住所変更したら確定申告はどうする?手続き方法・必要書類・注意点まで解説!
この記事では、住所変更をしたときの確定申告方法を解説しました。税務署への届け出に必要な書類や手続き方法、手続き時の注意点を紹介しています。昨年の確定申告後に住所変更した個人事業主の方は、引越し後に手続きが必要なので、記事を読んで確認してください。
昨年の確定申告後に住所変更した方は、引越し前の住所と現在の住所のどちらを申告書に記入すればよいのかが不安になりますよね。確定申告書には住所を記入する項目が2箇所用意されているので、適切に記入することが大切です。
本記事では、昨年の確定申告後に住所変更した方に向けて、税務署での手続き方法や必要書類、確定申告書の記入方法を解説しました。事前に用意する書類や個人事業主が住所変更後に行う手続きも紹介したので、ぜひ最後まで記事を読んでください。
住所変更した場合の確定申告の手続き方法
昨年の確定申告後に住所変更した場合の手続き方法を解説します。正しく納税するために、必要な手続きを行いましょう。
確定申告は引越し後の住所を管轄する税務署に提出
昨年の確定申告後に住所変更した場合、確定申告書は引越し後の住所を管轄する税務署に提出します。例えば、令和5年の12月に愛知県名古屋市から東京都台東区に引っ越しをした場合は、台東区を管轄する税務署に確定申告書を提出しましょう。
住所のある地域を管轄する税務署がわからない方は、国税庁のWebサイトに郵便番号や住所を入力して検索をしてください。
住民票を移していなくても問題ない
引越し後に住民票を移していなくても、確定申告書は引越し後の住所を管轄する税務署に提出してください。例えば短期的な仕事のために引っ越しをした場合も、引っ越し先の管轄税務署で確定申告をしましょう。
1月に引越しした場合でも確定申告は現住所に基づいて行う
確定申告書を提出する年の1月に引っ越しをした場合でも、確定申告書は現住所を管轄する税務署に提出します。例えば令和6年1月に愛知県名古屋市から東京都台東区に引っ越しをした場合、確定申告書は台東区を管轄する税務署に提出しましょう。
この場合、確定申告書には住所を記入できる項目が2箇所あるので、新しい住所だけでなく旧住所も記載してください。記載する書類は、確定申告書の第一表です。
現在の住所を記載する項目には、確定申告書を提出する日の住所を記入します。令和「OO」年1月1日の住所を記載する項目には、引っ越し前の1月1日時点の住所を記入しましょう。
例えば令和5年度の確定申告をする場合は、令和6年1月1日時点の住所を、令和「OO」年1月1日の住所を記載する項目に記入してください。
確定申告の直前に引越しをした場合でも、確定申告書を提出する時点の住所を基に申告をしてください。
住所変更後に確定申告する場合の必要書類
住所変更後に確定申告する場合の必要書類を解説します。
①確定申告書
確定申告書は、税務署や確定申告会場、最寄りの市区町村役場で取得できます。また、青色申告をする方は、青色申告決算書もあわせて用意してください。
確定申告書や青色申告決算書は、国税庁のWebサイトからダウンロードが可能です。
参考:所得税青色申告決算書
e-Taxを使って電子申告をする際は、確定申告書等作成コーナーから必要事項を入力してください。
【e-Tax】確定申告をネットで申請するやり方、必要なものを解説
確定申告=税務署に直接行って作業をするものというイメージを持っていませんか?直接提出する方法でも、税務署で書類を作成する方法と、自宅で作った書類を提出するだけの方法があります。そして直接提出する方法以外にも、複数の選択肢が用意されています。自宅で作成した書類を郵送する方法もありますが、最近ではネットから提出できる仕組みもあります。 ネットから申告する方法というのが、e-Taxを利用した方法です。パソコンやスマートフォンを活用することで、自宅にいながら申告できます。税務署まで行く必要がないので、時間がかからず、自分の好きなタイミングで申告ができるというのもポイントの1つです。提出のためにどのような準備が必要か押さえて、時間をかけずに作業ができるようにしましょう。
②収入を証明する書類
確定申告時には、収入を証明する書類を用意してください。具体的には、以下のとおりです。
- 青色申告決算書
- 収支内訳書
- 源泉徴収票
- 証券会社が発行した年間取引報告書
個人事業主の場合、青色申告決算書や収支内訳書は、確定申告書とあわせて税務署に提出が必要です。
給与所得者の場合、源泉徴収票に1年間の収入や控除額、あらかじめ納付した所得税額が記載されています。
③所得控除を受けるための書類
所得控除を受けるための書類も、確定申告時には必要です。具体例には、以下の書類を用意してください。
- 国民健康保険料の領収書
- 国民年金保険料の控除証明書
- 生命保険料控除証明書
- 医療費控除の明細書
- 医薬品の領収書やレシート
- 寄附金控除に関する証明書
- 住宅借入金特別控除証明書
- 小規模企業共済等掛金控除証明書
- 配当等の支払通知書
- 特定口座年間取引報告書
控除証明書は毎年11月頃に郵送されます。紛失した場合は再発行できるので、早めに問い合わせてください。
