労務とは?仕事内容や人事との違いを解説【保存版】

「労務」という言葉を耳にしたことはあっても、その具体的な仕事内容を詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。同じく事務職の「人事」と混同されがちですが、実際には業務範囲や役割が異なります。

本記事では、労務の業務内容、人事との違い、労務の具体的な仕事内容、必要なスキルやおすすめの資格について詳しく解説します。この記事を読むことで、労務に関する理解が深まり、社内のやり取りがスムーズになるでしょう。


労務とは?

労務とは、企業の従業員が安心して働くための環境を整え、労働に関する事務手続きを担当する業務を指します。
給与計算や社会保険の手続き、勤怠管理、労働法の遵守など、従業員の働きやすさを支える重要な役割を担っています。

労務は、企業の規模に関わらず必要不可欠な業務であり、適切な管理が行われないと、従業員の給与未払い・社会保険未加入・長時間労働の問題など、企業の運営に支障をきたす恐れがあります。


人事との違い

労務と人事はどちらも「ヒト」に関する仕事ですが、それぞれの役割は異なります。

人事の仕事内容

人事は、企業の成長に貢献できる人材の確保・育成・評価を主に担当します。具体的には以下のような業務があります。

  1. 採用活動(新卒・中途採用の企画・面接・選考)
  2. 社内研修(新入社員研修・管理職研修など)
  3. 評価制度の整備(業績評価・人事考課の策定)
  4. 配属・異動の決定(適材適所の人員配置)

労務と人事の違い

労務 人事
役割 労働環境の整備・管理 人材の採用・育成・評価
主な業務 給与計算、勤怠管理、社会保険手続き、労務トラブル対応 採用、研修、評価制度、配属管理
影響範囲 全社員に影響(給与・社保など) 個々の社員に影響(採用・昇進など)
ミスの影響 会社全体の経営に影響する可能性大 個々の社員への影響が中心

人事は「人を活かす」仕事、労務は「働く環境を守る」仕事と考えると分かりやすいでしょう。


労務の具体的な仕事内容

労務の仕事は多岐にわたり、主に給与計算、勤怠管理、社会保険・労働保険手続き、入社・退職手続き、労務トラブル対応、就業規則の管理などがあります。

1. 給与計算

毎月、従業員の給与を計算し、正しく支給する重要な業務です。

給与総支給額の計算

  • 基本給、通勤手当、各種手当(家族手当・役職手当など)
  • 時間外労働(残業・深夜・休日出勤)

控除額の計算

  • 所得税・住民税
  • 雇用保険・健康保険・厚生年金

給与計算のミスは従業員の生活に直結するため、正確な計算が求められます

2. 勤怠管理

従業員の勤務時間や休暇取得状況を管理し、適切な労働環境を維持する業務です。

主な管理項目

  • 出退勤時間
  • 時間外労働(残業)
  • 休憩時間・休日出勤回数
  • 有給休暇の取得状況

労働基準法では「1日8時間・週40時間以内の労働時間」が定められていますが、36協定を締結すれば時間外労働が可能になります。
違反すると企業の信用を損なうため、法令遵守の管理が必須です。

3. 社会保険・労働保険の手続き

従業員の健康保険や年金、労働保険(雇用保険・労災保険)の加入・変更・脱退手続きを行います。

主な手続き

  • 健康保険・厚生年金(加入・扶養変更・脱退手続き)
  • 雇用保険・労災保険(入退社時の手続き、給付金申請)

法改正によって変更が生じるため、最新の制度を常に把握することが重要です。

4. 入社・退職の手続き

新入社員や退職者に対する手続きを担当します。

入社時の対応

  • 労働条件通知書の発行
  • 社会保険・雇用保険の加入手続き

退職時の対応

  • 健康保険証・社員証・会社貸与品の回収
  • 源泉徴収票・雇用保険資格喪失証の発行

特に退職者に関する手続きは、法律に基づいて正しく処理する必要があります。

5. 労務トラブル対応

労務関連のトラブル(労働時間・給与未払い・ハラスメントなど)の対応を行います。

よくあるトラブル

  • 未払い残業代の請求
  • 有給休暇の未取得
  • ハラスメント問題(パワハラ・セクハラ)

適切な対応を怠ると、労働基準監督署への通報や裁判に発展することもあるため、慎重な対処が求められます。

6. 就業規則の作成・改定

就業規則は、企業のルールを明確に定める重要な書類です。

主な記載内容

  • 労働時間・休憩時間・休日
  • 給与・昇給・賞与
  • 退職・解雇の条件
  • ハラスメント防止策

法改正や社内環境の変化に応じて、適宜見直す必要があります。


労務に役立つ資格

労務の仕事には専門的な知識が求められるため、以下の資格が役立ちます。

  1. 社会保険労務士(社労士)(国家資格)
    → 労働基準法や社会保険制度の専門家
  2. 日商簿記検定(3級以上推奨)
    → 給与計算や財務管理の基礎を学べる
  3. 衛生管理者(国家資格)
    → 労働安全衛生法に基づく労働環境管理が可能

まとめ

労務は、企業の運営に欠かせない従業員の労働環境を整える重要な業務です。

人事との違い → 人材管理(人事) vs. 労働環境管理(労務)
主な業務 → 給与計算、勤怠管理、社会保険手続き、労務トラブル対応
おすすめ資格 → 社会保険労務士、日商簿記、衛生管理者

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