確定申告の職業欄の書き方とは?開業届の場合も解説

確定申告と開業届にはいずれも職業を記入する欄が存在します。単純な項目ではありますが、実はそれぞれで考え方や書き方が異なるため、事前にルールの確認が必要です。今回は確定申告と開業届の職業欄の書き方や、職業欄を記入する際の注意点を紹介します。

確定申告と開業届にはいずれも職業を記入する欄が存在します。単純な項目ではありますが、実はそれぞれで考え方や書き方が異なるため、事前にルールの確認が必要です。今回は確定申告と開業届の職業欄の書き方や、職業欄を記入する際の注意点を紹介します。

「確定申告の職業欄はどのように書いたら良いの?」「確定申告と開業届の職業欄はどちらも同じ内容を書けば良い?」
このようなお悩みをお持ちの人も多いでしょう。
確定申告と開業届にはいずれも職業を記入する欄が存在します。項目欄の名称は同じであるものの、実はそれぞれで考え方が異なるため、事前に書き方の確認が欠かせません。

今回は確定申告と開業届の職業欄の書き方や、職業欄を記入する際の注意点を紹介します。

確定申告全般については以下の記事をご覧ください。

個人事業主の確定申告は必要?不要なケースと税金の計算方法を解説

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個人事業主の確定申告は一定の所得があると必要です。確定申告が不要でも、確定申告をしたほうがいいケースもあります。この記事では、個人事業主の確定申告について解説します。

確定申告の職業欄

はじめに、確定申告の職業欄について詳しく解説します。

確定申告の職業欄とは

確定申告の職業欄とは名前の通り、自分の職業を記入する欄です。確定申告書第一表の上部に納税者の基本情報を記入する箇所がありますが、職業欄は真ん中やや下あたりに存在します。左上に「職業」と書いてある欄です。

確定申告の職業欄の書き方

確定申告の職業欄の書き方について、国税庁が発行している「所得税及び復興特別所得税の確定申告の手引き」には以下のように記載されています。

  • 個人事業主は事業の内容を具体的に記入する
  • 複数の事業を兼業している場合はすべての事業を記入する

職業欄に書く内容は、総務省の定める職業分類「日本標準職業分類」を参考にするのがおすすめです。

日本標準職業分類は職業の公的な分類方法とされています。大分類・中分類・小分類と3つの分類がありますが、小分類の内容を職業として記入するのが一般的です。「個人事業主」「フリーランス」のように、事業内容がわからない書き方は避けましょう。

なお、兼業している場合にすべての事業を記入する必要があるのは、事業内容によって個人事業税の税率が異なるためです。職業欄と個人事業税率の関係については後述します。

確定申告の職業欄の書き方例

確定申告の職業欄の書き方例を紹介します。まずは、個人事業主・フリーランスとして営む業種が1つの場合の例です。

  • 飲食店の店長→飲食店主・店長
  • システムエンジニア→ソフトウェア作成者
  • タクシーの運転手→乗用自動車運転者

参考|総務省「日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)

続いて複数の事業を兼業している場合の書き方例です。確定申告の職業欄はあまり広くないため、職業分類の項目名では枠内に収まらない可能性があります。

文字数が多くなる場合は無理に項目名をそのまま書こうとせず、枠内に収まるよう書き方の工夫が必要です。項目名と多少違っても事業内容がわかれば問題ありません。

  • Webライターとフードデリバリーの配達員を兼業→ライター、配達員
  • Webデザイナーとイラストレーターを兼業→デザイナー、イラスト業

開業届の職業欄

続いて開業届の職業欄について解説します。

開業届の職業欄とは

そもそも開業届とは、新たに事業を開始する時に提出する書類です。開業届の上部に納税者の基本情報を記入する箇所がありますが、職業欄は一番下の行に設けられています。

開業届の職業欄の書き方

開業届の職業欄に記載する職業は、メインとなる職業のみです。前章で紹介した確定申告と違い、兼業している場合にすべての事業内容を書く必要はありません。

また、開業届の職業欄は職業の内容がある程度わかる書き方で良いとされています。たとえば確定申告の職業欄の書き方例として「タクシーの運転手→乗用自動車運転者」と紹介しましたが、開業届は「タクシー運転手」という書き方で十分です。

「確定申告の職業欄の書き方」で、事業内容によって個人事業税の税率が異なると紹介しましたが、適用する事業税率は確定申告書の内容を基に判断されます。そのため、確定申告では営む事業すべての記載が必要です。

一方で開業届は、個人事業税率の対象になるかの判断や、事業税率の概算に用いられます。開業届に記入した内容で行われるのは概算的な判断であり重要性が高くないため、細かく記入する必要はないのです。
ただし確定申告と同様に「個人事業主」「フリーランス」といった書き方は避けましょう。

開業届の職業欄の書き方例

開業届の職業欄は公的な書き方をする必要はなく、事業内容がわかれば良いとされています。「確定申告の職業欄の書き方例」で紹介したシステムエンジニアであれば、そのまま「システムエンジニア」と書けば問題ありません。
兼業している場合、以下のようにメインの職業のみを記入します。

