障害者控除とは?対象者・控除金額・手続き方法を解説【確定申告】
障害者控除とは、障害のある方やその家族が受けることのできる税制度のことです。障害者控除の要件にあてはまる場合、所得税と住民税を安く抑えることが可能になります。この記事では、障害者控除の対象者、控除額、必要な手続きについて詳しく解説します。
確定申告をすることで税金が安くなるケースはたくさんあります。障碍者の場合は障害者控除という制度を利用することで本来支払うべき税金よりも安く抑えることが可能になります。障害者控除は本人や扶養している家族などが所得控除を受けられる制度のことを意味します。所得控除を受けることで所得税と住民税の金額が安くなるのでお得です。
障害者控除は自動で適用される訳ではないので要注意です。障害者控除を受けるためには決められた手続きを行う必要があります。申請方法は簡単で、確定申告の時に合わせて一緒に行います。会社員の場合と個人事業主の場合で必要な手続きが異なるので、自分の働き方やライフスタイルに合わせて正しく手続きする必要があります。
障害者控除とは?
障害者控除とは障害がある本人はもちろん、扶養している家族もその対象になります。所得税と住民税を抑えるための方法としても必ず知っておいたほうが良いです。障害者に該当する場合は所得控除を受けることが可能なので、税金を抑えたいのであれば必ず行うべきです。障碍者であれば誰でも申請できる制度なので、「自分は当てはまらないかもしれない」と言って諦めてはいけません。
障害の等級によっては特別障害者としての控除を受けることが可能です。通常の障害者控除よりも高い控除になっているので、より税金を抑えられます。障害者控除によって所得税と住民税が安くなるので、所得税と住民税の支払いが辛いと感じている場合は必ず申請した方が良いです。
障害者控除の対象となるためには、以下のような要件を満たす必要があります。
障害者控除の対象者
障害者控除は、障害のある本人やその家族が税金の負担を軽減できる制度です。この控除を利用することで、所得税や住民税の負担が少なくなり、経済的な支援を受けることが可能になります。しかし、この制度を利用するためには、特定の要件を満たす必要があります。ここでは、障害者控除の対象者となるための要件について詳しく解説します。
障害者控除の要件とは?
障害者控除の対象となるためには、以下のような要件を満たす必要があります。
障害者手帳の交付を受けている場合
障害者控除を受けるためには、まず障害の存在が公的に認められている必要があります。これは、以下のような障害者手帳の交付を受けることで証明されます。
精神障害者保健福祉手帳
精神障害がある人に交付され、障害の程度に応じて1級から3級までの等級があります。この手帳は、精神障害のある人が社会生活を送る上での支援やサービスを受けるための重要な証明書です。
身体障害者手帳
身体に障害がある人に交付され、障害の種類と程度に応じて1級から7級までの等級が設けられています。視覚、聴覚、言語、四肢の障害など、様々な身体障害がこの手帳によって認定されます。
療育手帳
知的障害や発達障害がある人に交付される手帳で、障害の程度に応じてA、B、Cの3種類の等級があります。この手帳は、知的障害者や発達障害者が適切な支援を受けるための基準となります。
戦傷病者手帳
戦争による傷病で障害を持つ人に交付される手帳で、障害の程度に応じて特別な支援やサービスが提供されます。
原爆被害者健康手帳
原子爆弾の被爆による健康被害を受けた人に交付される手帳で、被爆による障害や疾病の治療、支援のための重要な証明書です。
障害者手帳がなくても障害者控除を受けられる場合
障害者手帳がない場合でも、特定の条件下では障害者控除を受けることが可能です。
市町村長などの障害者認定
市町村長などが行う障害者認定を受けた場合、障害者手帳がなくても障害者控除の対象となります。この認定は、障害の状態が一定の基準を満たす場合に限られ、障害者手帳の交付を待っている間や、特定の条件により手帳の交付が難しい場合に有効です。
身体障害者手帳などの交付を申請中の場合
障害者手帳の交付を申請中である場合、その申請が受理されていることを証明する書類を提出することで、障害者控除を受けることができます。この場合、医師の診断書や申請書の受理証明が必要になることがあります。
障害者控除は、障害のある本人や家族にとって大きな支援となります。手帳の有無に関わらず、適切な手続きを行うことで、税金の負担を軽減することが可能です。障害者控除の対象者や要件については、最新の情報を確認し、必要な手続きを行うことが重要です。
障害者控除の控除額は?
障害者控除の額は決まっているので自分がどこに該当するのか確認します。特別障害者に該当する場合は通常の控除よりも控除される金額が高くなり、同居特別障害者になるとその控除額はさらに高くなるのでメリットが多いです。
障害者控除の計算方法は?
課税所得金額を計算
所得税は累進課税という制度が適用されています。所得が増えれば増えるほど税金も高くなるような仕組みです。所得がたくさんある障害者の場合は控除される金額も高くなるので、よりお得になります。特別障害者に該当する場合は障害者控除の額も高くなり、税金もかなり抑えることが可能です。
もっとも一般的な計算方法は年収から給与所得控除額から基礎控除額を差し引く計算方法です。給与所得がある場合はこのやり方で課税所得金額が分かります。
控除額に税率をかける
控除額に税率をかけることで障害者控除でいくら戻るか明確になるケースもあります。自分の障害の度合いによって決まる控除額を確認して、その控除額に税率をかけるだけでOKです。障害の度合いによって決まっている控除額さえ分かれば、そこまで難しい計算ではありません。
「控除額が分からない」、「覚えても忘れてしまう」という場合は控除額をまとめた表を印刷しておき、いつでも確認できるような場所に貼っておくと良いかもしれません。
障害者控除の手続き
会社員の場合
会社員の場合は会社に提出する「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」が必要です。「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に自分の障害の状況を記入するだけで準備完了です。年末調整が受けられなかった場合は、確定申告で申請することも可能になります。
個人事業主の場合
個人事業主の場合は会社で年末調整を受けることができないので、確定申告が必須になります。障害者控除の手続きは確定申告と同時に済ませることができるので簡単です。控除額、障害者手帳の種類と番号などを記入するだけで完了です。
相続税の場合
相続税にも障害者控除の制度を適用させることが可能です。相続する人が障害者であり、なおかつ相続する人である場合は85歳までの間ずっと適用されます。年数1年につき10万円を相続税額から控除できるのでかなりメリットが大きいです。ちなみに特別障害者の場合は20万円になります。
申請方法は相続税の申請を行う時に「未成年者控除額・障害者控除額の計算書」という書類を提出します。障害者手帳なども必要となるので事前に準備しておくことをおすすめします。
まとめ
障害者手帳は運転免許証のように提出機会は少ないですし、他人にあまり見て欲しいものではないので常に持っている人は少ないです。引き出しの奥に入れっぱなし、カバンの中に入れっぱなしという人も多いです。中にはうっかり紛失してしまったという人もいます。交付を申請する適切なタイミングも分かりにくいので、障害者でも障害者手帳を持っていないというケースも多いです。
手帳の交付を申請中であっても要件を満たしていれば障害者控除を受けることが可能です。「医師の診断書がある」「判定する時点で交付を受けられる程度の障害がある」「判定する時点で障害のことが手帳に記載されている」、これらを満たしていれば手元に障害者手帳がなくても障害者控除を受けられます。
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