確定申告の書類の提出日は例年2月16日から3月15日までの1ヵ月間となっていますが、窓口でこれらの書類を提出する際には非常に混み合い、多くの時間をとられてしまうことも多いため行くのが面倒だと言う人も少なくありません。また年度末の忙しい時期に貴重な時間をとられてしまう事になるため、そのタイミングを見つけることが難しいと言う場合も多いものです。
このようなときには確定申告を郵送で提出する方法を知っておくと非常に便利であり、また貴重な時間を有効に利用することができます。ここでは確定申告を郵送で提出する方法とその注意点に関して詳細に解説を行います。合わせて様々な添付書類の提出方法や記載上の注意点なども解説を行っていきます。
確定申告書類の提出方法とは?
郵送で提出
確定申告を郵送で提出する方法は、基本的には窓口で提出するのと同じ内容の書類を取り揃えて郵送で送るものです。
確定申告の会場に持っていく
確定申告の書類は、基本的には毎年2月16日から3月15日までの間に確定申告の会場に持ち込む方法が一般的です。
この会場では担当の税務署の職員がそれぞれの書類をその場で確認し、受理することで申告を行ったことになるため非常に確実な方法となっています。
e-Taxによる手続き
確定申告をe-Taxで行う方法は、自宅や事務所などからパソコンを用いて必要な申告書類を電子的に作成し、これを提出する仕組みとなっています。ただし本人確認のためにマイナンバーカードや住基カードを利用することになり、その認証の仕組みを持っていなければ申告を行うことができません。
確定申告書類を郵送で提出するメリット・デメリットとは?
郵送提出のメリット
確定申告を行う方法には、申告書と提出書類を郵送で提出すると言う方法があります。この場合には混雑する窓口に出向く事はなく、書類を届けることができるため忙しい場合などに窓口で時間を取られることがなく、手続きをスムーズに行うことができると言うメリットがあります。
特に年末の忙しい時間に窓口で順番待ちをする必要がなく、時間を有効に利用することができるため近年では非常によく用いられている方法となっています。ただし書類の記載に関してわからないことがある場合は窓口まで出向いて確認するのが良い方法です。
郵送提出のデメリット
確定申告書類を郵送で提出する場合には、書類の不備等に十分に注意をしなければなりません。提出書類の不備等があった場合には受理されずに返送されてしまうため、その間に多くの時間を費やしてしまうこともあり、結果的に提出日に間に合わないといった問題が発生することがあるのです。
また3月15日の期日までに間に合わなかった場合には追徴課税の対象となってしまうこともあるため、内容を十分に確認し不備のないように提出することが必要なポイントとなっています。
確定申告書類を郵送で提出する時の注意点
確定申告書の扱いは「信書」
確定申告書類を郵送で提出する場合には、その書類が信書であることに十分に注意をしなければなりません。
郵便法では信書は郵便で送らなければならないことになっており、宅配便等を利用することはできないことになっています。そのため他の様々な書類等と一緒に宅配便で送付をすると法律に違反することになり、様々なトラブルを招くことになります。
提出期限は「消印の日付」
確定申告書類を郵送で提出する場合には、期日までに提出を完了させるようにすることが重要です。郵送で提出する場合には提出期限が消印の日付が3月15日までとなっているため、この点に注意をしなければなりません。
ポストに投函した場合、郵便局の回収の時間帯などによっては翌日の日付になってしまうこともあるため、郵便局窓口に直接申し込み当日の日付の消印を押印してもらうのが確実です。
書類に不備があった場合は差し戻される
確定申告書類を郵送で提出する際には、提出書類の不備や添付書類の添付漏れ等がないように十分に確認をしてから送付することが重要です。万が一これらがあった場合には書類は受理されず、郵送で返送されてしまうことになるため提出期日までに提出をしたことにはなりません。
実際には郵送のタイムラグ等が発生し、多くの時間を費やしてしまうほか、期日までに間に合わない場合には追徴課税を受けてしまうなどのトラブルが発生することもあるため、十分に余裕を持って提出をすることが必要です。
確定申告書類を郵送する際の添付書類
返信用封筒と控え
基本的に郵送で確定申告書類を提出した場合、窓口で発行される提出の控えは送付されません。これを十分に認識しておくことが重要ですが、受理されたことを示す証明が欲しい場合には、返信用封筒に必要な料金分の切手を貼り同封することでその控えを受理することができます。
郵送の場合には基本的には受理したと言う連絡も特には無いため、提出したことの証明を受け取りたい場合には返信用封筒を同封することでこれを受け取ることができることを覚えておくと便利です。
社会保険料控除証明書
