配偶者控除とは?配偶者特別控除との違いや控除額を解説

個人事業主等が税金の申告を行う場合には、様々な経費や事業の状態などを書面にして提出することで税金の控除が受けられる場合が少なくありません。必要経費の中には人件費なども含まれることになりますが、一般の会社員等では基本的には事業主が申告を行うためその内訳が明確にならない場合も多いものです。
その中で法律で認められているものの中に配偶者控除があり、働いていない配偶者に対して一定の基準に基づいて税金面での控除が受けられることになっています。ここでは配偶者控除の申告の方法やそのメリット、及び配偶者特別控除との違いなどを詳細に解説します。所得の状態や申告内容によって控除額が変わる場合もあるため、基礎的な知識を理解しておく事は重要なポイントとなります。

配偶者控除とは?

  • 民法の規定による配偶者であること
  • 納税者と生計を一にしていること
  • 年間の合計所得金額が38万円以下(2020年分以降は48万円以下)であること
  • 青色申告者の事業専従者としてその年を通じて一度も給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと

配偶者控除とは民法の規定において配偶者となっている人が納税者と生計を共にしている場合、一定の基準に基づいて申告者の税額の1部を控除する仕組みです。年間の合計所得金額が2020年分以降は48万円以下である場合、基本的にこの控除を受けることができるようになっており、これを申告することで税額の減免を受けられる制度となっています。

配偶者控除の控除額とは?

配偶者控除における税金の控除額は、申告を行う納税者の所得によってその金額が異なっているため注意をしなければなりません。一般的には900万円以下の場合には現在では38万円、老人の場合には48万円となっており、所得金額が増えるにつれこれが減る仕組みとなっています。

所得税・住民税以外の配偶者控除

相続税の配偶者控除

配偶者控除は相続税においても適用される場合があり、この場合には1億6千万円までは相続税が免除される仕組みとなっています。これは財産形成において配偶者の役割は非常に重要なものとなっており、本人以外に配偶者の様々な努力によって財産が形成されていると言う判断によるものです。そのため配偶者以外の親族に財産が相続される場合に比べ、相続税が大幅に減免される仕組みとなっているのが特徴です。
また、財産を相続した配偶者もさらに親族に相続を行わなければならないことになるため、総合的に相続税を調整すると言う意味合いも含んでおり、直接子供などの親族に相続をする場合と比べて不公平感がないようにすると言う意図も含まれることになります。

贈与税の配偶者控除

配偶者に財産を贈与する場合には現在贈与税で認められている110万円までの相続税免除のほか、最大2000万円までの免除が認められています。これは財産を形成するために配偶者の協力が非常に大きなものであると言う考え方によるもので、その他の人に贈与する場合と明確に区別されているものです。
ただし20年以上の婚姻関係があることが前提となっており、贈与された財産が自らが居住するための住居もしくはこれを購入するための資金であることが前提であるほか、贈与を受けた翌年の3月15日までに、その物件に本人が実際に住んでいて、引き続き住む見込みであることが前提となります。そのため、単純に配偶者であるだけではこの免除を受けることができない点に注意が必要です。

配偶者特別控除とは?

  • 控除を受ける納税者本人のその年における合計所得金額が1000万円以下であること
  • 配偶者が民法の規定による配偶者であること
  • 配偶者が控除を受ける人と生計を一にしていること
  • 配偶者がその年に青色申告者の事業専従者としての給与の支払を受けていないこと又は白色申告者の事業専従者でないこと
  • 配偶者が年間の合計所得金額が38万円超123万円以下(2020年分以降は48万円超133万円以下)であること
  • 配偶者が配偶者特別控除を適用していないこと

配偶者特別控除は、配偶者控除の条件を超えても一定の範囲内であれば配偶者控除と同等の控除を受けることができる制度となっています。
基本的には配偶者の所得が38万円を超え(給与収入なら103万円)を超えても123万円までは、元の配偶者控除と変わらない控除額が維持される制度であり、生計を共にしている配偶者の生活を安定させるために重要な制度となっているのがポイントです。

配偶者特別控除の控除額とは?

