失業保険は確定申告が必要?確定申告が必要なケースや手続きについて解説
失業保険は税務上非課税であるため、基本的に確定申告の必要はありませんが、確定申告を行うことで税金が還付される可能性があります。この記事では、退職後の確定申告と失業保険の確定申告について、必要なケースや手続きの方法について詳しく解説しています。
失業保険は税務上非課税のため、確定申告が不要です。失業保険で税金が増えることはありませんが、確定申告すると税金が還付になる可能性があります。
この記事では、失業保険の確定申告について解説します。確定申告すべきケースや確定申告の手続きについても、わかる内容になっています。
基本的に失業保険の確定申告は不要
失業保険を受け取っても確定申告は不要なため、税金を気にしないで受け取れます。ここでは失業保険のことについて解説します
失業保険とは
失業保険は、仕事を失った際に経済的なサポートを提供するための制度です。失業保険は、雇用されている間に従業員と雇用主が共同で保険料を支払っており、失業時には一定の収入補償が受けられます。
失業制度の目的は、失業によって生活が困難にならないよう支えることです。失業保険は一時的な経済的援助とみなされ、通常の収入とは異なる扱いを受けます。
失業保険は非課税扱い
失業保険は、日常的な労働による報酬とは異なります。失業保険はあくまで仕事を失った人が次の職を見つけるまでの間、生活を支えるためのものです。
税法上の「収入」とはみなされず、失業保険を受け取ったからといって、確定申告の対象にはなりません。確定申告は不要なため失業保険を受け取る人は、税金の心配をせずに経済的な支援を受けることができます。
ただし、失業保険以外に他の収入がある場合は、その収入に応じて確定申告が必要となるケースがあるため注意しましょう。
確定申告が必要になるケース
失業保険を受給中に確定申告すべきケースは、以下の4つが考えられます。
- 年の途中で退職し再就職しておらず年末調整をしていない場合
- 医療費控除その他各種控除を受ける場合
- 失業中に社会保険料の支払いがある場合
- パート・アルバイトなどの収入がある場合
ここでは4つのケースごとに、失業保険の確定申告について解説します。
年度の途中で退職し年末調整がない場合
年の途中で退職し、年内に再就職していない場合、年末調整を受けていない可能性があります。年末調整は、年末まで継続して勤務した従業員などが対象です。
年末調整を受けていないケースでは、失業保険を受け取った年に働いていた給料に対する税金が計算されていません。年末調整していない人が確定申告すると、税金が還付される可能性があります。
医療費控除やその他の控除を利用する場合
医療費控除や住宅ローン控除などの各種控除を受ける場合、確定申告が必要です。たとえば、失業保険を受け取った年に多額の医療費を支払ったケースは、医療費控除を利用すると税金が軽減される可能性があります。
失業保険を受給していても医療費控除などの対象となる支出があれば、確定申告によって税金の負担を減らすことができるかもしれません。
住宅ローン控除について詳しくは、以下の記事で確認できます。
住宅ローン控除とは?メリットや条件・確定申告の必要書類・注意点を解説【最新版】
住宅ローン控除は、住宅ローンを組んで家を買った人が利用できる、税金が節約できる便利な制度です。住宅ローン控除を利用することで、その負担を軽減できます。2022年に、制度にいくつかの変更が加わりました。これらの変更は2024年以降にも影響を及ぼすため、新しいポイントを理解しておくことが重要です。
失業中に社会保険料を支払った場合
失業中に社会保険料を自己負担で支払っている場合、確定申告すると税金が還付される可能性があります。社会保険料の支払いは、所得控除の対象です。たとえば、健康保険や国民年金の保険料を、自分で支払っている場合が該当します。
確定申告すると、支払った社会保険料に対する所得控除が増えます。個人の税金は、所得から所得控除を引いた金額に対して税金が計算されます。社会保険料の支払いを確定申告すると、課税所得が減少するため、最終的な税金が軽減される可能性があります。
パートやアルバイトで収入がある場合
失業保険の受給中にパートやアルバイトなどの収入がある場合、確定申告が必要になる可能性があります。
個人の確定申告は、受け取った年の収入を合計して計算します。失業保険を受け取る前の給料と、失業保険を受給している間に受け取ったパートやアルバイトなどの収入が同じ年度であれば、収入を合計します。
ダブルワークの確定申告について詳しくは、以下の記事で確認できます。
ダブルワークの確定申告が必要な場合とは?時期とやり方についても詳しく解説!
