仮想通貨(暗号通貨)で損失が出た場合の確定申告は必要?不要?損失は繰り越せるのかも解説
仮想通貨で得た収入には税金が必要で、それに伴い確定申告も必要になります。では、仮想通貨取引で損失を出した場合はどうすればいいのでしょうか?本記事では、仮想通貨取引で損失が発生した際に知っておくべき、確定申告に関するポイントを説明します。
仮想通貨で損失が出た場合の確定申告は必要?不要?
もしも年度内に仮想通貨取引で損失が発生した場合は所得が0円なので、納税をする必要はありません。そのため、確定申告をする義務はありません。これに加えて、仮想通貨の場合は株やFXのように翌年度以降に損益通算を行うことができないので、確定申告をしても損失分を翌年度の利益から控除することは不可能です。
ただし、他の雑所得がある場合には確定申告を行う必要があります。仮想通貨取引で発生した損失分を他の収入から控除することが可能なので、節税対策として活用できます。
確定申告が必要な人とは?不要な人・した方がいい人、会社員の場合も解説【総まとめ】
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仮想通貨にかかる税金
仮想通貨に関する税金の基本は、以下の4点です。
- 総合課税の対象-年度内の他の所得との合計額を申告しなければなりません
- 所得税が適用される-本業の給料と同じように所得税が適用され金額に応じて税率が上がります
- 損失を他の所得区分の収入から差し引けない-損失を本業の給与所得から差し引けません
- 損益通算が不可能-損失が発生しても翌年度に赤字を持ち越せません
仮想通貨で損失が出た場合の注意点
仮想通貨で損失が出た場合の注意点を3つ順番に紹介します。
総平均法で計算した人は要注意
仮想通貨取引の利益や損失を計算する方法ですが、通常は移動平均法が用いられます。ただし、一定金間にわたり継続して取引を続ける場合に限り昨年度総平均法を用いることが認められています。いずれの方法でも売買取引によって発生するトータルの損益額は一致しますが、単年度で見ると金額に違いが出る場合があるので要注意です。
昨年度総平均法であれば年度内の全ての購入額を合計すれば済むので計算が簡単ですが、年度末ギリギリまで金額が確定しないというデメリットがあります。このため、確定申告のために慌てて計算をしたり、利益が出た場合は短期間で税金を支払うためにお金を用意したりしなければなりません。確定申告の手間を考えるのであれば、計算が面倒でも移動平均法のほうが優れているといえます。
他の雑所得がある場合は相殺可能
仮想通貨取引は株やFXのように申告分離課税が適用されないので、雑所得の扱いになります。このため損益通算ができないなどのデメリットがあるものの、仮想通貨取引以外の他の雑所得の収入と合算することが可能です。他の副業をしている方は、仮想通貨取引で発生した損失と相殺をすることで節税対策になります。
損失を相殺することで節税可能
損失の相殺でも、節税可能です。損失の相殺について、以下2つの場合に分けて解説します。
年内に利益確定をせず年越し後に同じ価格で売却した場合
複数の種類の仮想通貨を保有している場合は、年度末時点で通貨ごとに含み益・含み損が発生している可能性があります。長期保有をする場合でも、利確して含み益・含み損を計上してから翌年度に持ち越すことで節税対策ができます。
年内に利益確定の処理をした場合
もしも年度末の時点で利益確定をすれば、発生した含み損を活用して値上がり中の通貨の含み益を相殺することが可能です。利確して再び買い戻せば、翌年度以降に売却して得られる利益の幅を小さくすることができるからです。年度末の含み益が20万円以下の場合でも、一旦利確することで翌年度以降の課税所得額を減らせます。
株の損失は確定申告で節税! 確定申告のやり方も解説します
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よくある質問
最後に、仮想通貨で損失が出た場合の確定申告について、よくある質問と回答をまとめました。
仮装通貨の損失は確定申告で繰り越せる?
株式や投資信託で損失が出た場合、その損失を確定申告により、次の3年間にわたって利益から差し引けます。これを繰り越し控除と言います。一方、仮想通貨取引での損失は、翌年以降への繰り越しが認められていません。
仮想通貨で損失が出た場合の確定申告まとめ
仮想通貨で得られた所得は総合課税の対象なので、申告分離課税が適用される株式投資やFX取引と比較すると税金の面で不利です。申告分離課税のように損益通算ができないので仮想通貨取引で発生した損失を翌年度以降に持ち越せませんが、含み損を計上する目的で年度末に一旦利確をして確定申告を行うことで翌年度以降の所得額が減額できる可能性があります。
他の副業で雑所得を得ている方は、仮想通貨取引で発生した損失を計上することで確定申告の際に年内に発生した利益を相殺することも可能です。仮想通貨取引をお考えの方は、損失が発生した際にも確定申告を活用することで節税につなげることができるということを知っておきましょう。
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