小規模事業者持続化補助金とは?対象者や申請方法・条件まで徹底解説!
「小規模事業者持続化補助金の申請をしたいけれどやり方がよくわからない」「申し込むべきか判断ができない」小規模事業者持続化補助金についてこのような疑問や悩みをお持ちの人も多いでしょう。今回は小規模事業者持続化補助金の概要や申請方法等を詳しく解説します。
小規模事業者持続化補助金は小規模事業者等の販路開拓をはじめとした取組にかかる経費の一部を補助する制度です。細かな要件が定められている上に必要書類も多いため、「気になるけれどよくわからなくて申し込みができない」「そもそも、自分は対象者に当てはまる?」とお悩みの人も多いでしょう。
今回は小規模事業者持続化補助金について解説します。基本情報から申請方法、さらにはメリット・注意点まで詳しく取り上げていますので、ぜひ最後までお読みください。
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小規模事業者持続化補助金とは
小規模事業者持続化補助金とは、小規模事業者等による販路開拓等の取り組みの経費の一部を補助する制度です。物価高騰や賃上げ等の様々な対応のための取り組みを補助し、地域を支える小規模事業者等の生産性向上および持続的発展を図ることを目的としています。
第14回公募においては以下5つの枠が設けられていました。いずれか1つの枠のみ申請が可能です。
- 通常枠
- 賃金引上げ枠
- 卒業枠
- 後継者支援枠
- 創業枠
この章では、小規模事業者持続化補助金の基本事項を紹介します。
※この章で紹介する情報の参照元は特に明記がない限り、「小規模事業者持続化補助金<一般型> 第 14 回公募 公募要領」
です。
小規模事業者持続化補助金の対象者
小規模事業者持続化補助金の対象となるのは、以下5つの要件をすべてを満たす国内小規模事業者等のみです。
- 小規模事業者等である
- 資本金又は出資金が5億円以上の法人に直接又は間接に100%の株式を保有されていない
- 申告済みの直近過去3年分の「各年」または「各事業年度」の課税所得の年平均額が15億円を超えていない
- 当補助金の「一般型」「コロナ特別対応型」「低感染リスク型ビジネス枠」の3事業において、採択を受けて、補助事業を実施した場合、各事業の交付規程で定める様式第 14「小規模事業者持続化補助金に係る事業効果及び賃金引上げ等状況報告書」を原則本補助金の申請までに受領された者である
- 小規模事業者持続化補助金<一般型>において、「卒業枠」で採択を受けて、補助事業を実施した事業者ではない
1つ目の「小規模事業者等である」について、小規模事業者か否かは従業員数で判断され、業種によって人数が異なります。業種別の、小規模事業者に該当する従業員数は以下の通りです。
- 商業・サービス業(宿泊業・娯楽業除く) :5人以下
- 宿泊業・娯楽業:20人以下
- 製造業その他:20人以下
なお、従業員数の要件を満たしていても、以下のいずれにも当てはまらない者は補助対象になりません。
- 会社および会社に準ずる営利法人(株式会社、持分会社、特例有限会社、企業組合・協業組合、士業法人)
- 商工業者である個人事業主
- 一定の要件を満たした特定非営利活動法人
小規模事業者持続化補助金の申請条件
小規模事業者持続化補助金は、補助対象になる事業を行う場合のみ申請可能です。補助対象事業とは次の3つの条件をすべて満たす事業を意味します。
- 策定した経営計画に基づいて実施する販路開拓等のための取組である、もしくは販路開拓等の取組とあわせて行う業務効率化(生産性向上)のための取組である
- 商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む事業である
- 特定の事業に該当しない
1つ目の条件については、小規模事業者持続化補助金の参考資料に記載されている取組事例等を参考にするのがわかりやすいでしょう。取組事例等の一部を紹介します。
補助対象となり得る販路開拓等(生産性向上)の取組事例
- 新商品を陳列するための棚の購入
- 新商品の開発
- 新たな販促用チラシの作成、送付、ポスティング
- 国内外での商品PRイベントの実施
- 店舗改装
業務効率化(生産性向上)のための取組事例等
- 新たに倉庫管理システムのソフトウェアを購入し、配送業務を効率化する
- 新たに経理・会計ソフトウェアを購入し、決算業務を効率化する
- 新たに POS レジソフトウェアを購入し、売上管理業務を効率化する
参照元|小規模事業者持続化補助金<一般型> 第 13 回公募 参考資料
3つ目の条件である「特定の事業に該当しない」について、具体的には以下の事業が該当します。いずれかに該当する場合、小規模事業者持続化補助金の申請ができません。
- 同一内容の事業について、国が助成する他の制度と重複する事業
- 本事業の終了後から概ね1年以内に売上げにつながることが見込まれない事業
- 射幸心をそそる恐れがある・公の秩序もしくは善良の風俗を害することとなる恐れがある・公的な支援を行うことが適当でないと認められる内容の事業
なお、小規模事業者持続化補助金には全部で5つの枠があると紹介しました。そのうち通常枠以外は追加の申請要件が設けられています。枠ごとの申請要件の詳細は公募要項をご確認ください。
小規模事業者持続化補助金の申請に必要な書類
小規模事業者持続化補助金の申請に必要な書類はケースによって異なります。今回は全申請者に必須の提出資料を紹介します。
- 小規模事業者持続化補助金事業に係る申請書(電子申請の場合は不要)
- 経営計画書兼補助事業計画書①
- 補助事業計画書②
- 事業支援計画書
- 補助金交付申請書(郵送の場合)
- 宣誓・同意書
- 電子媒体(郵送の場合)
- 直近1期分の貸借対照表および損益計算書のコピー(法人)