配偶者特別控除の場合には、配偶者の所得が123万円以下であれば通常の配偶者控除と同じように税金が減免される仕組みとなっています。具体的には、所得が38万円以下の配偶者と同じ金額だけ減免される仕組みとなっており、その金額が納税者の税額から減免されることになります。

配偶者特別控除の注意点

配偶者側では税金がかかるようになる

配偶者特別控除の場合には納税者の納税金額から配偶者の部分に相当する金額が減免されることになりますが、配偶者側では所得税が発生することに注意が必要です。一般的には給与所得が103万円を折れた場合には所得税が発生する仕組みとなっており、この基準に基づいて配偶者側に納税の義務が生じることに注意をしなければなりません。そのため、配偶者特別控除では主となる納税者の税額からは減免されることになりますが、配偶者本人の所得に対しては課税されることに注意が必要です。

収入が130万円になると社会保険の扶養から外れる

配偶者特別控除は給与所得が150万円までは対象になることになりますが、これとは別に収入が130万円以上になると社会保険の扶養対象から外れることになるため、配偶者本人から社会保険税が課税されることになります。そのため、所得が130万円を超えた場合に実際の収入が大きく減少することになる点に注意をしなければなりません。具体的には社会保険税はおおむね30万円となっているため、これが非常に大きな負担となることに注意が必要です。

配偶者控除・配偶者特別控除を受けるための手続きを解説

配偶者控除や配偶者特別控除を受けるためには、確定申告の際にその手続きを行うことが重要です。この際には配偶者の氏名や生年月日、及びマイナンバー等を提示し、また具体的な所得金額と控除金額を申告する必要があります。これらの申告を確定申告の際に適切に行うことで、これが配偶者控除や配偶者特別控除の条件に合致すればその控除が受けられることになっています。
具体的には申告書第二表の「配偶者(特別)控除」欄に配偶者の氏名・生年月日・マイナンバー(個人番号)を記載し、さらに配偶者控除か配偶者特別控除のどちらかにチェックを入れます。
さらに、確定申告書第一表の「配偶者の合計所得金額」欄に所得を記載し、「配偶者(特別)控除」欄に控除金額を記載します。配偶者特別控除を申告する場合には、その用紙の区分欄に「1」と記載することが必要です。非常に複雑な手続きのように感じますが、実際には確定申告の際にこれらの量子に記入を行えば良いので、比較的簡単な申告作業となっています。

配偶者控除・配偶者特別控除はいくら節税できるの?

配偶者控除や配偶者特別控除の節税額は、申告を行う納税者の所得やその条件によって異なるため注意をしなければなりません。納税者の所得が年間500万円であり、配偶者の所得がない場合には納税者の納税額は11万600円の減免となり、配偶者の負担はありません。これに対して配偶者の所得が65万円の場合には配偶者控除の対象からは漏れますが配偶者特別控除の対象となり、納税者の減免額は同様に11万600円となります。
ただし配偶者の所得が120万円の場合には配偶者特別控除の対象となるものの、その減免額は4万8,700円となるため、配偶者の所得に応じてその減免額が変動することを意識しておくことが必要です。
また配偶者控除の場合には配偶者側の納税は発生しませんが、配偶者特別控除の場合には配偶者自身の納税の義務が生じる年間所得の38万円を超えることになるため、これに対して確定申告が必要な場合も発生することを意識しておくことが必要です。さらに配偶者の所得が180万円を超える場合には社会保険税も発生し、結果的に税負担が大きくなるといったことも考えられることから、これらの仕組みを十分に理解することが重要なポイントとなっています。

まとめ

配偶者控除や配偶者特別控除は生計を共にする配偶者自身の負担を減らし、の生活を安定させるために非常に重要な制度となっています。その申告の方法を十分に理解し適切に申告をすることで税金の減免を行うことができるので、積極的に利用することが重要なポイントです。ただし配偶者の所得や納税者の所得によってはその控除を受けることができなかったり、また控除額が減る場合もあるため十分に注意をしなければなりません。
加えて配偶者に所得がある場合にはその所得金額に応じて社会保険税の負担が発生する可能性もあり、この点も十分に意識した上で適切な申告を行うことが重要なポイントとなっています。これらの仕組みを理解して効果的に活用するのが、非常に良い方法です。

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