  • Webライターとフードデリバリーの配達員を兼業しており、Webライター業がメイン→Webライター
  • Webデザイナーとイラストレーターを兼業しており、イラストレーター業がメイン→イラストレーター

職業欄と個人事業税率の関係

確定申告書の職業欄に記入された内容は、個人事業税率の判断に用いられます。この章では職業欄と個人事業税率の関係について解説します。

個人事業主に発生する事業税とは

個人事業主に発生する事業税(個人事業税)は都道府県に納付する地方税の一種です。

個人事業主として所得税の確定申告をした場合、個人事業税の税率や税額は所得税の確定申告書の内容をもとに判定されるため、別途事業税の申告は必要ありません。確定申告書第二表の「事業税に関する事項」に必要事項を記入しましょう。

事業税が発生するのは70の法定業種のみで、それ以外の業種は対象外です。

確定申告書類の職業欄で個人事業税率が確定

「確定申告の職業欄の書き方」で、兼業している場合はすべての職業を記入する必要があると紹介しました。その理由は、個人事業税率が業種によって異なるためです。

各地方の主税局は確定申告書の内容をもとに個人事業税率を決定します。職業欄に記入された内容に漏れがあると正しい税率を判断できないため、確定申告書には事業内容すべてを書くのがルールです。

職業の種類による個人事業税率の違い

個人事業税の対象となる70の法定業種は3つの区分に分かれており、区分ごとに税率が定められています。区分ごとの税率と各区分に該当する業種をまとめました。
※第3種事業のみ、税率5%の業種と3%の業種の2種類が存在します。

  • 第1種事業 5%:物品販売業・運送取扱業・料理店業・遊覧所業 保険業・船舶定係場業・飲食店業・商品取引業・金銭貸付業・倉庫業・周旋業・不動産売買業・物品貸付業・駐車場業・代理業・広告業・不動産貸付業・請負業・仲立業・興信所業・製造業・印刷業・問屋業・案内業・電気供給業・出版・両替業・冠婚葬祭業・土石採取業・写真業・公衆浴場業(むし風呂等)・電気通信事業・席貸業・演劇興行業・運送業・ 旅館業・遊技場業
  • 第2種事業 4%:畜産業・水産業・薪炭製造業
  • 第3種事業① 5%:医業・公証人業・設計監督者業・公衆浴場業(銭湯)・歯科医業・弁理士業・不動産鑑定業 歯科衛生士業・薬剤師業・税理士業・デザイン業・歯科技工士業・獣医業・公認会計士業・諸芸師匠業・測量士業・弁護士業・計理士業・理容業・土地家屋調査士業・司法書士業・社会保険労務士業・美容業・海事代理士業・行政書士業・コンサルタント業・クリーニング業・印刷製版業
  • 第3種事業② 3%:あんま、マッサージ又は指圧、はり、きゅう、柔道整復、その他の医業に類する事業・装蹄師業

引用元|東京都主税局 個人事業税

確定申告で職業欄を記入する際の注意点

最後に、確定申告で職業欄を記入する際の注意点を3つ紹介します。

職業はすべてを記載する

複数の事業を兼業している場合、確定申告書の職業欄にすべての事業を記入しましょう。職業欄に記入された内容に不備や漏れがあると、正確な個人事業税率の判断ができない恐れがあるためです。

所得税の確定申告をした場合、確定申告の内容をもとに主税局が個人事業税の発生有無や税率を判定します。個人事業税の税率は業種によって異なるため、職業について正しい情報が必要です。

職業欄の記入に不備や漏れがあると個人事業税率の正しい判定ができません。正しい判定のために自治体から「個人の事業内容に関する回答書」「個人事業税に係る事業内容」等の書類が届く可能性があります。納税者・自治体双方にとって手間になってしまうため、すべての職業を正確に記載する必要があります。

職業が変化した場合は最新のものを書く

職業が変化した場合は最新の内容を書きましょう。その年の個人事業税を正しく判定するために、職業について最新の情報が必要です。

なお、開業届に記載した内容と最新の職業が異なるとしても、開業届の再提出は原則として必要ありません。

正確かつ明瞭に記載する

確定申告書の職業欄は、正確かつ明瞭に記載しましょう。職業欄の記載内容が不明瞭では個人事業税の正しい判定ができず、必要以上の手間が発生する恐れがあります。

営む事業が1つだけの場合、総務省の定める職業分類を参考にするのが確実な方法です。大分類・中分類・小分類の3つがありますが、小分類の内容を書きましょう。

確定申告・開業届の職業欄は正しく記載しよう

確定申告の書類と開業届はどちらも職業の記入欄がありますが、それぞれ設けられている理由が異なります。確定申告の職業欄は各地方の主税局が個人事業税の正確な判定を行うために必要です。一方、開業届は個人事業税の発生有無について大まかな判定ができれば良く、重要性はあまり高くありません。

確定申告と開業届の職業欄が設けられている理由が異なる以上、書き方にも大きな違いがあります。確定申告と開業届のそれぞれで職業欄の正しい記載ができるよう、今回紹介した内容をしっかり押さえましょう。

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。

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