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更新日:2021年03月05日

労務とは?仕事内容や人事との違いを解説【保存版】

労務という職種について、一度は耳にしたことがある方が多いとは思いますが、その業務内容について正しく理解している人はあまり多くはないのではないでしょうか。よく混同されがちなのが同様に事務職の職種の1つである人事ではありますが、両者の仕事内容は若干異なっていて、その業務範囲は多岐に渡っているのが特徴です。

そこで、具体的にはどのような仕事をしている部署なのか、そして人事の仕事とはどのような点が異なっているのかを簡単にご紹介させていただきます。この記事をざっと読んでいただければ、きっとこれまであまり良く知らなった会社における労務の業務内容に関して理解が深まり、明日からの仕事でのやり取りなどがよりスムーズになることでしょう。

労務とは?

まず労務とはどういった業務のことを指し示すのかというと、一言でいうと労働に関連する事務的な手続きのことであり、大企業ではもちろんですがどれほど規模の小さい会社においても必要不可欠な業務です。それぞれの企業で働いている従業員がしっかりと毎月適切な給料を受け取り、安心して働くことができるためにはかかせない職種であり、もしこの業務をする部署が設置されてない場合は会社の運営が滞ってしまう可能性もあります。

人事との違い

人事の仕事内容

よく間違えられがちなのが、人事の業務ではありますが、両者の仕事内容は若干異なっています。まずは人事における業務内容を簡単に説明すると、主に以下に挙げる4つの業務を行っているのが人事の部署の特徴です。

  • 採用活動
  • 社内研修
  • 評価制度
  • 配属先の決定

会社の条件に合う適切な人材を確保するための採用活動では、新卒の若手の人材から中途入社のベテラン社員まで幅広い対応が求められます。採用人数やスパンは会社の長期計画に基づき計画的に考えていかなければなりません。
入社した後の社員それぞれの能力や経験値に合わせて適切なレベルの社内研修を実施し、社員の能力の底上げを図るのも大事な仕事です。

また、社員が適切な評価を受けることができるように、管理職の教育や評価指標の整備等を行い、評価制度を確立します。そして、新入社員や中途社員の希望や能力、会社の状況等を加味しながら、各従業員を適した部署に配置し、その後も適宜部署移動などの調整を行います。

労務と人事の違い

人事の仕事内容は新卒や中途の人材採用や育成や人材の評価や配属の管理など、総じて従業員個人個人に対する管理業務が中心ではありますが、それに対して労務の仕事内容は比較的会社に所属する全従業員に対して影響する業務が多い傾向があります。

つまり人事の業務に関してはもしミスがあったり不手際があったりしてもその影響は従業員の数名のみでとどまることが多いのですが、もし労務の部署において業務が滞ってしまった場合には会社全体へと影響が出てしまう可能性が高く、それだけ責任が重大である業務をあつかっている部署なのです。

労務の主な仕事内容

給与計算

社員勤怠管理表の集計

主な仕事内容の1つとして、社員の勤怠管理表の集計があります。勤怠の管理とは、それぞれの従業員がその月にどのくらいの時間働いたのかを把握し、その労働条件が労働基準法などの種々の法律の規定内に収まっているかどうかを確かめるために非常に重要な業務です。

具体的には、それぞれの従業員についてその月の出勤日が何日あったのか、遅刻や早退、有給休暇の取得日の日数や、出勤日における出勤時間及び退勤時間、そして残業時間などを確認します。これらの情報は、給与の支払いにも関連する大切な情報であるため、ミスなく正確に集計してまとめることが求められるのです。そのため、一般的に毎月の締日の付近には業務が増加する傾向があります。

給与総支給額の計算

給与総支給額の計算も大切な業務の1つであり、毎月必要な手続きです。給与の総支給額の中には一般に基本給に加えて通勤にかかる電車代やガソリン代などの通勤手当、子供を持つ家庭に支給されることがある家族手当、営業の職種の従業員に与えられる営業手当など、様々な手当ても含まれており、その計算は複雑です。

