税務調査とは?法人向けの対策や対象となりやすい条件について説明!

税務調査とは税務申告や納税を正しく行っているか調査することです。法人・個人どちらに対しても実施されます。税務調査と聞くと不安に思うかもしれませんが、不正をせず適切な対応をすれば問題ありません。今回は税務調査について、法人向けの対策や対象となりやすい特徴等を解説します。

税務調査とは税務申告や納税を正しく行っているか調査することです。法人・個人どちらに対しても実施されます。税務調査と聞くと不安に思うかもしれませんが、不正をせず適切な対応をすれば問題ありません。今回は税務調査について、法人向けの対策や対象となりやすい特徴等を解説します。

税務調査とは、税務署等によって行われる、税務申告や納税を正しく行っているかを確認するための調査です。法人・個人問わず、税務申告の対象者であれば、誰でも調査対象となる可能性があります。

税務調査は誰に対しても行われる可能性があるとはいえ、調査対象となりやすい人や会社に特徴はあります。そのため、税務調査が入ると聞くと「もしかして疑われている?」「罰金が課されるのでは」と不安に思うかもしれません。しかし、税務申告を正しく行い、適切な対策をすれば問題ないのでご安心ください。

今回は税務調査について、対象になりやすい会社の特徴や法人向けの税務調査対策、税務調査の流れ等を解説します。

法人・個人に共通する税務調査全体の概要については以下の記事で解説しておりますので、ぜひこちらもご覧ください。

税務調査とは

税務調査とは税務申告や納税を正しく行っているかを確認するための調査です。法人・個人を問わず、税務申告の対象者であれば誰にでも調査が行われる可能性があります。

税務申告が正しく行われているかは、帳簿書類や証憑などを用いて調査されます。法人の税務調査の対象になるのは、一般的に過去5年分の内容です。ただし、調査を通じて不正の疑いがあると判断された場合、最大で過去7年分が調査対象になります。

税務調査の種類

税務調査には大きく分けて2種類あります。以下では、それぞれの特徴を紹介します。

任意調査

任意調査は納税者の同意を得た上で行う税務調査です。調査の前に電話または書面で通知が入ります。税務調査の大半は任意調査に該当します。実施するのは税務署の職員です。

「任意」とついていますが、任意調査には受忍義務(税務調査に応じる義務)があり、正当な理由なく拒否すると罰則を課される恐れがあります。

強制調査

強制調査とは裁判所の令状をもって事前の通知なく行われる調査です。いかなる理由でも拒否できません。

強制調査は犯罪調査の一種であり、脱税の疑いが強い場合に行われます。調査を実施するのは国税局査察部です。

税務調査が入る時期

税務調査が入る時期に明確な定めはありませんが、法人の場合、決算時期に合わせて実施されることが多いとされています。あくまで1つの目安ですが、法人の決算月の半年後あたりが税務調査の入りやすい時期といわれています。

税務調査とは?調査時期や期間、流れについて教えます

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税務調査の対象となりやすい法人の特徴

税務調査が行われる頻度に定めはありませんが、法人の場合は4年〜5年に1度がひとつの目安です。

ただし、税務調査の対象になりやすい法人の特徴に該当している場合、より高頻度で調査が入る可能性があります。調査対象になりやすい法人の特徴を4つ紹介します。

利益の変動が大きい

税務調査の対象になりやすい特徴の1つが、利益の変動が大きいことです。

前提として、税務調査は前年までと比較して何らかの大きな変化があった場合に入りやすいといわれています。中でも売上総利益や営業利益などは事業活動の成果を示す項目であり、税額に直結する要素でもあります。したがって、それらの項目の変動が大きいと注意が必要な法人と判断され、税務調査の対象になる可能性が高くなるのです。

不正の多い業種である

過去に不正が多く発見されたことのある業種は、税務署側で調査の必要性が高い業種と位置づけられています。したがって、不正の発生が多い業種の法人も、税務調査の対象になる可能性が高いです。

不正が多く税務調査の可能性が高い業種として、以下の例が挙げられます。

  • 飲食店
  • 美容院
  • 建設業
  • IT関連業
  • 廃棄物処理業

あくまで「調査の必要性が高い業種」と判断されているだけであり、必ずしも不正が疑われているわけではありません。とはいえ税務調査が行われやすい業種であるのは事実であるため、いつ税務調査が来ても良いように対策をしておきましょう。

申告内容と売上に違いが見られる

税務申告の内容と売上に違いが見られる法人も、税務調査が入りやすいとされています。

売上は法人の業績を示す重要な指標であると同時に、不正が行われやすい項目でもあります。そのため、申告内容と売上に違いがあると、税務署から要注意法人と判断される恐れが大きいです。

なお、申告内容と売上に違いがあるか否かは、対象法人による提出書類の内容だけで判断されるとは限りません。以下のような理由で申告内容と売上の違いが判明するケースが多くみられます。

  • 取引先が提出した支払調書と自社の税務申告の内容に違いがあった
  • 取引先に税務調査が入り、芋づる式に自社の申告内容との不一致が見つかった

経費の申告が多い

経費の申告が多い法人も、税務調査の対象になりやすいです。経費の水増しは脱税の代表的な手法であるため、経費が多いと税務署の注意をひく可能性が高くなります。

経費が多いと判断される基準として、以下の例が挙げられます。

  • 同業他社に比べて経費の割合が大きい
  • 前年度以前と比較して経費の割合が増えた
  • 経費総額は自然な額でも、特定の経費が異常に大きい

法人の税務調査への対策

税務調査の通知が来ても慌てないよう、事前に対策をしておくのが安心です。この章では法人への税務調査の対策を6つ紹介します。

税務申告をする

大前提として、税務申告は期日までに欠かさず実施しましょう。税務申告が行われていない法人は、税務調査が入る可能性が高くなります。

人件費と交際費を適正に処理する

人件費と交際費は脱税目的の水増しが行われやすいと同時に、そもそも会計処理の誤りが生じやすい勘定科目です。そのため経費の中でも、人件費と交際費は特に注意して処理する必要があります。

