
個人事業主が確定申告をする際、必要経費の項目として「雑費」や「消耗品費」という勘定項目があります。事業に直接関係する仕入れ以外の費用をすべて雑費に計上すると、多額になり、税務署の調査対象となる可能性もあるため、適切な項目に分類することが重要です。本記事では、雑費や消耗品費の定義と経費計上の上限、注意点について詳しく解説します。
確定申告と雑費
雑費とは?
雑費とは、事業に必要な費用のうち、税務上の主要な17項目(例:水道光熱費、交通費、広告宣伝費など)に該当しない費用を指します。
主要な17項目の例
- 固定資産税などの税金
- 商品の梱包費や運賃
- 水道光熱費
- 交通費、通信費、広告宣伝費
- 接待交際費、損害保険料
- 消耗品費、修繕費 など
雑費はいくらまで必要経費として計上できる?
雑費に明確な上限額はありません。しかし、雑費の金額が大きすぎると、決算書の透明性が低くなり、税務調査の対象となる可能性が高まります。そのため、雑費は臨時的な経費にとどめ、可能な限り17項目のどれかに分類することが望ましいです。
雑費と消耗品費の違い
消耗品費とは?
消耗品費とは、短期間(1年未満)で使い切るものや10万円未満で購入した備品などの購入費用を指します。
消耗品費の具体例
- 文房具、帳簿用紙
- 事務用机、椅子、本棚、ロッカー
- 工具、機械部品
- ガソリン
- 掃除機、エアコン、パソコン(10万円未満)
固定資産との違い
- 10万円以上の備品 → 固定資産(減価償却が必要)
- 10万円未満の備品 → 消耗品費
- 10万円〜20万円未満の備品 → 3年間の均等償却が可能
- 30万円未満の備品(個人事業主限定) → 少額減価償却資産の特例で全額経費計上可能
雑費として計上できる経費
雑費の具体例
- ごみ処理代
- クリーニング代(事業用の衣服・ユニフォーム)
- 引越代(事業のための移転費用)
- 振込手数料
- 書籍代(業務に関連するもの)
- 税理士報酬
- 安全協力費などの会費
- 自治体の区費(事業活動に関連するもの)
注意点 雑費はあくまで事業のための費用に限られ、個人的な支出は必要経費として計上できません。
雑費の仕分け例
例えば、個人事業主が自宅の引っ越しを行い、5万円の引越代を支払ったとします。そのうち、事業用の荷物の運搬にかかった費用が2万5千円だった場合、確定申告で雑費として計上できるのは2万5千円のみです。
雑費の消費税区分
雑費のうち、事業のために購入したものに対する消費税は「課税仕入れ」に該当します。ただし、安全協力費や自治体の会費などは「不課税仕入れ」となるため、消費税計算の際に注意が必要です。
雑費を経費計上する際の注意点
1. 雑費を多用しない
雑費が多額になると、事業の実態が不明瞭になり、税務署や金融機関の信用を損なう可能性があります。可能な限り、具体的な勘定科目に分類しましょう。
例
- 安全協力費 → 諸費用
- 振込手数料 → 支払い手数料
2. 高額な支出は適切な項目に分類
高額な支出を雑費に計上すると、税務署に「事業に直接関係のない支出では?」と疑われる可能性があります。そのため、適切な科目(例:固定資産、支払手数料)に分類することが重要です。
3. 新しい勘定科目を追加可能
確定申告では、必要に応じて新しい勘定科目を追加できます。取引が頻繁なものや高額な支出がある場合は、一つの項目にまとめるとわかりやすくなります。
例
- 車両に関する費用(ガソリン代、税金、保険料) → 「車両費」として統合
まとめ
確定申告では、雑費と消耗品費の区別を明確にすることが重要です。
- 消耗品費 → 1年以内に使い切るもの、10万円未満の備品
- 雑費 → 主要17項目に該当しない臨時的な経費
- 高額な支出は適切な科目に分類する(例:固定資産、支払手数料)
- 税務署や金融機関の信用を損なわないよう、透明性の高い決算書を作成する
- 必要に応じて新しい勘定科目を追加し、整理しやすくする
適切な必要経費の分類を行い、正確で明瞭な確定申告を心がけましょう。

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司
会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。
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