通常は毎月概ね同額が支給されることが多いですが、その月の時間外勤務が増えたり、昇格や昇給があった月などでは増額することもあるので、先月の数値を当てにしすぎずに毎月正確に計算することが求められます。時間外労働については深夜から早朝の時間帯の残業代には割増賃金が適応されるというルールもあるので、注意が必要です。

控除総額の計算

給与の総支給額を算出するだけではなく、その後控除総額の計算をすることも必須の手続きです。控除総額というのは、給与の中から毎月差し引かなければならない各種税金や保険料などの合計額のことであり、従業員個人の条件に伴い控除税額も異なってくるので1人1人に対して計算が必要になります。

一般的に全ての従業員に適応されるのは住民税や所得税などの税金、雇用保険への加入でかかる労働保険料、健康保険や厚生年金保険への加入に対して負担する社会保険料ですが、その他にも会社の制度を利用して財形貯蓄や生命保険に加入している場合や会社の寮や借り上げ社宅などに入居している場合についてはそれらの費用が追加になるので、注意が必要です。

勤怠管理

  • 出退勤時間
  • 時間外労働時間
  • 休憩時間
  • 出欠勤日数
  • 休日出勤回数
  • 有給休暇取得状況

勤怠管理においては、出社日の出社時間と退社時間と休憩時間と時間外労働時間を確認することで、労働基準法に基づく労働時間を超過していないかどうかを確認します。
労働基準法においては労働時間の上限は週40時間、1日8時以内と定められてはいますが、36協定という協定を別途締結することによって時間外労働時間の上限を増加させることができるため、締結の検討が必要です。

また、出欠勤日数や有給休暇の取得状況などについては、各会社における就業規則と照らし合わせ、もし規則からの逸脱などが認められた場合には適切な処置を検討する必要があります。

社会保険・労働保険の手続き

以下に挙げるような社会保険や労働保険の手続きについても労務が担当します。

  • 健康保険
  • 厚生年金保険
  • 介護保険
  • 労災保険
  • 雇用保険

健康保険は従業員が医療を受ける際の自己負担額を抑えるために加入が必要ですし、厚生年金保険は会社で働く従業員は支払の義務があり、将来の年金の受け取りの為に加入が必要です。また、介護保険は一定の年齢以上の従業員が支払いをする保険であり、労災保険は就業中や通勤中、出張中などの不慮の事故や怪我に対して適応されるため、加入していない場合は十分な補償を受けることができません。雇用保険についてはもし失業した場合に失業手当を受け取る際などに活用される保険であるため、全従業員に加入の義務があります。

入社・退職の手続き

社員の入社や退職の際の手続きについては、人事が担当している者と思われがちではありますが、実は書類の手配や雇用保険に関する手続きの部分については労務の職務範囲になります。

例えば、新たに新卒社員や中途社員が入社する場合には、労働条件通知書をそれぞれの社員に交付する必要があるのです。労働条件通知書には、会社において取り決められている労働条件の詳細が記載されており、契約社員であれば契約期間も示されています。労働条件通知書の交付と同時に、誓約書や必要に応じて医師の診断書など各種の必要書類を社員から回収するのも大事な業務です。

一方で、従業員が退職する場合には、会社から交付した書類を回収しなければなりません。具体的には、会社から交付していた健康保険被保険者証は退職と同時に執行するものですので、回収が必要ですし、社員証や会社から貸与していたノートパソコンなどももれなく回収する必要があります。逆に退職時に交付する書類としては、その年の年収等を示す源泉徴収票や雇用保険資格喪失証、離職票などがあるので、回収と交付をそれぞれ忘れずに行う必要があるのです。いずれも社員の入社と代謝という大事なイベントにかかわる手続きなので、ミスは許されません。

労務トラブル対応

トラブル対応については、大きく労働関係のトラブルと人間関係に関連するトラブルの2つの種類に分けることができます。

労働関連のトラブルとしては、主に労働時間や有給休暇に関連する事項が多く、例えば残業代が適切に払われていなかったり、残業しなければ終わらない量の業務を割り当てられているにもかかわらず残業を上司に認めてもらえずトラブルになっていたりすることがあります。これらの労働関連トラブルは放っておくと会社自体の信頼を損ない、最悪の場合は訴訟問題にも発展してしまう可能性があるため、適切に対処しなければなりません。

一方で、人間関係に関連したトラブルとしては、社内での陰湿ないじめや、近年増加傾向にあるセクハラやパワハラなどの各種ハラスメントが主に含まれ、中には社員個人のプライベートな内容にも関わるデリケートな事案も多く存在するため、より慎重な対応が求められます。まず相談を受けた際には、じっくりとヒアリングすることが必要です。

就業規則の作成

そもそも就業規則とは?