社会保険料控除証明書は、確定申告において社会保険料の控除を申請する場合に必要な証明書類となっています。基本的には年度末に自分が加入している日本年金機構から社会保険料控除証明書が送られてくるので、これを確定申告書類に同封して提出することで支払いの証明とすることができます。
多くの場合には日本年金機構から自動的に年末になると郵送されることが多いのですが、万が一手元に届いていない場合や紛失してしまったなどの場合には日本年金機構に申告することで、発行をしてもらうことができるので忘れずに取り寄せることが必要です。会社等の場合には会社側でその証明書類を準備することもありますが、基本的には自ら用意することが必要な提出書類となっています。
添源泉徴収票
確定申告を行う際には、これまでに支払った所得税の金額や内訳を示す証明書類が必要となります。企業などに勤めて所得税が毎月の給与から控除されている場合などは、この証明書類を提出することによりすでに支払った所得税の証明となります。この源泉徴収票を確定申告の際には添付することで、その後発生した経費や医療費の控除申請などを行う際に返還金を行う際の基準となるため、確定申告の際には必ず添付をし提出するようにすることが重要です。
この源泉徴収票は多くの企業や事業主から年末になると自動的に支給されることになりますが、必要に応じて企業や事業主に申告をすることで、発行をしてもらえることになるので忘れずに提出書類として同封することが大切です。
生命保険料控除証明書
生命保険料も、支払った金額に応じて確定申告の際の控除の対象となります。現在では一般生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除の3種類があるため、このどれに当てはまるかは生命保険会社からの書類によって確認することができるため、その内容を確認し申告書に記載することが必要です。
生命保険料控除証明書は、10月から11月の間に生命保険会社から送付される形となるため、通常は特に連絡をしなくても手元に届きますが、確定申告の際にこれを提出書類として提出しないと控除を受けることができないため注意をしなければなりません。万が一届いていない場合には生命保険会社に問い合わせをし入手することが必要です。
小規模企業共済等掛金
小規模企業共済等掛金は個人事業主が廃業をした場合に退職金の代わりに積み立てている掛け金の事ですが、これも全額所得税控除の対象となるため、確定申告の際にはこの支払いに関する情報を申告しておくと控除が受けられる形となります。
対象となるのは小規模企業共済法によって定められている共済契約と確定拠出年金法によって定められている個人型年金、及び地方公共団体が心身障害者に実施している扶養共済の3種類となっており、その証明書はそれぞれ様式が異なりますがそれぞれの団体から送られてくるものとなっているため、郵送で確定申告を行う場合にはこの証明書類を同封することで支払いを証明する提出書類にできます。
寄附金控除関係書類
国や地方公共団体などに寄付をした場合には、その寄付金に相当する金額が控除の対象となるため、その領収書や証明書などを団体から発行してもらうことで控除の証明書類となります。
寄付金に関する控除は年間2000円から対象となるため、少額でも忘れずに申告をすることが大切となっており、郵送の場合にはこの領収書や証明書類を同封することで提出書類とすることができるので確実に申告を行うことが重要です。ただし目的や寄付の宛先によっては、領収書のほか証明書を添付する必要がある場合もあるため注意が必要です。
地震保険料控除関係書類
地震保険を支払っている場合には、その支払い金額が一定の範囲内で控除の対象となるため、忘れずに保険料控除証明書を添付することが大切です。控除の金額は年間の支払保険料が5万円以下の場合は全額が、5万円超の場合は5万円までとなっており、その支払い額によって変わることも注意をしなければなりません。
確定申告をする場合にはこの保険料控除証明書を添付することで提出書類とすることができるため、忘れずに保険会社等から入手をすることが大切です。
まとめ
確定申告書類を郵送で送付する場合には、様々な点に注意をすることが必要です。最も重要なポイントは期日までに提出書類の不備や記載漏れがないように十分に確認をしてから提出することが重要であり、これがあると差し戻しとなってしまうため、郵送等の時間を含めてかなりの時間がかかると言うデメリットがあることを意識しなければなりません。
また、受理の証明書を必要とする場合には返信用の封筒に切手を貼って同封することも必要です。しかし、窓口で申告を行う場合には待ち時間等が発生するため年度末の忙しい時期に大幅に時間を取られる可能性もあり、忙しい場合には非常に便利な方法となっています。事前にしっかりと準備をして、期日までに確実に提出することができるよう準備を行うことが大切です。
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