また、災害や盗難、横領によって損害を受けた場合は、雑損控除を受けられます。請求書や領収書、被災状況が確認できる書類を用意して、控除を申請しましょう。
④本人確認できるもの
本人確認に使用できるものは、以下のとおりです。
- マイナンバーカード
- 運転免許証
- パスポート
- 健康保険証
- マイナンバーが記載された住民票の写し
- マイナンバー通知カード
- 身体障害者手帳
- 在留カード
マイナンバーカードが手元にある場合は、カードのみで本人確認は完了します。マイナンバーカードがない場合は、マイナンバーが記載された書類と運転免許証やパスポートなど、複数の書類を組み合わせて本人確認をしてください。
⑤銀行口座がわかるもの
預金通帳やキャッシュカード、銀行のアプリなどで銀行口座の情報を確認してください。振替納税や払いすぎた税金を還付するために、銀行口座の情報を確定申告書に記入します。
具体的には、以下の情報が必要です。
- 金融機関名(銀行名)
- 支店名や支店番号
- 預金種目
- 口座番号
- 口座名義
支店名や口座番号を間違えると再度手続きが必要なので、記入ミスがないように注意してください。
確定申告の必要書類・添付書類を徹底チェック!申告期間前に準備すべきものは?
確定申告では様々な書類を用意する必要があり、必要書類は個々のケースや確定申告の種類によって異なります。確定申告をスムーズに行うには、確定申告の必要書類を早めに確認するのが安心です。今回は確定申告の必要書類について、パターン別に詳しく解説します。
住所変更したら個人事業主が確定申告するのに必要となる書類
個人事業主が住所変更した際に、必要な書類の提出方法や提出期限を解説します。引っ越しをしたときは、忘れずに手続きを行ってください。
①個人事業の開業・廃業等届出書
個人事業主が住所変更をした際は、個人事業の開業・廃業等届出書を住所変更前の管轄税務署に提出してください。個人事業主として開業するときに提出した書類ですが、住所変更した際は再度提出が必要です。
個人事業の開業・廃業等届出書は税務署で取得するほか、国税庁のWebサイトからもダウンロードできます。
②給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出
従業員を雇用して給与を支払っている場合は、給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出もあわせて提出してください。住所変更後に提出する書類は税務署で申請するほか、郵送やe-Taxでも受け付けています。
個人事業の開業・廃業等届出書と給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出の提出は、住所変更してから1ヶ月以内に行ってください。給与支払事務所等の開設・移転・廃止の届出は、以下のWebサイトからダウンロード可能です。
住所変更で確定申告する場合の注意点
住所変更したあとに、確定申告をする場合の注意点を解説します。スムーズに申告をするためにも、事前に確認しましょう。
引越し前に行うべき手続きを把握しておく
引っ越しをして住所変更する際は、事前に必要な手続きを把握しましょう。旧住所での手続きを忘れると、転送された郵便物や重要な書類が届かないなどの問題が起こる可能性があります。
住所変更時にやることリストを作成して、手続きに漏れがないように注意してください。
住民税の納め先について
住所変更後の住民税の納め先は、1月1日時点で住所を登録している自治体です。例えば、令和6年1月1日時点で東京都台東区に住んでいたら、東京都と台東区に住民税を納めます。
所得税の確定申告をすると住民税の申告は必要なく、6月上旬に納付書が届きます。
国民年金の異動届も提出する
住所変更をした際は、引越し先の市区町村役場へ国民年金の異動届を提出しましょう。国民年金の異動届の手続き期限は、引っ越しが終わってから14日以内です。ただし、事前にマイナンバーと基礎年金番号を紐づけていると、国民年金の異動届の提出は不要です。
マイナンバーと基礎年金番号の紐づけは、マイナポータルで手続きができます。
参考:マイナポータル
転出届・転入届も引越し時に行う
引っ越しをして住所変更した際は、転出届と転入届を提出してください。転出届は引っ越し前の市区町村役場へ提出し、転入届は引っ越し先の市区町村役場へ提出が必要です。
転出届の提出期限は、引っ越し前後2週間以内です。転入届は、引っ越し後2週間以内に提出してください。
住所変更したら引越し先で確定申告を行おう
本記事では、住所変更した方に向けて、確定申告時に必要な書類や手続き方法を解説しました。確定申告書の提出は、現在住んでいる住所を管轄する税務署で行ってください。
また、各種届出や必要な手続きを行い、スムーズに新生活が送れるように準備をしましょう。
【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司
会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。
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