- 株主名簿のコピー(法人で該当する場合のみ)
- 直近の確定申告書のコピー(個人事業主)
- 直近1期分の貸借対照表および活動計算書(NPO)
- 申請書の提出日から3ヶ月以内の現在事項全部証明書または履歴事項全部証明書(NPO)
- 直近1期分の法人税確定申告書(NPO)
特別枠に申し込む場合や加点を希望する場合は追加の必要書類があるため、詳しくはガイドブックや公募要項をご確認ください。
小規模事業者持続化補助金の申請方法
続いて、小規模事業者持続化補助金の申請方法を紹介します。
①補助事業計画書・経営計画書作成
補助事業計画書・経営計画書は、小規模事業者持続化補助金の申請書のような書類です。小規模事業者持続化補助金の公式サイトでダウンロードできます。
書類の記載事項は、応募者である事業者の概要・経営計画・補助事業内容の3つに大別されています。項目ごとに記入するべき内容の指示が記載されているため確認しましょう。
なお、補助事業計画書・経営計画書の作成段階では商工会議所の指導や助言を受けることが可能です。
商工会議所窓口に提出後、事業支援計画書の交付依頼
小規模事業者持続化補助金の申請には商工会や商工会議所の支援が必須です。補助金事務局へ申請する前に、まずは必要書類を地域の商工会議所窓口に提出しましょう。あわせて、申請時に提出が必要である事業支援計画書の交付依頼を行います。
③事業支援計画書の受取
②で提出した書類に問題がなければ商工会議所で事業支援計画書が発行されます。事業支援計画書の発行までにかかる時間はケースによって異なりますが、申請から発行まで1週間程度かかるケースが多いため、早めに依頼するのが安心です。
④補助金事務局に必要書類を提出
必要書類がすべてそろったら補助金事務局に書類を提出して申請を行います。
小規模事業者持続化補助金の申請方法は、補助金申請システム(名称:Jグランツ)を利用した電子申請または郵送の2種類です。ただしガイドブックにおいて、補助金申請システムを使用せず郵送で申請した場合は減点調整をする旨が記載されています。そのため特別な事情がない限り補助金申請システムを利用した申請がおすすめです。
小規模事業者持続化補助金のメリット
小規模事業者持続化補助金のメリットを3つ紹介します。
経営資金が得られる
小規模事業者持続化補助金の大きなメリットは、経営資金が得られる点です。経済的な負担を抑えながらも生産性の向上につながる取組を実施できます。
なお、補助率は原則として3分の2(赤字事業者の賃金引上げ枠のみ4分の3)です。補助上限は通常枠が50万円、それ以外の特別枠は200万円に設定されています。また、第14回受付締切分においては、インボイス特例として別途50万円が設けられていました。
生産性の向上が期待できる
生産性の向上が期待できる点も大きなメリットです。
小規模事業者持続化補助金の補助対象として、販路開拓や業務効率化等、生産性の向上につながる取組が挙げられます。小規模事業者持続化補助金を受けるためには、当然ですが補助対象となる事業を行う必要があります。
すなわち、小規模事業者持続化補助金の実施が決まれば補助対象となる事業の取組を絶対に行うため、結果として生産性の向上が期待できるのです。
専門家によるアドバイスを受けられる
専門家によるアドバイスを受けられる点も小規模事業者持続化補助金のメリットとして挙げられます。
小規模事業者持続化補助金の申請には商工会議所による支援が必要不可欠です。すなわち専門家によるアドバイスやサポートが必ず行われます。また、交付決定後に行う事業も商工会議所によるアドバイスを受けながら進めます。
事業者だけで完結しない点は一見手間に思えるかもしれませんが、補助金制度は複雑な部分が多く、すべて自身で対応するのは容易ではありません。そのため、専門家によるアドバイスを確実に受けられる点は小規模事業者持続化補助金の大きなメリットといえるのです。
小規模事業者持続化補助金を申込する時の注意点
最後に、小規模事業者持続化補助金を申込する時の注意点を2つ紹介します。
交付決定前に事業を実施しない
小規模事業者持続化補助金の対象事業を、補助金の交付決定前に実施しないようご注意ください。
小規模事業者持続化補助金の補助対象となるのは、以下3つの要件をすべて満たすもののみです。
- 使用目的が本事業の遂行に必要なものと明確に特定できる経費
- 交付決定日以降に発生し対象期間中に支払が完了した経費
- 証拠資料等によって支払金額が確認できる経費
引用元|小規模事業者持続化補助金<一般型> 第 14 回公募 公募要領
上記の通り、交付決定日よりも前に発生したものは補助対象になりません。補助金の交付決定前に対象事業を実施してしまうと補助対象にならず、事業者の自己負担になってしまいます。
小規模事業者持続化補助金のメリットである「経営資金が得られる」を享受できないため注意しましょう。
必ず商工会議所が作成する書類を準備する
小規模事業者持続化補助金の申請には、商工会議所が作成する事業支援計画書が必須です。事業支援計画書がなければ条件問わず不採択となってしまいます。
なお、事業支援計画書の申請から発行までにかかる期間は一般的に1週間程度です。申請期日ギリギリでは発行が間に合わない恐れがあるため、余裕を持って依頼しましょう。
小規模事業者持続化補助金で経費を補助してもらおう!
小規模事業者持続化補助金は生産性の向上のために行う取組に要した経費について、最大50万円の補助を受けられる制度です。小規模事業者持続化補助金を利用することで、経済的な負担を抑えながらも販路開拓や業務効率化につながる事業を実施できます。
補助対象となる取組を検討している人は、今回紹介した内容を参考にしつつ、小規模事業者持続化補助金の申請を進めてはいかがでしょうか。
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