法人税とは?税率の計算方法から節税・納付期限まで徹底解説!

本記事は法人化を検討している個人事業主に向けて、法人税のしくみを徹底解説しました。法人税の種類や税率の計算方法、法人税の納付方法や節税方法も紹介しています。売上が上がり法人化を検討している個人事業主の方は、ぜひ最後まで記事を読んでください。

本記事は法人化を検討している個人事業主に向けて、法人税のしくみを徹底解説しました。法人税の種類や税率の計算方法、法人税の納付方法や節税方法も紹介しています。売上が上がり法人化を検討している個人事業主の方は、ぜひ最後まで記事を読んでください。

個人事業主は税務署に所得税を支払いますが、法人が支払う税金は法人税です。個人事業主が法人税を学ぶ機会は少なく、法人化を検討したいけれど税金の知識が少なくて不安に思う方も多いのではないでしょうか?

本記事では、法人税の種類や計算方法、税額控除を詳しく解説しました。節税方法や法人税の納付方法も徹底解説。法人化を検討する個人事業主の方は、ぜひ最後まで記事を読んでください。

法人税とは

まずは、法人税の種類と納付義務のある法人、法人税が課せられる所得を解説します。法人税の全体像を把握しましょう。

法人税の種類

法人税の種類は、以下の5つです。

  • 法人税
  • 法人住民税
  • 地方法人税
  • 法人事業税
  • 特別法人事業税

法人税とは、売上から経費、控除を差し引いた課税所得にかかります。個人事業主が支払う所得税のようなイメージです。1年間の売上が少なく赤字になると、法人税は課税されません。

法人住民税は、都道府県や市区町村に支払います。個人事業主が支払う住民税と同じイメージです。法人住民税には均等割と法人税割の2種類あり、税率は各自治体によって異なります。また、法人住民税は法人税と異なり、事業が赤字でも納税義務は発生します。

地方法人税とは、地域間の格差を縮小するための税金です。地方法人税の計算方法は、法人税額×10.3%で求められます。

法人事業税とは、法人が登記する地域の道路や警察、消防などの公共サービスを維持するための税金です。法人事業税は法人の種類や資本金の額、1年間の所得や自治体によって税率が変わります。

特別法人事業税とは、法人事業税の一部を分離させた税金です。納付方法は、法人事業税とあわせて支払います。

法人税の納税義務がある法人

法人にも種類があり、納税義務も変わります。株式会社や有限会社、合同会社などの普通法人や、農協や信用金庫などの協同組合は、すべての所得に法人税がかかります。

公益社団法人や学校法人などの公益法人とNPO法人、PTAや労働組合などの人格のない社団は、事業収益があると法人税を支払います。

地方公共団体や国立大学法人、日本中央競馬会などの公共法人は、法人税の納税義務はありません。

法人税が課せられる所得とは

法人税は、企業活動で得た所得に課せられる税金です。具体的には、益金-損金で課税所得を計算します。益金とは、法人税を計算する際の収益のことで、法人税法上の考え方です。損金は、所得から差し引く費用をいいます。

具体的な益金は、商品やサービスを販売して得た所得や、不動産や土地、建物などを売却した際の所得です。また、不動産や金銭を貸し付けた際の利子も所得となります。益金は法人税法上の考え方なので、会計で用いる収益とは金額が一致しません。

法人税の計算方法

法人税の計算方法を、課税所得と法人税率、税額控除に分けて解説します。

課税所得

法人の課税所得は、益金-損金で計算します。課税所得に法人税率をかけて税額控除額を差し引くと、法人税額の計算が可能です。法人税を計算する際に使用する益金・損金と、会計上の収益・費用が異なる場合は、下記のように税務調整を行います。

具体的には、税法上の限度額を超える交際費や減価償却費は、損金に算入できません。この場合は損金不算入として、損金から差し引いて計算します。

同じように、受取配当金は会計上は収益となりますが、税法上は益金に算入しません。益金不算入として、益金から差し引いて課税所得を計算してください。

税率

法人税の税率は、事業開始年度が2022年4月1日以降の場合15%〜23.2%です。資本金が1億円以下で年間所得が800万円以下の普通法人は、法人税率15%で計算します(適用除外事業者は19%)

年間所得が800万円を超えた金額に関しては、23.2%で計算してください。また、それ以外の普通法人の税率も、23.2%で計算しましょう。

公益法人の法人税は、年間所得が800万円以下なら15%、800万円を超えた金額は23.2%で計算します。農協や信用金庫などの協同組合は、年間所得が800万円以下なら15%、800万円を超えた金額は19%で計算してください。

