引っ越し後の確定申告はどこで? 必要な届出や知っておきたい注意点

個人事業主や自営業の人は確定申告を毎年行っているので、引っ越ししたときにはどのような届出を行うべきなのか概要そのものを把握しているケースは多いといえましょう。その反面、確定申告の回数が少なかったり、1度だけ申告した後に引っ越しすることになった場合など、引っ越し先ではどのような手続きが必要になるのかわからないケースも多いといえます。

確定申告書等の書類の提出先は自宅の住所を管轄している税務署になるけれども、海外に引っ越して住所が変更になった場合、引っ越し後に確定申告をするときに届出をしなければならないことにはどのようなことがあるのか、こちらのコンテンツを見て貰うことで解決できるのではないでしょうか。

引っ越し後は確定申告の提出先はどこ?

引っ越し後の住所の税務署に提出

確定申告書の提出先は、原則住まいの住所を管轄している税務署に対して行うことになりますが、引っ越し後に提出する場合は引越し先の住所を管轄する税務署に行う必要があります。一見、収入が発生した以前の住まいの場で申告書の提出が必要になるのではないだろうか。このような印象を抱く人もいるかと思われますが、確定申告を行う時点で住んでいる住所を管轄する税務署、これが提出先の基本になることを覚えておきましょう。

確定申告書には現在の住まいの場所を記載することになりますが、引っ越し後に住民票を異動していない場合も引越し先の住所を管轄する税務署への提出が可能です。住民票を移す手続きは市区町村の役所で行うことになりますが、現在の住まいの場所と引っ越し先を管轄する区役所の相違により手続きそのものが異なる、転入届などの場合は引っ越ししてから14日以内に提出しなければならないなど、確定申告以外のことについてもしっかり把握しておくことをおすすめします。

海外に引っ越しをして住所が変わった場合は?

  • 1.国内に事業を行う事務所等を有する場合は、その事務所等の所在地
  • 2.(1)以外で、以前に納税地とされていた住所や居所(住所とは別に、実際に住んでいる場所)に親族等が引き続き、または代わって住んでいる場合には、以前の住所又は居所
  • 3.(1)および(2)以外の場合で、国内の不動産収入を受ける場合は、収入を受ける不動産の所在地(不動産が2つ以上ある場合には、主たる資産の所在地)
  • 4.(1)?(3)で納税地が決まっていたが、いずれも当てはまらなくなった場合、その直前において納税地だった場所
  • 5.(1)?(4)以外の場合、本人が選んだ住所
  • 6.(1)~(5)のいずれにも該当しない場合は、麹町税務署の管轄区域内の場所

海外に引っ越しを行い日本国内の住所がなくなった場合は、非居住者の親族や友人などを納税管理人に任命します。ただ、確定申告の代理人をつとめる納税管理人の住所を管轄している税務署ではなく、非居住者になったときには国内に事業を行う事務所がある場合はその事務所の住所、以前に納税地になっていた住所に親族などが引き継いでいる場合には以前の住所を管轄する税務署などのように条件に応じて変わります。

引っ越し後に確定申告をする際に必要な届出とは?

所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書

年の途中で納税地の異動または変更する意思があるときは、納税地の変更手続きが必要です。この納税地の変更手続きは、「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」と呼ぶ書類を作成する、これを異動前の納税地を管轄する税務署に提出すれば良いのです。
また、所得税または消費税の確定申告の際に、申告書に異動または変更後の納税地を記載して提出することで変更されます。

個人事業主が引っ越しした場合に必要な届出

個人事業主が事務所を移転した際には、「個人事業の開業・廃業等届出書」と呼ぶ書類を引っ越し前の住所を管轄する税務署に提出しておく必要があります。自宅兼事務所で営業を行っている個人事業主の場合、引っ越しにより事務所の住所そのものが変わるため「個人事業の開業・廃業等届出書」を提出しなければなりません。

なお、先ほどの「所得税・消費税の納税地の異動に関する届出書」は、引っ越し前の納税地の所轄税務署に対して異動後遅滞なく提出しなければなりませんが、「個人事業の開業・廃業等届出書」の場合は事業の開始の事実があった日から1か月以内に納税地を所轄する税務署長など、書類の種類で提出先およびタイミングが異なりますので注意しましょう。

引っ越し後の確定申告の注意点

各種届出は引っ越し前に提出しておく

従業員を雇い給与を支払っている個人事業主が引っ越しして事務所の移転を行った場合、「給与支払事務所等の開設・移転・廃止届出書」を引っ越し前の給与支払事務所の所在地を管轄する税務署に提出する必要があります。

引っ越し後に確定申告を行う場合にはいくつかの届出を行っておく必要がありますが、これらの届出は基本的には引っ越し前に済ませておけば安心ですし、遠方への引っ越しの場合などでは以前住んでいた住所を管轄する税務署まで出かけなければならないこともあるため、事前準備がおすすめです。

住民税は1月1日時点の住所地の自治体に納める

住民税は住んでいる場所を管轄する自治体に対して納める義務を持つ税金で、いわゆる都道府県税や市町村税になります。この住民税の納税額は、所得税の確定申告に基づいて自治体が計算するのが特徴ですから、税務署内での特別な手続きそのものは不要です。

ただし、住民税は1月1日時点での住所を管轄する自治体に対して納めるルールになっていることは頭の隅に入れておくべきポイントです。引っ越しに伴う転出届および転入届により住民票が異動となる、これに伴い納税先も変更されます。年度の途中で引っ越しを行ったときには引っ越し前の住所を管轄する市区町村役場から納付書が送付されます。

まとめ

引っ越しに伴い確定申告書の提出が変わることがある、ケースバイケースではあるけれども届出が必要なケースがあるなど、個人事業主など毎年確定申告をされている人は注意が必要です。どのような届出をどこにいつまでに提出しなければならないのか、これは引っ越しを検討された段階から意識するようにして事前準備を始めておくと安心に繋がります。

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

【監修者】代官山税理士法人 / 代表 大勝 健司

会計士試験合格後、監査法人に入社。幅広い事業の監査業務に従事。 その後、売上高数千億の一部上場企業(小売業)にて、企業内会計士として経理業務に従事。税理士として、決算書の作成、法人税申告書、相続税の相談から申告実務全般にも携わる。また社会保険労務士として事業会社において各保険の入退社手続き、役員及び従業員向けの退職金制度導入、就業規則の作成等に至るまでの労務を経験。社会保険の知識にも明るい。ヒトとカネの融合的視点からのアドバイスを可能とする。

なお、確定申告書の提出先ですが、これは住まいの住所もしくは事業所の住所を管轄する税務署になりますので、引っ越しされて住所が変更になった場合でも管轄の変更がなければ以前と同じ税務署に提出することになる、このようなことも併せて覚えておくと引っ越しするときなど安心に繋がるのではないでしょうか。

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