人件費については、給与や社会保険料の水増し、外注費と給与の混同などが起こらないよう注意しましょう。

交際費については、事業に関係のない私的な支出を交際費として計上するのは厳禁です。該当の支出について、相手先・店名・目的・日付等が記録されているかもチェックされます。

赤字の正当な理由を説明できるようにしておく

経費が売上を上回った状態、すなわち赤字状態の会社は決して珍しくありません。しかし、中には脱税目的で意図的に赤字を作り出す法人が存在するのも事実です。そのため赤字の法人が警戒されるケースも有り得ます。

経費が売上を上回っている場合、正当な理由を説明できるよう準備をしておくのが安心です。

寄附金が適切に処理されているか確認する

寄附金は会計・税務のルールがやや特殊であり、損金算入できる支出や損金算入限度額が厳格に定められています。そのため寄附金は税務調査で重点的にチェックされる可能性が高いです。

一見、寄附金に該当する支出でも、以下のように他の勘定科目を使うべきケースもあります。

  • 自社に特別の利益が及ぶもの:繰延資産
  • 展示会や祭り等の協賛金であり、対価として社名の表示が行われる場合:広告宣伝費

寄附金の正しい処理も税務調査の対策となります。

棚卸を正確に処理する

棚卸も不正や誤りが見つかりやすい項目であるため、細かくチェックされます。

棚卸を正確に処理するため、以下のポイントに注意しましょう。

  • 税法に則った正しい評価を行う
  • 実地棚卸を行う ※税務調査では在庫チェックも行われるため、実地棚卸も定期的に行いましょう
  • 棚卸表や在庫表を作成する

税理士に相談する

税務調査では、代表者や経理担当者に対して質問が行われる可能性が高いです。細かな部分まで質問される可能性があり、専門知識がないと適切な対応ができない恐れがあります。

税務調査について当事者のみで対応しようとせず、税理士に相談するのが安心です。顧問税理士は財務状況や経営成績を深く理解しているため、適切なアドバイスを受けられます。

顧問税理士がいない場合でも、税務調査は税理士のサポートを受けるのが理想です。税務調査のみの依頼が可能な税理士もいるため、税務調査までに依頼できる税理士を探しましょう。

税務調査に税理士の立会いを依頼すべき?依頼時の費用相場やメリットを解説

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法人への税務調査の流れ

最後に、法人への税務調査の流れを紹介します。
※今回はより一般的である任意調査の流れを取り上げています。

税務署からの事前調査通知が来る

任意調査はいきなり調査官が訪問するのではなく、税務調査について事前調査通知が届きます。事前調査通知は電話で行われるのが一般的ですが、書面で通知されるケースもあります。

なお、厳密には税務署による事前通知は義務ではありません。ただし、任意調査の場合はほとんどのケースで通知が行われると考えて良いでしょう。

顧問税理士が税務代理権限証書を提出している場合、税理士に連絡が入ります。

日程の調整

一般的には事前調査通知とあわせて日程の指定も行われますが、都合が悪い場合は別の日程に調整も可能です。基本的には事業者側の都合に合わせられます。

税理士に立ち合いを依頼する場合、必ず税理士と日程調整を行いましょう。

税理士に相談をして準備を行う

日程が決まったら、税理士に相談しながら税務調査に向けて準備を行います。税務調査の準備でやるべきこととして以下の例が挙げられます。

  • 税務調査で必要となる書類の準備
  • 過去の申告や納税に不備や漏れがないかの確認
  • 質問のシミュレーション

税務調査により指摘された事項に回答する

税務調査当日は訪問した調査担当者の指示に従い、必要に応じて書類の提示や質問への回答をします。中小規模の法人の場合、税務調査は1日〜2日程度で行われるケースが多いです。

税務職員の訪問による調査の後は、実地調査を踏まえた質問や指摘が行われます。税務署から指摘を受けたら速やかに回答しましょう。自身で判断ができない事項については税理士に確認が必要です。

税務調査結果が出る

実地調査後の質問を含めた、すべての調査が完了してから、結果が出るまでには一般的に1ヶ月以上はかかります。

税務調査の結果(結論)には以下の3パターンがあります。

  • 申告是認:税務調査の結果、申告内容に問題が認められないこと
  • 修正申告:税務署による指摘を認め、自身で正しい内容での申告し直しをすること
  • 更生:納税者が税務署による指摘を認めない場合に、税務署側で申告の誤りを正す(課税処分を行う)こと

法人への税務調査の対策は税理士に相談しよう

税務調査は法人・個人を問わず、税務申告の対象者すべてが対象になり得ます。法人の場合は4年〜5年に1度が税務調査の目安となりますが、税務調査の対象になりやすい特徴に当てはまる場合、より高頻度で調査が入る可能性があります。

税務調査で慌てないよう、事前に税務調査の対策をしておくことが大切ですが、事業者が税務調査の適切な対応をするのは容易ではありません。法人の税務調査の対策については、税理士に相談することをおすすめします。

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。

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