税額控除

税額控除とは、法人税額から直接差し引ける金額です。具体的には、預貯金や公社債の利子源泉税、諸外国に納付した税金などがあります。法人税の節税方法の部分で詳しく解説しますが、雇用促進や中小企業投資促進などの特別控除も税額控除です。

法人税の節税方法

法人税の節税方法は、以下の3つが代表的です。

  • 役員報酬を増やす
  • 福利厚生を充実させる
  • 特別控除を利用する

それぞれの項目を、詳しく解説します。

役員報酬を増やす

損金計上できる役員報酬を増やすと、法人税の節税ができます。具体的な役員とは、取締役や監査役、会計参与や会計監査人などの役職です。現在の役員への報酬を増やす以外にも、新しく役員を選任して役員報酬を増やすと法人税の課税所得を減らせます。

役員報酬の決定には、定款または株主総会の決議が必要です。また、役員賞与を出す場合には税務署への届け出も必要なので、提出期限や書類を確認してください。

福利厚生を充実させる

社員への福利厚生を充実させると、法人税の節税が可能です。福利厚生には、雇用保険や健康保険以外にも、社員食堂や住宅手当、健康診断や社員旅行などの費用も含まれます。

経費として認められるためには、すべての従業員を福利厚生の対象にし、福利厚生規定を整備する必要があります。福利厚生を充実させると社員の仕事へのモチベーションもあがるので、おすすめの節税方法です。

特別控除を利用する

特別控除を利用すると、法人税の節税が可能です。具体的には、雇用促進税制や中小企業投資促進税制、大企業向け賃上げ促進税制や一般試験研究費の額に係る税額控除制度などがあります。

特別控除を利用すると、制度ごとに決まった控除を受けられます。制度を利用する際は、控除額や概要などを確認してください。

参考:雇用促進税制

参考:中小企業投資促進税制

参考:大企業向け賃上げ促進税制

参考:一般試験研究費の額に係る税額控除制度

法人税の納付方法

法人税の納付方法について、申告方法と納付期限、期限に提出できなかった場合を詳しく解説します。

申告方法

法人税の申告をする際は、別表と呼ばれる複数の書類を記入します。支払う法人税額を計算し、申告書を完成させましょう。申告書が完成したら、確定申告を行ってください。

法人税は、種類ごとに申告書の提出先が異なります。法人税は税務署に申告書を提出し、法人事業税と法人住民税は都道府県税事務所や市区町村の役所に提出してください。

また、法人税の納付方法は、以下のとおりです。

  • 現金納付
  • クレジットカード納付
  • ダイレクト納付
  • インターネットバンキング納付

クレジットカードで法人税を納付すると決済手数料がかかるので、支払い方法には注意してください。

申告・納付期限

法人税の申告と納付は、決算日から2ヶ月以内に行ってください。申告期限と納付期限が土日祝日であれば、次の平日が期限です。企業ごとに決算日を決められるので、法人税の納付期限は企業ごとに異なります。

また、設立2年目以降で前年度の確定法人税額が20万円を超えたら、中間申告を行ってください。中間申告の対象となる法人は普通法人で、公益法人やNPO法人は中間申告不要です。

期限に提出できなかった場合は?

法人税の申告書を期限までに提出できなかった場合は、延滞税と無申告加算税のペナルティがあります。また、2期連続で法人税の申告に遅れてしまうと、青色申告の承認が取り消されます。

延滞税の割合は最大年率14.6%、無申告加算税の最大年率は20%です。法人税の申告書を期限内に提出できなくても、期限後申告を行なえます。無申告のままだとペナルティも重くなるので、期限までに提出できなくても法人税の申告は必ず行ってください。

確定申告を忘れた場合はどうなる?覚えておくべきペナルティ5選と対処法を解説

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もし確定申告を忘れてしまったら、放っておくわけにはいきません。忘れたことに気付いたら、すぐに手を打つことが重要です。 本記事では、確定申告の締め切りを過ぎてしまった場合にどんなペナルティがあるのか、確定申告を忘れてしまったときにどう対応すれば良いのかについて説明します。さらに、締め切りまでに確定申告を完了できそうにない場合の対策もお話しします。

法人税のルールを知って正しく納付しよう

本記事では、法人税の種類や計算方法、税額控除を詳しく解説しました。法人は個人事業主と違うルールが適用されるので、法人化を検討している方は税金のルールをしっかりと確認してください。

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。

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