就業規則とは、そもそも会社において働くためのルールを定めた規則のことで、例えば遅刻や欠勤した際の対応や、年間に付与される有給休暇の日数などが定められています。一度作成したらそれで終わりという訳ではなく、法律の改正や時代の変化、社員からの要望などに応じて適宜見直しをして、定期的に改定が行われることがほとんどです。社員が会社で公平に扱われ、安心して就業するためには、適切な内容の就業規則の設定が必要不可欠なのです。

就業規則に定める事項

就業規則をじっくりと読む機会は普段なかなかないという人も多いかとは思いますが、実は就業規則にかかれている内容は多岐に渡ります。例えば、就業規則の中には副業の可否が記されているため、もし副業を検討している人は一度規則を確認する必要があるのです。

また、病気や出産、介護などで休暇をとったり休職したりする場合の待遇についても記載されていますので、これらに該当する可能性のある人もあらかじめ理解しておく方が賢明です。そして、会社での集団生活を行う上での基本的なルールについてももちろん記載されており、例えば就業中は飲酒してはいけないということや、フレックスタイムを採用している会社においては必ず出勤しなければならない時間帯なども定められています。

労務におすすめの資格

労務管理士

労務管理士とは、労働基準法を中心とした知識を身に付けて、会社の労働環境をより適切にコーディネートするための資格です。取得するための難易度としては、中程度の難易度と言われていますが、一般的な労働基準法などの法律の知識をすでに身につけている人にとってはそれほど難しい試験ではありません。会社によってはこの労務管理士の資格保持者に対して毎月の給与とは別に手当を付与していることもあるので、一度は取得を検討するのも良いでしょう。

社会保険労務士

社会保険労務士という資格は、いわゆる労働環境の保全に関するスペシャリストであり、各種の社会保険や労働関連の書類作成やその提出などを担います。国家資格であるためその取得難易度は非常に高く、多くの事務職が憧れる資格でもあります。難しい資格ではありますが、一度取得してしまえば会社においては幅広い業務を担当することが可能ですし、より高度な仕事を任せられることも増え、年収のアップも期待できるのです。

国家資格であり難易度が高いため、受験するためにはかなりの勉強量が必要にはなりますが、取得することで仕事の幅も広がるので、勉強熱心な人やキャリアアップをめざしている人は、一度は資格試験の受験を検討してみるのも良いでしょう。

日商簿記検定

日商簿記検定は労務のみならず幅広い事務系の仕事に共通して役立つ資格であり、難易度には段階があり初級、3級と2級と1級の4段階があります。ただし、初級は本当に初歩的な知識のみしか求められないため、一般的には3級以降の階級から実業務に役立てることが可能です。この資格を身に付けることによって、計算のスピードやその正確さを向上することができるため、仕事でのミスを減らしたり、より効率的な業務をしたりすることができます。

衛生管理者

衛生管理者は、労働安全衛生法で定められた国家資格であり、労働者の健康障害や労働災害を防止するために必要不可欠であるため、従業員が50人以上いる会社においては必ず選任することが定められています。取得難易度は非常に高く、その受験資格も厳しく労働衛生の実務経験が10年以上ないと受験することができません。しかし、一度取得すれば更新する必要はないため、一生ものの資格を手に入れて安定した収入を得たい人にはおすすめです。

まとめ

労務の具体的な仕事内容、人事との違いについて説明しました。労務の仕事は、企業の「ヒト」に関わる業務を担い、従業員が働きやすい環境づくりをすることがメインです。業務内容が多岐に渡り、必要な知識や能力が多いため、今回紹介した資格の勉強をする等して知識やスキルを身につけてみてはいかがでしょうか。

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