとえば決算期が9月の企業の事業年度は、10月1日から9月30日までです。
事業年度は1年以内の範囲で決められますが、多くの企業は事業年度を1年間にしています。
日本企業は決算期を3月・9月・12月とするところが多い
決算期は会社設立時に決定しますが、日本企業は決算期を3月・9月・12月とすることが多いです。特に3月を決算期とする企業が目立ちます。
日本では学校や自治体など、4月から年度をスタートする傾向があります。また法改正や施工のタイミングも4月になることが多いです。事業年度の途中で法改正が実施されると、それに伴う手続きも複雑になります。
事業年度と法改正などのスタート時期を一緒にしたいと考える企業は、決算期を3月にする傾向があると考えられます。
参考:国税庁「決算期別法人数」
個人事業主と法人の決算期の違い
個人事業主の場合は決算期は12月
個人事業主の決算期は12月です。毎年1月1日から12月31日までの収入と支出を計算し、確定申告します。
たとえば個人事業主が10月3日に開業した場合、10月3日から12月31日までの収入と支出を計算し、他の所得と合わせて確定申告します。10月3日から翌年の10月2日までの1年間にはならないため、注意しましょう。
個人事業主の確定申告について詳しくは、以下の記事で確認できます。
【個人事業主の確定申告】消費税の申告のしくみと計算方法
詳細はこちら
翌年2月16日〜3月15日に確定申告を行う
1月1日から12月31日までの所得は、翌年2月16日〜3月15日に確定申告します。たとえば令和6年1月1日から12月31日までの所得に対する確定申告は、令和7年2月16日〜3月15日までに申告が必要です。
決算期が12月31日と決まっているため、会計処理や確定申告のスケジュールを立てやすいメリットがあります。しかし、繁忙期と決算期が重なる恐れがあります。
確定申告の期限が過ぎると延滞税などのペナルティが発生する恐れがあるため、注意しましょう。
確定申告を忘れた場合はどうなる?覚えておくべきペナルティ5選と対処法を解説
もし確定申告を忘れてしまったら、放っておくわけにはいきません。忘れたことに気付いたら、すぐに手を打つことが重要です。 本記事では、確定申告の締め切りを過ぎてしまった場合にどんなペナルティがあるのか、確定申告を忘れてしまったときにどう対応すれば良いのかについて説明します。さらに、締め切りまでに確定申告を完了できそうにない場合の対策もお話しします。
法人は会社設立時に企業ごとに決めることができる
法人は個人事業主とは異なり、企業ごとに決算期を決めることができます。
決算期を自由に決めることができるため、繁忙期と決算期をずらすことができるメリットがあります。しかし、自由に決められることで、いつにするか迷う恐れがあります。
決算期の決め方
決算期の決め方は以下が考えられます。
- 繁忙期と重ならないようにする
- 会社設立月に合わせて決める
- 消費税の免除期間を考慮する
- 納税の時期を考える
繁忙期と重ならないようにする
決算期は、会社の繁忙期と重ならないようにすることが大切です。繁忙期に決算処理を行うと、業務が滞ったり、ミスが発生したりするリスクが高まります。
通常、決算は期末から2ヶ月以内に処理します。たとえば5月決算の場合、7月末日までに決算を処理します。決算時には、決算書の作成や棚卸などが必要なため、通常よりも手間がかかります。
小売業や飲食業などの業種では、年末年始やゴールデンウィークなどの繁忙期に、決算処理を避けるといいでしょう。
会社設立月に合わせて決める
会社設立月に合わせて決めるのも、一つの方法です。たとえば、1月に会社を設立した場合、12月を決算期にすると、1年間の経営状況を把握しやすくなります。
一方、6月に会社を設立し12月を決算期にすると、設立した年は6月から12月までの7ヶ月間になります。1年間の経営状況を把握したい場合は、会社設立月に合わせて決めるといいでしょう。
消費税の免除期間を考慮する
原則として消費税は、基準期間における課税売上高が1,000万円を超えると納税義務が発生します。法人の場合、基準期間とは2期前のことです。
たとえば令和6年1月1日〜12月31日までの消費税の納税義務は、令和4年1月1日から12月31日までの課税売上高で判定します。
会社を設立して2期は基準期間における課税売上高がないため、消費税の納税義務は発生しません。そのため、最大2年間、消費税の免除期間があります。
会社設立月にあわせて、決めると消費税の免除期間をフルに活用することが可能です。ただし、消費税の納税義務は、基準期間における課税売上高だけでは判定されないため、注意しましょう。
参考:国税庁「納税義務者」
納税の時期を考える
納税の時期も、決算期を決める際に考慮すべきポイントです。たとえば11月の場合、翌年1月31日までに法人税や消費税を納付する必要があります。また法人税の金額によっては、翌期に予定納税があります。
決算期が11月の場合、予定納税は翌年7月30日までです。
決算期を決める際には納税の時期を考え、納税が発生する月と支払いが多い月は避けるといいでしょう。
決算期の変更方法
事業の状況や経営戦略によっては、決算期を変更したいというケースもあるでしょう。変更するには、以下の手続きが必要です。
- 定款を変更する
- 税務署での手続き方法
ここでは決算期の変更方法について解説します。
定款を変更する
決算期を変更するには、定款を変更する必要があります。定款とは、会社の基本的なルールを定めた書類です。決算期の変更は具体的には、定款の中で決算期について記載されている項目を変更します。
実際に定款を変更するには、株主総会の特別決議が必要です。定款を変更したあとは、所轄税務署や県税事務所、市区町村に必要書類を提出します。
税務署での手続き方法
定款を変更したあとは、税務署や県税事務所、市区町村それぞれに異動届出書を提出します。届出と一緒に、定款を添付しましょう。決算期は登記事項に含まれていないため、登記は必要ありません。
決算期を変更した場合、決算時期も変更になります。期末の棚卸や、決算書の作成など忘れないようにしましょう。決算を税理士に依頼している場合、事前に相談するといいでしょう。
【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司
会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。
参考:国税庁「異動事項に関する届出」
決算期は他社との兼ね合いも見ながら決定しよう
決算期は会社設立時に決めますが、いつにするか悩みます。具体的には、以下の決め方が考えられます。
- 繁忙期と重ならないようにする
- 会社設立月に合わせて決める
- 消費税の免除期間を考慮する
- 納税の時期を考える
会社の決算時には、棚卸や決算書の作成などがあり手間が増えます。また、納税のタイミングも考えることがポイントです。
決算期は、あとで変更可能です。変更する場合は定款を変更し、税務署などに届出を提出することを忘れないようしましょう。
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