詳細はこちら
失業保険を受給した場合の確定申告の手続き方法
失業保険を受給した場合の確定申告は、以下3つの方法で手続きが可能です。
- 税務署で手続き
- 税務署に郵送
- e-Taxにて電子申告
税務署で直接手続き
確定申告がわからない場合、税務署で確定申告の相談ができます。税務署で確定申告の相談ができる時間は、原則平日の午前8:30〜午後5:00までです。確定申告時期などは、土日でも相談を受け付けていることがあります。
直接税務署に行って相談できますが、予約がない場合はその場で相談できない恐れがあります。確定申告書をスムーズにするために、事前の予約をおすすめします。
税務署に郵送
国税庁の確定申告書等作成コーナーなどを利用して自宅で作成した確定申告書は、税務署に郵送して提出できます。
確定申告書の控えが必要な場合、郵送する封筒の中に、重量に応じた切手を貼り付けた返信用封筒の同封を忘れないようにしましょう。
e-Taxで電子申告
e-Taxとは、申告などの手続きをインターネットを利用して電子的に手続きが行えるシステムです。確定申告書等作成コーナーを利用して作成した確定申告書は、e-Taxで電子申告できます。
e-Taxの利用は以下のステップで進めることが可能です。
- ステップ1:利用者識別番号の取得
- ステップ2:電子証明書の取得
- ステップ3:手続きを行うソフト・コーナーの選択
- ステップ4:申告・申請データの作成・送信
e-Taxを利用すると税務署に出向くことなく、インターネットで提出できます。
失業保険を受給した場合の確定申告の手続きの流れ
失業保険を受給した場合の確定申告の手続きは、複雑ではありません。以下の4つの流れで、スムーズに確定申告ができます。
- ①必要書類を用意する
- ②確定申告書を作成する
- ③確定申告書の提出する
- ④期限までに提出・納付を必ず済ませる
①必要書類を用意する
失業保険を受給した場合、確定申告に必要な書類は以下が考えられます。
- 確定申告書
- 源泉徴収票や収入が分かる書類
- 各種控除証明書
- 本人確認書類
- 銀行口座の情報(還付の場合)
必要書類が不足している場合、書類の再発行が必要です。生命保険料控除証明書などの各種控除証明書は再発行に時間がかかる恐れがあります。事前に必要書類の確認が大切です。
②確定申告書を作成する
確定申告書は、税務署の窓口や国税庁ホームページから入手できます。確定申告書の作成は、国税庁ホームページの確定申告等作成コーナーを利用可能です。
確定申告書を作成する際、項目が多くて初めての人には難しく感じるかもしれません。不明な点があれば、国税庁のホームページにある手引きや説明書、書き方を参考にすると良いでしょう。また、税務署の窓口で相談することも可能です。
③確定申告書の提出する
確定申告書を作成した後は、確定申告書を税務署に提出します。確定申告書の提出は、以下の方法があります。
- 所轄税務署の窓口に直接持っていく
- 所轄税務署に郵送する
- e-tax(国税電子申告・納税システム)で申告する
どの方法で提出しても、提出可能です。確定申告書を提出するときは、所轄の税務署を確認しましょう。
参考:国税庁「申告書の提出方法」
④期限までに提出・納付を必ず済ませる
確定申告は期限までに提出・納付を完了させる必要があります。確定申告書の提出期限は、翌年の3月15日までです。たとえば令和5年分の確定申告の期限は、令和6年3月15日までです。
期限を過ぎると、延滞税などのペナルティが発生する恐れがあります。期限が過ぎないためにも、できるだけ早めに手続きを行いましょう。
失業保険受給中でも確定申告すべきケースを理解しておこう
失業保険を受け取っても確定申告は不要です。しかし、以下4つのケースに該当する場合は、確定申告を検討しましょう。
- 年の途中で退職し再就職しておらず年末調整をしていない場合
- 医療費控除その他各種控除を受ける場合
- 失業中に社会保険料の支払いがある場合
- パート・アルバイトなどの収入がある場合
確定申告には給与所得の源泉徴収票や、生命保険料控除証明書などが必要です。再発行に時間がかかり、申告期限が過ぎる恐れがあるため、事前に必要書類の確認が大切です。
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